2012年6月30日土曜日

バラの交配 初めの一歩

かのやバラ園で開催されているデービッドさんのガーデニング講座(1泊2日で来年3月まで全7回) "2012 Gardening with David" で、私が最も楽しみにしているのは「バラの交配について」というカリキュラムです。

デービッド・サンダーソン

『交配の技術は難しいことではありません。大切なのは、作りたいバラの交配親の系譜を調べることです』というアドバイスと、その参考になる書籍の紹介がありました。右下の2冊がそれです。どちらも充実した内容です。

バラ大百科」は内容豊富で楽しめます。これには、河合伸志さんの「夢のバラを思い描いて 交配とタネまき」という3ページにわたるコラムがあって、バラの交配のおおよその手順がわかります。

右の「オールドローズと現代バラの系譜」は労作。オールドローズ・ファンや交配をめざす人には必携の一冊でしょうか。

デービッド・サンダーソン

デービッド・バークレイ・サンダーソンさん

「バラ大百科」と「オールドローズと現代バラの系譜」

デービッドさんが右手に持っている本は「ナチュラルガーデンを作る宿根草」(別冊NHK趣味の園芸)です。かのやバラ園のイングリッシュローズ ガーデンでは、かなり大規模に宿根草の植え付けが進んでいて、これが出来上がるのがとても楽しみです。宿根草の植栽もこの講座の大きなテーマですから、いずれご紹介できると思います。

交配のテーマをきめる

さて、バラの交配で私が選んだテーマは;

高温多湿に弱いERの「サマーソング」を(あの色を持つバラを)九州でもきれいに咲かせたい。そのために、交配の相手は暑さにも強い、同じくERの「メアリーローズ」を選ぶ

というものです。でも、私はメアリーローズを持っておらず、鹿屋にはサマーソングが無いので、花粉親になるサマーソングを鹿屋まで運ばなければなりません。次回の講座は9月上旬なので、交配の時期としては遅すぎる?と思うし、たぶんその時期に私のサマーソングは咲いていないだろうと思います。

今2番花が咲き始めたのですが、それを届けるためだけに鹿屋まで片道6時間のドライブはちょっとつらいものがあります。

あるいは花粉を採集してビンに詰め「クール便」で送ればいいのでしょうか。いや、誰かにやってもらうのではなく自分で交配させたいんですよね。

種子親を「メアリーローズ」にこだわらず、暑さに強い他の品種に変更すれば、なんとかなるかもしれません。

ここで前掲の2冊の本の出番です。自分が栽培しているバラの中で、サマーソングと時期を同じくして咲く元気なバラを見つけ、その系譜(交配親)を調べて、特性を知る。

手持ちの品種が多いわけではないので、その条件に合うものを見つけるのは容易ではないかもしれませんが、楽しい作業になりそうです。サマーソング X メアリーローズ という一見もっともらしい組み合わせではなく、そのときに咲いているいろんな品種に花粉をくっつけてみるのもおもしろいかも。でも、これは完全に「系譜」無視ですが(笑)

バラの栽培でいちばん楽しいこと

デービッドさんに、『バラの栽培でもっとも楽しいことはなんですか?』と質問したら、「交配してできたタネを播種し、それが発芽して育っていくのを見守る時です」という答えが、見守る様子の再現(少年みたいでかわいかった)とともに返ってきました。わかるような気がします。

バラのシベ

シベを観察するために試しに花弁を取り除いたHTの「ダーク・ベルベット」。3年程前に野瀬農園さんで育った苗で、上の写真とは関係ありません。
きれいですね。しかもメシベとオシベの区別が明確なので交配作業がしやすそうです。私は知らなかったのですが、シベの形は品種によって様々なようですね。

デービッドさんはシベを指で触ってその「粘り気」で成熟度を確かめているようでした。

バラの実生苗の定植

先日、栽培品種の実生苗を100本ほど畝に定植しました。T芽接ぎのためのノイバラ台木の実生苗も200本定植しました。いずれも植え痛みが出てちょっと心配しましたが。

でも(実生苗作りで幾つか反省点はあるものの)、ローズヒップの採取から播種そして育苗と一通り経験したので、おぼろげながらもバラの交配手順の全体像が見えてきました。新品種の作出(その過程)を楽しむことはビニールハウスが無くてもできそうな気がしています。

2012年6月10日日曜日

デービッド丸 3型

有機JAS適合資材で作るバラの殺菌・殺虫剤「デービッド丸3型」の処方と、それを自分なりにアレンジした「デービッド丸そら型」を紹介します。3型はそれまでの「マシン油乳剤」に替えて有機JAS適合の殺虫・殺菌剤「エコピタ 液剤」を使います。

「マシン油乳剤」には、原材料になるマシン油に不純物(添加剤)が含まれていることがあり、それが薬害を引き起こすきっかけになるという記事を読んだことがあります。実際に、デービッド丸 1型を使ってマシン油乳剤が原因と思われる薬害(葉焼け)が出たという報告がありました。私もそうでした。私の場合は古いマシン油乳剤を使ったのが悪かったと思います。

そのような予想外のケースや希釈倍率のミスによる事故を避けるために「 デービッド丸3型」処方になったそうです。

デービッド丸3型を説明するデービッドさん

マシン油乳剤を使うこれまでの処方や効果・薬害などについては2012年6月1日の記事:「デービッド丸 2型」をご覧ください。

エコピタ 液剤

エコピタ 液剤」は還元澱粉糖化物(食品)が有効成分で、有機JAS適合資材です。見た目は無色透明の "液体糊" あるいは "水飴" そっくりで、舐めてみると水飴のように甘い味がします。薄い水飴と言ってもいいのでしょうか、界面活性剤は入っていますが。

関連情報

還元澱粉糖化物液剤の製品特性と施設園芸作物での使用場面」 農畜産業振興機構

エコピタ 液剤の作用や特徴が、「総合的病害虫管理(Integrated Pest Management)」と関連づけて、わかりやすく具体的に説明されています。

デービッド丸 処方

デービッド丸 3型

水 1000cc
重曹 10グラム 下記の「重要:重曹の濃度」を読んでください。
エコピタ液剤 10cc(100倍)
ニームオイル 2cc(500倍)

尿素 5〜10グラム

デービッド丸 2型

水 1000cc
重曹 10グラム
マシン油乳剤 5〜10cc(200〜100倍)
ニームオイル 2cc

尿素 5〜10グラム

デービッド丸 1型

水 1000cc
重曹 10グラム
マシン油乳剤 5〜10cc(200〜100倍)
ニームオイル 2cc

製品安全データシート

使用するにあたっての留意点

以下はデービッドさんの指導・指摘そのものではなく、それを基に私が経験したことがらに、バラサークルメンバーの使用結果を加えたものです。

  • 使用する時期や天候あるいは時間帯、散布方法と量、そしてバラの生育状況、前回も使用していればその結果に応じて、希釈率を変更してください。
  • バラは品種によって、あるいはその生育ステージによって、薬剤に体する感受性が異なることを忘れないようにします。
  • 予防のための散布は、細かな霧が葉の両面にくまなく付着するように撒布します。
  • ウドンコ病の発生初期には、洗い流すようなつもりでやや多めに散布するとすぐに消えますが、翌日には再発します。1回の撒布だけでは不十分です。使用回数の制限はないので繰り返しの使用で、徐々に菌密度を下げていきます。
    ただし(当然のことながら)ウドンコ病が進行して葉色が灰色になった病変部位の治癒はできません。
  • ウドンコ病や灰色カビ病の病原菌に対する殺菌効果は、ホームセンターなどで販売している化学農薬と同じく、さほど顕著ではありません。病原菌の菌糸の伸長や胞子の拡散を押さえる程度です。黒点病に対しても同様です。
  • 尿素入りの処方は株が弱ったときに使用するためのものです。これの多用と尿素の高濃度(10グラム/リットルはやや高濃度)には注意。株が元気ならば、尿素(や液肥)を混ぜる必要はありません。
  • 黒点病が発生している場合の「有機液肥」の葉面撒布は菌の活性を助長するようです。液肥の葉面撒布はやむを得ない場合に限定すべきでしょうね。
  • アブラムシ、ハダニ、チュウレンジハバチとイラガの幼虫の駆除は重曹とエコピタの併用で可能ですが、スリップスの駆除は難しいというのが実感です。撒布の方法や回数が問題なのかもしれません。
  • デービッドさんによれば、この処方は成分が安定しているので必ずしも当日に使いきる必要はなく、翌日でもOKとのことです。

処方を公開することはデービッドさんのご了解を頂いていますが、ご使用にあたっては「自己責任」でお願いします。

2014年追記:重要:重曹の濃度

重曹(炭酸水素ナトリウム)を使った有機JAS適合農薬に「ハーモメイト水溶剤」があります。これはバラの「ウドンコ病」と「灰色カビ病」に適用があるのですが、指定の希釈倍数は800倍です。ハーモメイト水溶剤は、重曹80% +トリポリ燐酸ナトリウム10%に、10%の油脂・界面活性剤を加えたものですから、成分はほぼ同じと考えて差し支えないと思われます。これに較べデービッド丸の希釈倍数は100倍なので、高濃度による薬害が心配されます。

この2年間、私は家庭用の重曹やハーモメイト水溶剤を希釈倍数約300倍(3グラム/リットル)で使用しています。
300倍ではどのバラの品種・時期でも薬害が出たことはありません。所定濃度800~1000倍を厳守する、あるいは使用しない注意が必要なのは、例えば「ニガウリのある特定の品種」だそうです。バラも品種や生育ステージ、気温によって「感受性」が異なりますので、まずは安全と思われる800倍程度で使用して様子をみてください。
情報源:ハーモメイト水溶剤のチラシ

2015年4月追記:重要な変更「ハーモメイト水溶剤は、300倍ではどのバラの品種・時期でも薬害が出たことはありません」と書いていますが、発芽したばかりの接ぎ木の新芽に薬害が出たのでは?と疑わしい事例がありました。これはそのような新芽に撒布したのではなく、隣にあった成株にアブラムシが発生したのでその防除のためにエコピタ液剤と混ぜて撒布したハーモメイト水溶剤がかかってしまったという事例です。

これだけで薬害とは断定できませんが、このような予期せぬ事態に備えて、ハーモメイト水溶剤の希釈倍数はやはり800倍にすべきかと思います。もしかしたら、300倍でも800倍でもその効果はさほどの差はないのかも?しれません。

デービッド丸 そら型

私は現在「デービッド丸3型」の基本はそのままで、重曹の希釈倍率を300倍(800倍に変更)に、尿素を液肥に替えた「デービッド丸 そら型」を使っています。

デービッド丸 そら型

水 1000cc
重曹 または ハーモメイト水溶剤 3グラム(約300倍) 変更ーー>1.25グラム(約800倍)
エコピタ液剤 10cc(100倍)

アビオン - E 2cc(500倍)

ニームオイル 2cc(500倍)
液肥(神協液肥N4号) 2cc(500倍)*ニームオイルと液肥は状況に応じて使用

界面活性剤を含む「ハーモメイト水溶剤」ではなく、家庭用の重曹を使うときには「アビオン - E」を加えています。
これはパラフィンを主成分とし日本農林規格(有機JAS)に適合した展着剤です。デービッド丸 3型の「エコピタ液剤」には展着剤が含まれていますから家庭用の重曹でも展着剤を加える必要はないのですが、雨の多い時期には重曹の効果を守るのではと期待しています。実際はどうなのか、これは比較テストをしていないのでよくわかりません。

「デービッド丸 そら型」の効果

ハンコが必要な化学合成農薬を使うか、有機JAS適合農薬にするか、あるいはいっさいの農薬を使わないか、それは栽培者の判断ですね。私は花壇の一部に「食用バラ」を栽培しているので、「デービッド丸 そら型」以外の農薬をほとんど使いません。したがって自分の栽培事例で「デービッド丸 そら型」の効果を他と比較することができません。

重曹・ハーモメイト水溶剤・エコピタ液剤・アビオン−Eは いずれも有機JAS適合ですが、有機JAS適合といえども「農薬」の使用はできるだけ避けたくて、撒布(噴霧)は不定期に年間7〜8回程度、いわゆる「予防的な定期撒布」ではなく、アブラムシの発生が見られるときなどに被害株とその周辺に使用しています。年間を通してまったく撒布しない株も多数あります。

福岡県内外のバラ園では病虫害がほとんど出ていないところもありますが、管理者のお話を聞いてみると週一回の予防的撒布が欠かせないようで、ローテーションに組み込む薬剤の中にはハンコが必要なものも含まれるそうです。そのようなバラ園で使用されている薬剤と「結果」を比較すると、「デービッド丸 そら型」の効果は低いと言えます。特に「黒点病」に対しては(もともと適用対象ではないのですが)この処方では限界を感じています。しかし『秋には葉が落ちてしまって丸裸』といったほどではなので、病原菌の拡散を押さえるそれなりの効果はあるのでしょう。

「デービッド丸 そら型」の 秋の実例

2015年10月26日 追記 これは福岡県立 福岡魁誠高校の花壇です。バラジャムなどを作るための栽培なので、収穫期を避けて4月・6月・7月に各1回の計3回「デービッド丸 そら型」を撒布した花壇の、10月26日の状況です。

夏は黒点病も出て、現在はチュウレンジハバチの幼虫もナナホシテントウもカマキリもいます。ほぼ毎日、満開前の花の収穫をしているので写真に写っている花数は多くはありませんが、作柄は「並」です。関連記事は「リセットの9月」および「美しい10月」をご覧ください。

バラの病気の「治療薬」は無い

あるとき、知人の雨避けハウス内で栽培されている大量のバラにウドンコ病が激発してしまい、その防除作業の応援に2週間ほど通ったことがあります。「デービッド丸 そら型」や「カリグリーン水溶剤」、あるいは「サンヨール」、「パンチョTF顆粒水和剤」などの化学農薬をローテーションで撒布したのですが、その時の印象は『デービッド丸も他の薬剤も同じ。ほとんど効かない』というものでした。

最終的には(季節の変化もあって)目立つウドンコ病は消えたのですが、何が効いたのかよくわかりませんでした。たぶんどれも(それなりに)効いたのでしょうね。

『ホームセンターで販売しているような農薬はバラの病気には効かない』という話は何度か聞いたことがありますが、たぶん「デービッド丸 そら型」も似たようなものでしょう。アブラムシやチュウレンジハバチの幼虫に効果があるのも他と同じようなものです。

私のバラ花壇には黒点病もあるし(ウドンコ病は、風通しの悪い密植畝に出るか購入苗に付いてくる程度でほとんど無い)、チュウレンジハバチの幼虫もその時期にはいますが、撒布しながら『まぁ、こんなものか』と納得しています。「デービッド丸」の最大の効果(特徴)は 使用にあたっての安心感 でしょうか。

撒布回数は少ないものの「デービッド丸」の効果なのか、私のバラの病虫害は少しずつ減っていると感じています。

2012年6月3日日曜日

バラの 水挿し −2

少量のバラの挿し木をするには「水挿し」が手軽です。発根するまでに1ヶ月、場合によってはそれ以上かかります。水挿し成功のポイントは「溶存酸素量」なので、その間の水の交換を厭わなければまずまずの成功率になります。カルスの生成や根の成長を観察する楽しみもあります。

今年1月のバラの挿し木は、栽培品種で50%(120/240本)の活着率、台木用のノイバラ160本とスターダード用台木を作るための挿し木48本は、共に活着率100%を達成しました。

この6月の「緑枝挿し」シーズンは「水挿し」を試してみようと思っています。仕事と畑の作業で手一杯で、挿し木畝を立てるのが億劫なもので。実用目的ではないので「お手軽」優先です。

バーバラさんの「水挿し」 その後

写真左は2月8日に挿した「水挿し」の4月22日の様子です。
これは4月25日に投稿した バラの「水挿し」 ですでに紹介しました。

その後2週間が経過し、根が伸びて根量も増えています。鉢上げのタイミングですが、バーバラさんはなぜかあまり嬉しそうではありません。水挿しした品種はすでに何本も植えていて『もうこれ以上は要らないね』というものだし、別のものは『誰でも育てることのできるマチルダ』と言われたことがショックだったようです(笑)。

それで、挿し穂の太さが2mm程だった「ホットココア」と "とりあえず" の「マチルダ」だけが鉢上げされました。

6月3日現在、鉢上げした「マチルダ」は葉が枯れかかっています。
これはたぶん葉柄ごと落ちるでしょう。でも、私はそれでいいと思います。その後に新芽が出てくるはずです。

ほらね。よく見ると、新芽が見えるでしょう。
『"誰でも育てきるマチルダ" を私は育てきらんのかと思っていた』
とバーバラさん。だいじょうぶですよ。

「ホットココア」は、葉が落ちることなく なんとか頑張っています。この違いが何なのかわかりませんが、葉が枯れ落ちてもその後に新芽が出てくるのは、これまで何度も経験しました。畑の畝に挿してもそうですから、鉢上げの上手・下手は関係ないと思います。

そらの「ロックウール挿し」

ロサ・オドラータのロックウール挿し

4月21日に「ロサ・オドラータ」を4本 ロックウールに挿しました。
4月25日に投稿した ロックウールを使った バラの挿し木(2) をご覧ください。

ところが、5月3日にはそのうち1本が枯れ始めました。上の写真で、左から2本目の挿し穂です。

原因は特定できませんが、使い古しのブロックだったので 腐敗菌が侵入したのかもしれません。2週間でブロックの色が変わっています。
雑菌(あるいは藻類)がいる証拠ですね。

なんとか1本は成功させたいので、安全のため「水挿し」も始めました。「珪酸塩白土」(商品名:ミリオンA)を入れています。

バーバラさんの「味付たこ」の箱が空いたので、それを使っています。この上に、薄手のビニール袋をルーズに被せています。

ロサ・オドラータ水挿しの発根

「発根するまで時間がかかるかな』と思っていましたが、1ヶ月もかからず発根し始め、6月3日現在では根の長さが10cmを超えました。ロックウールに挿したものも同様ですが、水挿しの方がやや長いでしょうか。

1月の「休眠枝挿し」では 発根する前に発芽します。でも今回は逆ですね。芽が動く様子はまだ観察できませんが、これももう鉢上げの時期でしょうね。地に植えたら、もしかしたらバーバラさんの「マチルダ」のように、葉柄ごと葉が落ちるかもしれません。

HT品種の水挿し

HT品種の水挿し バラHTの水挿し

バラサークルのMさんから2本の枝を預かりました。良好な生育状態のHT品種です。2節あるいは3節で切り分けて、これも「水挿し」です。

ロックウール挿しも試したかったのですが、適当なものを入手できませんでした。「ロサ・オドラータ」が水挿しで好調なので、あえてロックウールに拘る必要もないかと思います。ミリオンAは入れていますが、今回の一連の水挿しはオキシベロンなどの発根促進剤は使用していません。

挿し穂は半透明プラスチックの箱に入れています。フタをややずらして、「密閉ではないけど、ある程度の湿度は保つ」という状態で、明るい窓辺に置いています。

葉がやや大きいかもしれませんが、切り花栽培農家が『挿し穂の葉は必ず付けておく』とされる理由を考えながらのテストです。

その他に、台芽が伸びた「ロサ ラクサ」も水に挿しました(写真はありません)。しかしこれは若い枝で、しかも2週間も水に浸けて放置(水質悪化)していたのでダメかも。

「水挿し」は "手軽さ" がいいですね。「ミリオンA」があれば手間要らずだし。オールドローズやイングリッシュローズをメインに、もう少し品種を増やして試してみようと思います。

2013年2月追記:この水挿しのその後の経過は以下の記事をご覧ください。
2012年7月1日「バラの 水挿し −3」  2013年2月8日「バラの 水挿し −4

2012年6月1日金曜日

デービッド丸 2型

2月4日のデービッドさんの講習会で紹介されたバラの病害虫予防のための「デービッド丸1型」(通称)は「重曹」を主成分とする処方で、粕屋町バラサークルのメンバーの多くが使用していて、好評です。かのやバラ園で開催されているデービッドさんのガーデニングセミナーで、尿素を入れた処方「デービッド丸2型」を作る実習がありました。

デービッド丸に使う農薬 ニームオイル

デービッド丸 2型

  • 水 1000cc
  • 重曹 10グラム
  • マシン油乳剤 5〜10cc(200〜100倍)
  • 尿素 5〜10グラム(200〜100倍)
  • ニームオイル 2cc ※使用量は製品(アザディラクチンの含有量)によって多少異なる

「デービッド丸」 や 「2型」などという名称は粕屋町バラサークル内の通称で、デービッドさんご自身はそういう名称は使用していません。
処方を公開することはデービッドさんのご了解を頂いていますが、ご使用にあたっては「自己責任」でお願いします。

注意点

  • この2型処方は何らかの理由で葉が痛んでいるときに使用します。使用するのは原則として6月以降、芽吹きの時期(4月)には使用しません。
  • 噴霧は日中を避け、作った日に使いきること。
  • 2リットルのペットボトルで1L作ると撹拌が容易ですが、その場合はペットボトルのラベルを外し注意を喚起する表示をしておくのが重要だとのこと。万が一、子どもが「カルピス」と間違えると大変です。デービッドさんが子どもの頃、コーラの空き瓶で何かの液を作ったら、そうとは知らないお父さんが誤飲してぶん殴られたと笑ってありました。

デービッド丸の効果

私のバラは過去3年間植えっぱなしの放任(無肥料・無農薬)だったので、黒点病とチュウレンジバチの被害で無惨な状態でした。今年はデービッド丸を使っているので被害はほとんどありません。

黒点病は、たぶん噴霧し忘れたのだろうと思われるごく一部(約200株のうち数枝、葉数で10~20枚くらい)に発生が見られる程度です。噴霧後には被害は拡大していません。

ウドンコ病は私のバラ園では発生していません。苗床の一部で出ましたので噴霧しましたが、効果はよくわかりません。被害の拡大はありませんが、白っぽくなった被害葉の色は回復していません。ウドンコ病の"治療効果"は無い?ように思えますが、菌は死んでいるのだろうと楽観的に思っています。

6月1日追記:台木用のノイバラの挿し木苗床に発生したウドンコ病は、楽観的な期待とは逆に残念ながら被害が拡大しています。あまりにも枝葉が茂りすぎて、噴霧が不充分だったのかもしれません。

6月4日追記:1日の夕刻、すっかり暗くなった畑で、ウドンコ病が出た挿し木苗床に「デービッド丸 そら型」(尿素の代わりに葉面散布型液肥を入れたもの)を散布しました。今日4日朝、状況を見に行くと『おっ!?』と思う程、被害が少なくなっていました。被害が拡大するのは止まりましたし、ウドンコ病の"治療効果"もあるのかもしれません。

チュウレンジハバチの幼虫は僅かに発生しましたが、デービッド丸を噴霧するとのたうち回り、翌朝には姿が消えていますので駆除効果もあるようです。これは「マシン油乳剤」の効果なんでしょうね。

アブラムシは新芽にくり返し発生しましたが、これも噴霧翌日には姿が消えています。どちらも少量ながら繰り返し発生しますので、この2種類への予防効果はさほど強くない(継続しない)ように思えます。

近所の、デービッド丸を使用していないバラサークルのメンバーのお庭も拝見しましたが、そこでは黒点病とチュウレンジハバチの被害が出ていて、あらためてデービッド丸の効果を実感しました。
今日はサークルのメンバーが畑に遊びに来られましたが、バラの葉の色つやの良さをほめてもらいました。肥料(EMボカシ・鈴木ボカシの鶏糞のカス・パワフルアミノ)の効果はもちろんあるでしょうが、デービッド丸も効いているのだと思います。

デービッド丸を使った場合の 薬害(葉焼け)

サークルのメンバー2名から相談がありました。でも、よく話を聞いてみるとその原因は希釈率の間違いと撹拌不足だったようです。特に「マシン油乳剤」が濃すぎると葉の周辺が焼けるようです。
私も失敗しました。それは柿の害虫退治のために何年も前に開封した古~いマシン油乳剤を使ったのが原因(古くて"乳剤"ではない状態になっていたから)です。容量5Lの電池式噴霧器を使ったのですが、分離して浮いていたマシン油に気づかず、タンクが空になる直前にそれが集中的に噴霧されてしまったのです。

葉面散布液肥と液体せっけん

デービッド丸2型は「尿素」を使います。これも濃いのはちょっと恐いですね。「4月には使うな」というのは、マシン油乳剤の影響と併せて、そういうことだと思います。でも、5月19日に2型を4L噴霧しましたが、新芽にも肥料焼けなどは起きませんでした。今回の視察会で私はスワ肥料店から「神協液肥N4号」という海藻エキス(多糖類・アミノ酸・ミネラル・ビタミンなど)入り葉面散布液肥を購入しました。「尿素」の代わりにこれを使おうと思います。

マシン油乳剤」は農薬ですから、これに代わって「液体せっけん」の使用を考えています。芽接ぎ勉強会の場でデモをした「重曹クリーナー」でもこれを使いましたよね。さて、マシン油乳剤の代わりに液体せっけんが使えるでしょうか。

追記:デービッド丸 3型処方があります。マシン油乳剤に代わって、有機JAS適合の「エコピタ液剤」を使用します。液体せっけんの必要性はなくなりました。デービッド丸を試用される場合は、この3型をお勧めします。