バラの水挿しの容器を入れているケースの底に害虫のフンらしきモノが。 なんとイラガの幼虫が葉裏に潜んでいました。それも、集団行動をする赤ちゃんではなく、かなり大きく成長したヤツです。刺されなくてよかった。危ない所でした。
イラガの幼虫がいかに恐いか、刺された経験のある人は(私もそうですが)よくご存知ですね。
数日前に作った「デービッド丸 そら型」が噴霧器の底に残っていたので、ハンドスプレーに移して吹きかけてみました。イラガの幼虫にも効果があるのか確認するのが目的です。以下「イラガの幼虫」を単にイラガと略記します。カメラで覗いてその美しい配色に驚きました。
10:02 AM これがバラの葉を喰うイラガです。柔らかい新葉ではなく、水挿しの穂木にしているやや硬くなった葉裏に付いていました。画面左上が食痕で、直線的に齧っています。左が頭部で、頭部と尾部を毒針で武装しています。
今回使用したデービッド丸にはニームオイルが入っていません。重曹、エコピタ、そして神協液肥です。実際に使用する場合と同じような量が降り掛かるように、やや離れた位置からハンドスプレーで2回シュッシュッしました。イラガは驚いて動き始めました。
チュウレンジハバチの場合もそうですが、デービッド丸を吹きかけると急に大きくのたうち始めます。ビックリしているからだけじゃなく、何かをすごく嫌がっているような動作です。でもこれで、見落としがちな幼虫も容易に発見できます。
10:03 AM さて問題は、イラガの全身にあるトゲや体毛が邪魔をしてエコピタが気門を塞げないのではないか?ということです。
しかしこうして写真で見ればそれは心配なかったようですね。エコピタに入っている界面活性剤の効果でしょうか、イラガの全身の表面にかかったように見えます。その量まではわかりませんが。
10:04 AM 葉の表面に付着したデービッド丸が乾き始めました。同時にイラガの動きにも変化が。動く速度が遅くなり、止まって頭を持ち上げる動作が出始めました。
10:15 AM 15分経過。さらに動きが鈍くなり、尾部はほとんど動かなくなりました。体をのけぞらして頭部を左右に激しく振り続けます。口らしきのもが見えています。
かなり苦しんでおり、もはや絶命寸前かのように思えますが、じつはここからイラガの強い生命力を見せつけられました。
頭を振りながらこの状態で1時間が経過。しぶといヤツですね。この日は晴天で、私の方が先にダウンしそうなので室内に持ち込みました。
仕事をしながらも、机の脇に置いているイラガが気になって仕方がありません(笑)。直射光から逃げられたからか、イラガは少し元気を取り戻したかのように見えます。
2:13 PM 4時間経過。気がつくと、イラガは体液を吐き出して力尽きたようにダウンしていました。もはや体をのけぞらせる力は無さそうですが、まだ生きています。回復する可能性は無いと思えたので、この時点で殺しました。
今回使用した「デービッド丸 そら型」には害虫の神経系を壊す毒は入っていません。殺虫効果は、エコピタのデンプンが気門を塞いで窒息させることによると思うのですが、口から体液を吐き出したのにはちょっと驚きました。もしかしたら、それは重曹の水溶液(アルカリ性)の効果なのでしょうか?
ノックダウン効果は無いものの、デービッド丸がイラガの幼虫に対しても有効なのが確認できました。「確認」と言っても僅か一例ではありますが。
7月12日追記
この穂木を採取した株(CLアイスバーグの2年生)をチェックする必要があります。数日前に、この株の混み過ぎたベーサルシュートを整枝したばかりなんですが、迂闊にも異常に気がつきませんでした。
チュウレンジハバチも含めて、これらの幼虫は羽化する前に繭を作ったり蛹(サナギ)になったりするのでしょうか? イラガは蛾ですからそうだろうと思うのですが、それらしきものを見たことがない(知らない)です。
検索してみました。「K's Natural Living ~花のある暮らし~」から「イラガの変身」
なるほどね。吐き出した黄色の液体は繭作りの材料だったんですね。悶絶する間際に最後の手段として繭を作ろうとしたのでしょうね。繭を作る「終齢幼虫」になるまではもう1回は脱皮が必要なように見えますが。。そうと知ればなんだか哀れに思えてきます。ナムアミダブツ
チュウレンジハバチも繭を作るのだそうです。情報源:「幼虫図鑑」から「チュウレンジバチ」
イラガの繭は見た記憶がありませんが、チュウレンジハバチの繭は見たことがあるような気がします。貴重な情報ありがとうございます。これで2種類の害虫の<繭>がわかりました。今後は繭退治にも留意します。イラガの繭は見てみたいです。まるで「スズメのたまご」ですね。あの駄菓子の「スズメのたまご」。