このブログについて


バラの栽培についての考え方や方法は多様です。その多様性こそが、バラが文化として豊かであることの証左なのでしょう。
"答え"は一つではないとすれば、バラ栽培の楽しさは、"自分のバラの世界を見つけ出す" その過程にあると思っています。

このブログは試行錯誤中のバラ栽培の記録です。一部の記事はバラ仲間に私の方法を紹介するために書いたものもありますが、
「栽培ガイド」の類ではありません。バラ栽培を始めた頃に書いた記事の内容は現在の栽培方法とは異なるものも多く、
技術的にも拙くて誤謬も多々含まれていると思われます。批評的に読んでくださるようお願いします。

2012年6月3日日曜日

バラの 水挿し −2

少量のバラの挿し木をするには「水挿し」が手軽です。発根するまでに1ヶ月、場合によってはそれ以上かかります。水挿し成功のポイントは「溶存酸素量」なので、その間の水の交換を厭わなければまずまずの成功率になります。カルスの生成や根の成長を観察する楽しみもあります。

2024年1月追記:「バラの水挿し」の方法を説明した新しい記事が「ペットボトルでバラの水挿し」にあります。


今年1月のバラの挿し木は、栽培品種で50%(120/240本)の活着率、台木用のノイバラ160本とスターダード用台木を作るための挿し木48本は、共に活着率100%を達成しました。

この6月の「緑枝挿し」シーズンは「水挿し」を試してみようと思っています。仕事と畑の作業で手一杯で、挿し木畝を立てるのが億劫なもので。実用目的ではないので「お手軽」優先です。

バーバラさんの「水挿し」 その後

写真左は2月8日に挿した「水挿し」の4月22日の様子です。
これは4月25日に投稿した バラの「水挿し」 ですでに紹介しました。

その後2週間が経過し、根が伸びて根量も増えています。鉢上げのタイミングですが、バーバラさんはなぜかあまり嬉しそうではありません。水挿しした品種はすでに何本も植えていて『もうこれ以上は要らないね』というものだし、別のものは『誰でも育てることのできるマチルダ』と言われたことがショックだったようです(笑)。

それで、挿し穂の太さが2mm程だった「ホットココア」と "とりあえず" の「マチルダ」だけが鉢上げされました。

6月3日現在、鉢上げした「マチルダ」は葉が枯れかかっています。
これはたぶん葉柄ごと落ちるでしょう。でも、私はそれでいいと思います。その後に新芽が出てくるはずです。

ほらね。よく見ると、新芽が見えるでしょう。
『"誰でも育てきるマチルダ" を私は育てきらんのかと思っていた』
とバーバラさん。だいじょうぶですよ。

「ホットココア」は、葉が落ちることなく なんとか頑張っています。この違いが何なのかわかりませんが、葉が枯れ落ちてもその後に新芽が出てくるのは、これまで何度も経験しました。畑の畝に挿してもそうですから、鉢上げの上手・下手は関係ないと思います。

そらの「ロックウール挿し」

ロサ・オドラータのロックウール挿し

4月21日に「ロサ・オドラータ」を4本 ロックウールに挿しました。
4月25日に投稿した ロックウールを使った バラの挿し木(2) をご覧ください。

ところが、5月3日にはそのうち1本が枯れ始めました。上の写真で、左から2本目の挿し穂です。

原因は特定できませんが、使い古しのブロックだったので 腐敗菌が侵入したのかもしれません。2週間でブロックの色が変わっています。
雑菌(あるいは藻類)がいる証拠ですね。

なんとか1本は成功させたいので、安全のため「水挿し」も始めました。「珪酸塩白土」(商品名:ミリオンA)を入れています。

バーバラさんの「味付たこ」の箱が空いたので、それを使っています。この上に、薄手のビニール袋をルーズに被せています。

ロサ・オドラータ水挿しの発根

「発根するまで時間がかかるかな』と思っていましたが、1ヶ月もかからず発根し始め、6月3日現在では根の長さが10cmを超えました。ロックウールに挿したものも同様ですが、水挿しの方がやや長いでしょうか。

1月の「休眠枝挿し」では 発根する前に発芽します。でも今回は逆ですね。芽が動く様子はまだ観察できませんが、これももう鉢上げの時期でしょうね。地に植えたら、もしかしたらバーバラさんの「マチルダ」のように葉柄ごと葉が落ちるかもしれません。

HT品種の水挿し

HT品種の水挿し バラHTの水挿し

バラサークルのMさんから2本の枝を預かりました。良好な生育状態のHT品種です。2節あるいは3節で切り分けて、これも「水挿し」です。

ロックウール挿しも試したかったのですが、適当なものを入手できませんでした。「ロサ・オドラータ」が水挿しで好調なので、あえてロックウールに拘る必要もないかと思います。ミリオンAは入れていますが、今回の一連の水挿しはオキシベロンなどの発根促進剤は使用していません。

挿し穂は半透明プラスチックの箱に入れています。フタをややずらして、「密閉ではないけど、ある程度の湿度は保つ」という状態で、明るい窓辺に置いています。

葉がやや大きいかもしれませんが、切り花栽培農家が『挿し穂の葉は必ず付けておく』とされる理由を考えながらのテストです。

その他に、台芽が伸びた「ロサ ラクサ」も水に挿しました(写真はありません)。しかしこれは若い枝で、しかも2週間も水に浸けて放置(水質悪化)していたのでダメかも。

「水挿し」は "手軽さ" がいいですね。「ミリオンA」があれば手間要らずだし。オールドローズやイングリッシュローズをメインに、もう少し品種を増やして試してみようと思います。

2013年2月追記:この水挿しのその後の経過は以下の記事をご覧ください。
2012年7月1日「バラの 水挿し −3」  2013年2月8日「バラの 水挿し −4

2024年1月追記:「バラの水挿し」の方法を説明した新しい記事が 「ペットボトルでバラの水挿し」 にあります。もし水挿しを試みられるなら、より実用的な方法を説明したこちらのページをご覧ください。

2 件のコメント:

そら みたか さんのコメント...

6月9日:
「ウィリアム・ロブ」(オールド・ベルベット・モス)と、ERの「シャリファ・アスマ」を水挿しにしました。

そら みたか さんのコメント...

6月12日:
Mさんから頂いたSTD台木

6月16日:
ERの「クレア・オースチン」と品種不明の黄色のFLを、それぞれ水挿しにしました。