2023年1月15日 追記
この記事は今から7年も前のものです。基本的なことは同じですが、その後の経験の中で私の方法も変化しています。2022年から23年にかけては、挿し木した長尺枝に、芽接ぎではなくデービッド接ぎで接木する作業が進行中です。その経過は以下のページをご覧ください。
- 2022年10月22日「バラのスタンダード仕立てを作る ① 台木の秋挿し」
- 2022年11月27日「バラのスタンダード仕立てを作る ② 台木の秋挿しが発根」
- 2022年12月21日「バラのスタンダード仕立てを作る ③ 接木方法について」
- 2023年 1月 9日「バラのスタンダード仕立てを作る ④ 台木の鉢上げ」
- 2023年 1月17日「バラのスタンダード仕立てを作る ⑤ 接木」
- 2023年 3月29日「バラのスタンダード仕立てを作る ⑥ 新梢と、台木上部のカット」
ガーデンに華やかさと変化をもたらすスタンダード仕立てを、挿し木台木に芽接ぎで作る作業記録です。スタンダード仕立ての台木を作る「長尺枝の挿し木」は品種と時期を選べば意外に簡単で成功率も高く、「芽接ぎ」もバラの接ぎ木では簡単な方法です。
バラのスタンダードでは石井強さんが有名ですね。「NHK趣味の園芸」から『名人・石井強に教わるバラのウィーピングスタンダード』という単行本が出ています。石井強さんのバラはため息が出るほど豪華な仕立てです。いつかはこのようなスタンダードを作ってみたいものですが、まずは胸元や目の高さで開花する小型のスタンダード仕立て作りを自己流で試みます。
このページはその主な工程を追記の形式で記録していきます。自分に合った方法を探るのが主な目的で、スタンダード仕立て作りのガイドとして適切ではありませんのでご承知ください。
"レッド カスケード" スタンダード仕立て:広島バラ園
福岡県 駕与丁公園バラ園にて 2011年5月30日撮影。
(この写真は、ブログの内容とは関係ありません)
概要
小型(全長2メートル以下)のバラのスタンダード仕立てを作るのは、さほど難しいことではありません。今回は芽接ぎと挿し木を同時にする「 芽接ぎ挿し」になりますが、その手順は;
- 台木にする長尺枝を準備する
- 接ぎ木する穂木を採取する
- 台木に「芽接ぎ」(またはデービッド接ぎなど)をする
- それを挿し木する
私は厳寒期に屋外での長尺枝の「芽接ぎ挿し」は経験がありません。これまでの方法は秋10月に小型ハウス内で長尺枝を挿し木し、発根後のこの時期に「芽接ぎ」して、そのままハウス内で養生するという方法でした。長尺枝の挿し木も芽接ぎもそれぞれ単独では難しいとは思いませんが、これまでとは異なる今回の試みが成功するかどうかはやってみなければわかりません。
この「芽接ぎ挿し」というのはスタンダード仕立てを作る方法として特別なものではないようで、スタンダード仕立ての生産で有名な◯◯バラ園も◯◯園も「芽接ぎ挿し」と聞いています。ただしそれはここでテストするF芽接ぎではなく、T芽接ぎ(T-budding/T字法芽接ぎ)なんだそうです。◯◯バラ園の生産現場(温室)を訪問した人から、その状況の写真を見せてもらったことはありますが、私自身は残念ながら見たことがありません。
1 スタンダード台木の準備
1−1 台木の品種を選ぶ
左の写真は、2015年1月24日に北九州市の「グリーンパークバラ園」で開催されたツルバラ剪定の講座(実習)の際に撮影した「ドクター・ヒューイ」です。
「ドクター・ヒューイ」は、アメリカでは接ぎ木用の台木としても利用される極めて生育の良い品種です。株元や前年枝から出たシュートが素直に長く伸びています。人物と比較すれば長さの見当がつくと思いますが、長い枝は2メートル近くもあります。レンズの画角の関係で細く短く見えますが、実際は多くの枝元は剪定鋏で切れるのかためらうほどの太さで、樹高は3メートルを超えています。
スタンダード仕立ての台木(以下 "STD" と略記)を作る長尺枝をツルバラから採るならば、その品種は私が知るかぎり、この「ドクター・ヒューイ」がもっとも適していると思います。この株なら10本ほどの立派な台木が作れそうですね。
胸元で花が咲くような(比較的小型の)STDならノイバラ(ロサ・ムルティフローラ)でも作れますし、ドッグローズ(ロサ・カニナ)であれば目の高さに仕立てることも可能です。今回はノイバラの長尺台木への芽接ぎや、ツルバラ "春風" の長尺枝を台木に使った芽接ぎ挿しも試してみます。
ドクター・ヒューイ 2015年5月追記
グリーンパークのバラフェアの際に撮影した「ドクター・ヒューイ」です。濃いクリムゾンの色合いがきれいですね。5月中旬のこの時期に、前年枝の株元附近から出たシュートは既に2メートルほども伸びています。このシュートは開花しませんから、長尺台木にする場合は真っすぐ上に伸ばします。写真上右も同じ品種ですが、これは剪定時とは別の株です。右側はやや日当りが良くないので開花が遅れていますが、それでもみごとな花つきです。
「ドクター・ヒューイ」は 1914年の登録(Thomas/米)なので PBR(品種育種者の権利)の保護期間は過ぎていますから、挿し木で増やすことが可能です。
スタンダード台木の条件
バラの接ぎ木用の台木は、スタンダードか否かを問わず「ノイバラ」に限定されるわけではありません。幾つかの条件を満たせば台木になり得るので、スタンダード台木の場合を考えてみます。
- 接ぎたい栽培品種よりも旺盛に生育する
- シュートの伸びがよく、太くて長い枝ができる
- 脇枝の発生が少ない
- トゲが少ない
- 接ぎたい栽培品種との相性が良い(親和性がある)
- 耐病性がある(特に "根頭癌腫病" に対して)
- 寿命が永い
5. 以降に関しては実際に試してみなければわかりません。バラ苗生産農家はそのあたりのノウハウを持ってあるようですが、『それはいわゆる "企業秘密" ね』と、笑って教えてくれません。当然ですよね。バラ苗生産農家も試行錯誤の中でそれを見つけていったのだそうです。
2015年5月追記:この "企業秘密" の一端?を、ハウステンボス・バラ祭りのセミナー会場でローズスタイリストの大野耕生さんが教えてくれました。台木の条件を追加します。
8. 台芽の発生が少ない(ロサ・カニナは台芽が多く出る)
9. 芽抜きをした跡がきれい(ドクター・ヒューイはきれいではない)
なるほど。ロサ・カニナの台芽には日頃悩まされているのでよくわかります。これのシュートも長く伸びるので捨てがたいのですが、それを回避するための "あっと驚く" 策も教えていただきました。やはり、プロは違いますね。でもそれはヒントだけなので詳細はわかりません。なので、まず実証実験をします。結果は2年後?
ドクター・ヒューイについても思い当たることがあります。でもそれは教えてくれた生産者の "企業秘密" かもしれないので、ここに書けないのがもどかしいです。書いても私たちアマチュアが簡単に真似のできることではないんですが。 要は、ドクター・ヒューイもSTDとして使える可能性があること、そしてプロは私たちからは見えない工夫をしながら栽培してあるということです。「だから素人が手を出すことじゃない」と言うのではありません。真逆です。「アマチュアだからこそ失敗のリスクを恐れず果敢なチャレンジを・・」と思います。
大野耕生さん、貴重なヒントをありがとうございました。お話はスタンダード仕立てだけではなく、デービッド接ぎの特徴をより理解することにもつながりました。それはこの後投稿予定の記事で考えてみます。
1−2 台木にする長尺枝を選ぶ
これは私の畑の端に植えられている一株です。台木用の秋挿しの挿し穂にしたので既に多くの枝が切ってありますが、今回はこの株から残しておいた枝を採りSTDにします。
- A:ローズヒップを採るための枝(既に収穫済み)です。10本以上の開花枝にたわわに稔り、その重みで地面に着くほど撓むので支柱を立てています。11月には熟して小鳥たちの格好のエサになっています。この枝は「前年枝」で硬くなっているからSTDには使わず、株元から切り捨てます。
- B&C:春に株元から出たベーサルシュートです。長さは1.5〜2M程度。これは花がついていません。今回はこの2本をSTDにして「芽接ぎ挿し」を試みます。
- D:切り残した前年枝から出たサイドシュートです。B&Cと較べればやや細く短いですが、それでもSTDとして使えます。この枝には既に昨年の10月に T芽接ぎ(T-budding)をしているので、今回は挿し木だけの作業になります。
- E:写真ではよく見えませんが、これは別の株から出たベーサルシュートです。2Mほど直立しその先端で枝分かれしていますが、花は付いていない枝です。
番外 10月T芽接ぎ+2月挿し木
上の写真のDの枝には昨年10月に「T芽接ぎ」をしています。先端付近にまず芽接ぎをして、それがうまくいきそうなら、厳寒期にその長尺枝を切って挿し木するという手順です。
「T芽接ぎ」(T字法芽接ぎ/T-budding)は、台木の表皮に "T" の形の切れ目を入れ、その部分の表皮を捲って形成層を出し、そこに「芽」を差し込む方法です。これは「時期」を選びます。晩秋になると枝が硬くなって表皮と形成層の分離が難しくなり、プロでも成功率が落ちてくるのだそうです。この品種はノイバラよりも1ヶ月ほども早くそれが進みます。
画面中央の赤い小さな芽がT芽接ぎです。芽が黒変していないので、とりあえず良さそう・・・じゃないよ、早く台木の始末(芽抜きと挿し木)をしなきゃ、せっかくの新芽がかわいそう。。
枝を切り離し、不要な芽をもぎ取って、挿し木する準備をしました。写真右は基部の切断面です。木質部の厚みを見ると、十分ではありませんがなんとか使える程度の充実度だろうと思います。しかしT芽接ぎした部分はちょっと細かったようです。理由は、STDとしての "長さ" を稼ぎたくて、できるだけ上の方に接いだからですが。。
2016年追記:この長尺枝は今から思えば「未熟な枝」です。中央の白いスポンジ状の「髄」の部分が大きく、できかけた木質部も柔らかいのが見た目でもわかります。この程度の充実度では長尺挿し木は(不可能ではないにしろ)難しいと思います。事実、この枝のT芽接ぎ挿しは(他の理由もあって)失敗しました。その詳細を、成功のツボは「蒸散」 バラのスタンダード芽接ぎ挿し に書いています。
1−3 長尺枝の準備
私が接ぎ木台木として好んで使う母木は純粋なノイバラ(ロサ・ムルティフローラ)ではありません。ノイバラよりも旺盛に生育し熟期も早いのでノイバラの剪定方法とは少し異なります。ノイバラは品種(幾つかの亜種がある)や栽培状況で枝の伸びが違うから『一概には言えない』という気がしますが、原種系の剪定の基本は「開花後にシュートより上で切る」ことですね。そのシュートを真っすぐ伸ばしてSTDにします。
上掲の「ドクター・ヒューイ」の場合は、春に新しく出たシュート(この枝は開花しない)がそのまま台木として使えます。なるべく長く伸ばすには直立させておくのがよさそうですが、放任しておいても他の枝に支えられて、それなりに伸びます。重要なのは、挿し木するには今年伸びた若い枝を使うことです。
写真右の白い容器に入れた4本が(前述の)B, C, D, E の枝です。黄色のコンテナの3株は、1年半前に挿し木した「ノイバラ」2株と、前年10月に挿し木した「ツクシイバラ」(中央)です。ツクシイバラは10月に挿し木して(無肥料で)4ヶ月後には写真下のような発根状態になりました。
2016年追記:2年生長尺枝の挿し木
春先に伸びて秋に充実した若い枝が「幼若性」の観点からも挿し木に適しているのは間違いないと思いますが、でも2年生の枝が挿し木に不適なのではありません。2016年の結果では、2年生の長尺枝が挿し木も芽接ぎも好成績でした。より正確に書けば、重要なのは、芽接ぎ挿しする長尺台木には充実した若い枝を使うことです。
1−4 接ぎ木されるのを待っている長尺台木たち
そのほかに、2013年秋に挿し木したノイバラが5株あります。長さは1.5M程度で、栽培がヘタなのかこの1年あまりの栽培期間中は、ほとんど長くも太くもなりませんでした。
芽接ぎ作業に備えて枝を整理しています。接ぎ木予定部分から下にある小枝は落とし、上にある枝葉は少し残しています。
支柱は縦には使わず、転倒防止のために横にした支柱に固定(仮止め)しています。
地植えのまま半ば放置されている4年生の株です。株立ちのものは「テリハノイバラ」で、これは枝を編み込んで自立型のスタンダード仕立てを作る予定。もう1本はふつうのノイバラです。このサイズになるとほとんど成長しない(伸びない、太らない)ようですが、肥培管理が悪いのかも。農薬はもちろん肥料をやった記憶もありませんが、「栽培」なんだから少しは面倒を見るべきですよね。ノイバラの台が曲がっているのは『風情があるかも・・』と思っているのですが(笑)。
でも。。2株とも秋にはきれいな実をつけるし、照り葉も秋空に映えてとてもきれいなので、あえて他の品種を接ぐこともないかなぁ。
2 接ぎ穂の準備
2−1 STDに 直立性のER「クイーン・オブ・スウェーデン」を接いで しまった!
2014年の接ぎ木シーズンに、どこで間違えたのか、STDに「クイーン・オブ・スウェーデン」を接いでしまいました。穂木の管理は自分では慎重にやっているつもりなんですが、『パット・オースチン に薄いピンクの花が咲いているよ』とバーバラさんに笑われることも。このSTDも花が咲くまで気づきませんでした。
「クイーン・オブ・スウェーデン」は好きなバラなので、すでにたくさん植えています。捨てようかとも思いましたが、旺盛に伸びた枝を躊躇うこと無く切って芽接ぎテスト用の穂木にしました。鉢植えだったので手を入れなければそのうち枯れるだろうと放任していたのですが、この品種は強いですね、枯れることはありませんでした。その強さに敬意を表する意味もあって?今年になって地に降ろしました。高くなるだろうからと地植えの同品種の背後に植えたのですが、現時点(2015年6月)では、ふつうの仕立ての株と同じ高さで咲いています(笑)。
2−2 STDに似合う品種は?
バラ仲間のミドリさんから『スタンダードの作り方を教えてほしい』と頼まれています。何を接ぐか、穂木を採る品種を今から準備する必要があります。ミドリさんの希望は「レオナルド・ダ・ヴィンチ」なんですが、この時期、品質の良い鉢苗(大苗)の入手が難しいとか。接ぐ時期は、T芽接ぎなら10月、その他の方法では厳寒期(1月下旬)ですから、新苗でもだいじょうぶではないでしょうか?
「レオナルド・ダ・ヴィンチ」はステキなバラですね。スタンダード仕立てに似合うと思います。STDに接ぐ品種は作者の好みでいいのでしょうが、私は次のような(欲張りな)条件で選ぼうと思っています。
- 中輪か小輪の四季咲き。一季咲きなら秋の葉色がきれいで、ローズピップが撓わに実る
- 花持ちがいい。または数多く咲く
- たおやかに枝垂れるシュラブ
- 枝が伸びすぎることなく、開花枝が多く出る
- 花の散り際がきれい(セルフクリーニング性がある)
私は特に 5. のセルフクリーニング性の有無が気になります。私のようなずぼらな栽培者には、花がらが残って見苦しい品種は、スタンダード仕立てには向きません。今年は(この条件にかなう品種が見つけられず/苦笑/とりあえず)「スーパー・エクセルサ」「安曇野」と、イングリッシュローズの「アンブリッジ・ローズ」「ダーシーバッセル」を接ぎました。
福岡県粕屋町 駕与丁公園バラ園のスタンダード
各地のバラ園は品種を選ぶのに良い参考になります。駕与丁公園バラ園にはスタンダードが数多く植えられています。いずれも 広島バラ園(田頭数蔵氏)で仕立てられた株です。
左:「春風」 中:「安曇野」 撮影:2011年5月 (3枚の写真はこの記事の内容とは関係ありません。)
写真上右:スタンダード仕立ての剪定を指導中の広島バラ園・田頭数蔵氏。 撮影:2011年12月
この時期の剪定ですべての枝をこの程度の長さまで切戻します。上の2品種もこれと同様に剪定したはずなんですが。
3 芽接ぎをする
3−1 「花*薔薇*会」徳田さんのスタンダード仕立て
鹿児島県鹿屋市の「花*薔薇*会」(はなはなかい)徳田さんの今年のスタンダード仕立てです。鉢植えの3年生ノイバラ台木に1月10日頃に接ぎ木され、温室内で養生されている株の一部です。2015年1月30日撮影。
これらの台木には「切接ぎ」と「芽接ぎ」、そして「デービッド接ぎ」の3種類の方法で接ぎ木がしてあります。画像クリックで拡大しますので、その違いがわかります。スタンダード仕立てにはどの方法がいいのか、徳田さんも試してあるのでしょうね、台木の状態に合わせて接ぎ方を変えてあるのがわかります。
左:台木の長さは、開花すればちょうど目の高さになる程度です。ノイバラの長尺枝はこの程度の長さになることが多く、それ以上長い台木は(前述の)「ドクター・ヒューイ」などツルバラ系を使うか、あるいはスタンダード台木用に育種されたハイブリッド種になります。
鉢の上に置かれている白い小さな袋には徳田さんオリジナルの配合肥料が入っています。
中:中央は2芽ある「デービッド接ぎ」(もしかしたら「切接ぎ」かも。違いは接ぎ穂の斜め切りした部分の向きですが、この写真ではよくわかりません)で、2本の枝には「芽接ぎ」がしてあります。
接ぎ木テープは「ニューメデール」が使われていますが、このような変則的な接ぎ方にも柔軟に対応できるこのテープは便利ですね。
右:上は「デービッド接ぎ」です。接ぎ穂の角度が「切接ぎ」とは異なり斜めに出ています。そして「芽接ぎ」が2カ所。これらの芽の中には既に接ぎ木テープを突き抜けているものもありますが、新芽(新梢)が5cmほど伸びてから不要な枝をカットすれば、スタンダード仕立てのできあがりです。
注:スタンダード仕立てにするのに、必ずしもこのように数多くの芽を接ぐ必要はありません。1芽でも接ぎ木に成功すれば多くの枝が出ます。もし1年目からより多くの花をバランス良く咲かせたいなら、『三角接ぎ』にする方法もあります。3個の芽の位置を120度ずらして3カ所(3方向)に接ぐやり方です。
2015年7月追記:この2株の台木には計6カ所の芽接ぎとデービッド接ぎがしてありますが、接いだ部分よりも上に枝が残されているのに注目。
3−2 デービッドさんの "Eye graft"(芽接ぎ)
2015年1月29, 30日に、かのやばら園で開催された "Gardening with David" デービッドさんのガーデニングセミナーは「接ぎ木」がテーマでした。
方法は3種類で;
- デービッド接ぎ "David's side graft"
- デービッド式 割接ぎ "David's spilt graft"
- 芽接ぎ "Eye graft"
私はこの芽接ぎ方法を、"T-budding"(T芽接ぎ)と区別するために "F芽接ぎ" と呼んでいます。今回はこの方法でスタンダード仕立てにチャレンジします。
David B. Sanderson さん
(バークレー・ローゼズ)
芽接ぎの「芽」の調整
左手に持った穂木は、自分に近い側が枝先です。枝の上側から下側に向かってナイフを入れます。(T芽接ぎではこれが逆になる)。芽の上側5〜7mm程度に刃をあて、ナイフの背を左手親指で押して切り下げていきます。
このとき、右手はナイフを持っているだけで、右手の力で切るのではありません。
芽の下側(株元側)も7mm程度切り分けます。これは少し長めでもかまいません。この後、切り分けた芽の部分を左手親指で軽く押さえながら、芽の下7mm程度の位置で、斜めにカットします。ナイフの刃の角度に注目。
これで「芽」ができました。乾燥しないように唇ではさみ(芽の数が多い場合は湿らせた布で覆うなど)、つぎに台木のカットをします。
芽接ぎの台木の調整
デービッドさんのセミナーでは、長尺台木ではなく、ふつうのノイバラ台木に芽接ぎをしました。まず台木の芽接ぎをする部分をきれいにします。次に左手で枝の部分をもち、用意した芽よりも少しだけ長めに台木を2mmほどの深さで切り分けます。切り分けた表皮の基部側を数ミリ残してカットして、そこに芽を嵌め込む(貼付ける)ように差し込みます。
説明が解りづらいかもしれませんが、台木の切り分けは芽を取るときと同じやり方です。「芽も台木も同じように切って嵌め込む」という感じです。
3−3 そらの "F芽接ぎ挿し"
台木にする長尺枝と穂木
2015年2月5日。私の「芽接ぎ挿し」の作業記録です。
方法はデービッドさんに教えてもらったそのままです。
台木にする長尺枝は、ツルバラの「春風」です。遅めに出たシュートでやや未熟であるように思われますが、ツルバラを台木にするテストとして、これに芽接ぎをしてみます。
芽を削ぎ取る
まず穂木を選び、トゲを外しながら形や色がきれいな芽が必要な数だけあるか、ベストな芽はどれか、確認します。
デービッドさんと同じ手順で芽を切り出しますが、これはホンのちょっとナイフが深く入りすぎてしまいました。芽を薄く削ぎ取れば芽の「原基」を傷つけそうで、つい刃が深く入ってしまいます。薄いと芽の切片の幅も狭くなるし。
刃がやや深く入って、芽の内側(裏側)に木質部が僅かに残るのは、T芽接ぎとは異なり、さほど問題ではないそうです。
芽
切り分けた部分の芽の下側7mm程度にナイフを斜めに入れて、芽を穂木から切り離します。芽の内側が乾かないように注意しながら、必要な数だけ作っていきます。
芽接ぎ2年目の頃、この芽の切片を、芽と台木の癒合(カルスの生成)に必要な植物ホルモン「オーキシン」の製剤である「オキシベロン」の薄い溶液に浸せば効果的ではないかと思いつき試してみたのですが、全部を完璧に失敗してしまいました。 『悪いアイディアではない。濃度の問題だろ?』と、まだ諦めたわけではありません(笑)。
台木に切り込みを入れる
左手で台木を持って切り込みを入れます。台木の上側から2mmほどの深さで、芽の長さよりわずかに長い程度に、真っすぐナイフを入れます。
ナイフの持ち方や力の入れ方は芽を取るときと同じです。デービッドさんの手元を見てください。そして下側(台木の基部側)を斜めに切ります。その結果、台木の表皮の一部が切り取られる形になります。
切り込みに芽を差し込む
この斜めに切った部分で芽の下部を挟むように差し込みます。「嵌め込む」という感覚でしょうか、芽も台木も下部は斜め切りしてあるので、ピタッと合うはずです。
またこの例では、芽と台木のカットした部分の幅がほぼ同じなので、形成層が合致する部分が多いですね。芽接ぎする部分の上下にある台木の芽は「芽抜き」をしておきます。
ただし、台木が細いので、深く芽抜きをすると枝が折れやすくなります。特に、2芽3芽接ぐ場合は慎重に。
テーピング
接ぎ木テープ「ニューメデール」を巻いていきます。台木の基部側から巻き始め、芽を挟み込んだ部分はしっかりと巻き、芽の上は1回だけ、そして芽抜きした部分にも巻いておきます。テープの巻き終わりは、引きちぎるように引っ張ればピタッと密着するので、結ぶ必要はありません。
台木の接ぎ木部分は芽抜きをしているのですが、それでも台芽が出てきて、接いだ芽なのか台芽なのかわからなくなることがあります。特に、2〜3個の芽を接いだ場合。接いだ芽にはテープの上から赤の油性ペンでマーキングしておけばわかりやすいかも。毎年そう思いながら、今年も『あれっ、接いだ芽はどれだ?』なんてことを繰り返しています。
挿し穂基部の調整
台木(挿し穂)の基部の調整は私は「片クサビ型」に調整します。これは一般的な方法で、斜め切りした部分を逆側からちょっと切り戻すやり方です。挿し穂基部の調整についてはバラサークルのメンバーと様々な方法を試したことがありますが、さほど優劣の差はありませんでしたので、自分流のやり方で良いと思います。
この台木の切断面は、外側から 表皮、形成層、木質部、髄(センターの白い部分)ですが、表皮と木質部の間の形成層がとても薄い層であるのがわかりますね。
"形成層" ってどれ?
芽が台木より小さい場合
用意した芽の幅が、台木の切り分けた部分より狭い場合は芽を片側に寄せ、その部分の形成層をしっかり合わせます。この写真では左側に合わせたつもりですが、ちょっとズレてますね。テーピングのときにもズレやすいので注意しながら(必要なら指で押して修整し)巻いていきます。
ノイバラ台木にノイバラを接いでしまった!
このように、F芽接ぎ の作業は難しいものではありません。ナイフの動く方向に手指はありませんから危険も少ないですね。不要なノイバラの枝を、台木や穂木に見立てて何度でも練習することができます。バラサークルの接ぎ木講習会で、あるメンバーがこの練習用のノイバラの芽を、栽培品種と取り違えて本番用の台木に接いでしまったらしく、後日『芽接ぎが成功したと開花を楽しみにしていたら、ノイバラの花が咲いた』と。ビックリした様子を想像すると爆笑ものですが、私も(前述のように)スタンダード台木に直立性の品種を接いでしまったので、似たようなものです。
いつも可笑しいバーバラさんは、スタンダード台木に芽を天地逆さまに接いでしまったことがありました。それでも発芽はするんですね。下向きに出た芽は、『頑張ってね』というバーバラさんの声が聞こえたのか、伸びて上を向いたのですが、残念ながらそこで力尽きてしまったようでした。芽の向きにはご要心。
三角接ぎ
プロが接いだ(販売されている)スタンダード仕立ては、ほとんどが2芽あるいは3芽接いであるようです。でも1芽だけでも、剪定できれいな形にまとめることができます。
スタンダード仕立てを作り始めた頃は1芽接いでいたのですが、その頃接いだ1株は現在も◯◯園芸店で「非売品」として目立つ場所に展示されています(自慢/笑)。きれいな球形に花が咲きます。なのでムリに多くの芽を接ぐ必要はありません。
三角接ぎを試みる場合は、この写真のように位置と角度をずらして接ぎますが、なんだか台木が(そして芽も)無理しているように見えますね。写真の色が悪いからかな? 三角接ぎをするにはもっと太くて充実した台木が必要なのかもしれません。
鉢植えノイバラの3年生台木に芽接ぎしたとき、『台木はさぞかし硬いんだろうなぁ』と危惧していましたが、ゴツゴツした木肌のわりにはスッとナイフが入ったので、ちょっと驚きました。本格的なスタンダード仕立て作りを目指すなら、まずしっかりした台木を作ることが肝要なんでしょうね。石井強さんは、挿し木した台木を3年ほど育てられるのだそうです。
3−4 そらの David's Spilt Graft デービッド式 割接ぎ
David's spilt graft(デービッド式 割接ぎ) は「デービッド接ぎ」の応用で、台木の枝を残さない接ぎ方です。
まず、ふつうのデービッド接ぎの要領で穂木と台木を調整します。この例では、2芽ある穂木を使っています。つぎに接いだ部分の少し上で台木を切断し、全体に接ぎ木テープを巻きます。これも比較的簡単な方法ですね。
下はその応用で、2芽ある穂木を2本接いでいます。計4芽ですが、ちょっと欲張り過ぎでしょうか。
2本の接ぎ穂の上側のものは、基部に隙間ができているのがわかります。台木の切りかたも深過ぎるようです。接ぎ木テープで強く巻いても、この表皮の厚さでは隙間は密着しないかも。接ぎ木がうまくいけば、カルスが隙間を埋めてはくれるんですが。
2015年7月追記:この2本の「割接ぎ挿し」は、悔しいことに失敗に終わりました。この割接ぎ挿しをしたとき、まさか2本とも失敗するとは思いませんでした。ショックでしたが、この失敗がいい勉強になりました。その顛末は、成功のツボは「蒸散」 バラのスタンダード芽接ぎ挿し に書いています。
4 長尺枝の挿し木
STDを作るこれまでの私の方法は「秋挿し」でした。この時期も基本的に同じだと思います。以下は私の方法ですが、挿し木はどういう方法でもいい*と思います。自分に合った方法で試してください。
- 採穂後の「水切れ」に注意
- 挿し木用土や挿し穂基部の調整は、ふつうの挿し木と同じ
- 挿し穂(長尺枝)の先端に葉が残っていればそのままでもいい
- ポットはやや大型のものを使う。私の場合は4号か5号のロング
- 空のポットを予定の位置に置き、3本の支柱を "横に" セットする
- 挿し穂の基部がポットの上部から1/3程度の位置になるよう、支柱に挿し穂を素早く(3カ所で)固定する
- 湿らせておいた挿し木用土をポットに入れ、充分に潅水する
- ポットを寒さから守る処置をして根の伸びを促す
2015年4月追記:*ただし、2015年の各種接ぎ木の途中経過から判断して、「ほぼ休眠状態の台木に、休眠していない穂木を接ぐ」というのは問題があると考えています(その逆はさほど問題ないと思う)。芽接ぎした長尺挿し木をうまく管理するには、可能なら台木を接ぎ木数週間前から日当りがよく寒風を避けることができる場所に移動しておく=台木を休眠させないのがベターでしょうね。
接いだ芽の活着を促すためには、接ぎ木後もある程度の温度が確保できる場所に置くことが重要だと(今更ながら)気がつきました。
4−1 ポットと挿し木用土の準備
今回使用したポットは5号のロングサイズ(LP-150/深さ30cm)です。排水の穴が小さいと思ったので底面に穴を増やしました。冬の寒さから守るために、ポットには梱包用のプチプチを巻き、それを10号のプラ鉢に入れて、隙間には籾殻燻炭を軽く詰めました。写真下左は、記録写真を撮るためにポットを天地逆さまに置いています。
挿し木用土は、ピートモス、籾殻燻炭、赤玉土、バーミキュライト、パーライトを混ぜました。こんなに混ぜるのは何が良いのか自信が無いからです(笑)。「保水性」と「通気性」の両方、なんか矛盾するような条件を満たすには何がいいのでしょう? 自分の栽培状況に合わせて決めればいいことですが、赤玉土単体でもいいのかも。
ノイバラは挿し木後1ヶ月程度で発根します。それまでの期間(特に挿し木から2〜3週間程度)は過湿とも思える状態が好ましいと考えています。発根後は逆に、根が水分を求めて伸びるように、徐々に水分を減らしていくのがいいと思います。でも、そのような条件を用土の配合で作るのは難しく、これは「水やり」で解決すべきことですね。それはわかっているのですが、毎日バラの世話ができるわけでもないので。。
混ぜ終えたら軽く水をかけて、それがなじむまでの待ち時間に芽接ぎの作業をします。
4−2 台木の固定
芽接ぎと 台木(挿し穂)の基部の調整を終えたら、挿し穂の基部がポットの上部から1/3程度の位置になるよう、支柱に挿し穂を素早く(3カ所で)固定します。間をおかず、湿らせておいた挿し木用土を隙間ができないよう軽く押さえながら入れます。終えたらすぐに水を静かにたっぷりと注ぎます。
長尺挿し木のツボ 用土を入れたポットに挿すのではなく、まずポットと枝を固定してから用土を入れます。このさい乾燥した用土を入れるのは禁物。挿し穂基部の水分が土に奪われて導管内に空気が入り、その結果水が上がらなくなって挿し木に失敗します。
写真上右:冷たく強い北西の季節風が直接あたるのを防ぐため、北西面にハウス用ビニールとコンパネを張りました。昨年までは簡易な温室だったのですが。。2011年の例:「ミニバラ用スタンダード台木の挿し木」。屋根が無いので水やりの回数は減るものの、これであのちっちゃな芽が、寒さ(低温もさることながら、冷たく乾いた季節風が恐い)に耐えれるのでしょうか。
15年4月追記:
換気用の穴を開けた大きめのビニール袋を、接ぎ木した部分にルーズに被せるという方法もあったのでしょうね。
どうしてそうしなかったのか自分でもわかりません。ボンヤリしていたのか慢心していたのか。たぶん、それまで使っていた温室のありがたさに気づかず、保温・保湿の重要性をよくわかっていなかったのでしょう。
4−3 接ぎ木後の管理
さて、これでスタンダード台木への接ぎ木作業が終わりました。芽接ぎ挿しやデービッド式割接ぎなど全部で14本です。
その内訳は;
- 芽接ぎ挿し 4本
- 割接ぎ挿し 2本
- ツルバラ台木に芽接ぎ挿し 1本
- 鉢植えノイバラ長尺台木に芽接ぎ 5本
- 10月挿し木の長尺台木に芽接ぎ 1本
- 地植えノイバラ長尺台木に芽接ぎ 1本
この後の経過や結果は、別ページで レポートする予定です。
2015年7月追記:この結果を 成功のツボは「蒸散」 バラのスタンダード芽接ぎ挿し にアップしました。
2015年11月追記:「作業記録:バラのスタンダード 2016」をスタートしました。
追記 2016年の スタンダード芽接ぎ挿し
2016年2月20日追記:2月に今シーズンの「スタンダード芽接ぎ挿し」をしました。写真左。3人で計18本を試みています。
その様子を 「The happydays of Roses」の2月11日と13日の記事 で簡単に紹介しています。
「芽接ぎ挿し」の方法は基本的に同じですが、2015年の反省から、「底面給水」や「捻枝」などの工夫をしました。結果はまだわかりませんが、詳細は後日紹介する予定です。
追記 2016年4月22日
3人で計18本挿した中で最も生育の良い「スタンダード芽接ぎ挿し」の4月22日の様子です。2芽を接いで、3メートルほどの高さに蕾ができています。
ただしこれは18本の中で「最も生育の良い」ものです。芽の動きの鈍いものがあり、完全に失敗したものが6本、失敗しそうな気配のものが2本です。
10本ほどは成功すると思いますが、今年の作業から学んだことは後日別記事でレポートする予定です。
追記 2016年スタンダード芽接ぎ挿しの結果
2016年の作業結果とそれに関する若干の考察を、2016年12月24日の記事「スタンダード芽接ぎ挿し 8/18」にまとめました。
23 件のコメント:
予定していた今年のスタンダード仕立ての接ぎ木(芽接ぎ挿し など)13株は、2月12日までに作業を終えたのですが(超多忙で)記事が未完のまま更新できずにいます。その過程の写真は撮っていますので、今後少しずつ書き加えていきます。
ブログの更新ができないだけでなく、畑に置いているスタンダード仕立ての接ぎ木株への水やりも疎かになって、芽接ぎ挿しの1株が枯れてしまいました。
今年の3月は寒い朝が数回あったのが原因でしょうか、芽の動きが遅くちょっと心配しています。
スタンダード仕立ての接ぎ木12株の中で最も生育のいい1株は、新芽が5cmほど伸びました。その他は、まだ芽の動きがにぶいままです。芽接ぎしたものだけではなく台木の芽も同様なので、我慢強く待つことにします。
ちなみに、自宅に置いているデービッド接ぎは、もう蕾が上がってきている株もあります。
このコメントは、ローゼスペコさんが 2015年4月16日に、「秋にもできるバラの挿し木 栽培品種の秋挿し」に投稿されたコメントへの返信です。テーマがこの記事にふさわしいので、こちらに返信させてもらいます。
ローゼスペコさん wrote;
> とりあえず挿し木をしておきます。その際ですが、下の方の枝は取り除いておいた方がいいですね?先の方の枝だけ伸ばすようにすればいいですか?
はい、そうです。石井強さんの「バラのウィーピングスタンダード」でも確認しましたが、長尺枝の上側5〜6芽を残して、その下側の芽はすべて取り除いておきます。
ナイフを使って芽を浅くえぐり取ることを「芽抜き」といいます。石井さんは「芽抜き」をされるようですが、私は手抜きして、芽が1cmほど(てきとうな長さに)伸びたら指でもぎ取っています。
残す芽数(枝数)は、現在の発根状態と新葉の展開程度を勘案して増減してください。根が吸収できる水分よりも葉が蒸散する水分が多ければ枯れる危険性がありますから、その場合は残す枝葉(芽)は3芽程度と少なめにしておきます。
長尺枝の挿し木でもうひとつ大事なことは、挿し穂が動かないように固定することです。屋外で栽培する私の場合は、このページ中段にある写真のように、3カ所(3段)で固定しています。2013年2月18日の記事「バラ 秋の挿し木の鉢上げ」のページ後半にも同様の方法で作業中のスナップ写真がありますが、この場合はポットを籾殻で埋めているので固定用の横支柱は2段です。
ハウス内で栽培される石井さんは、強風などで枝が動く危険性が無いからでしょうが、1カ所で固定してあります。
ご存知のようにツルバラは枝を倒すと開花枝がいっぱい出てきますのでそれを避けるために枝を垂直に立てることや、曲がった枝を矯正するのにも、3カ所で固定するのは便利です。枝の曲がりが強い場合は縦の支柱も添えます。
ローゼスペコさんのコメントをヒントに、私もツルバラ「春風」の長尺枝(1.5M程度)を使って「芽接ぎ挿し」を試しています。現在は "微妙な" 状態です。芽接ぎは失敗すると芽が黒くなるのですが、黒くはなっていないので希望は捨てていません。たぶんうまくいくと思います。
昨晩、メールを送信したのですが、消えてしまっていて・・・
再度、同じような内容を送信します。
早速、返信をいただいていたのに、土日に出かけていたこともあり、こちらに丁寧に返信をいただいていることに気が付いていませんでした。申し訳ありません。
それで、それを拝見する前に昨日、スリット8号鉢に挿し木をまとめて8本、挿してしまいました。
そして、挿し木を上で一まとめにしています。
少し、斜めになっているのですが、一応安定しています。
そこで、質問です。
1. こちらの写真に写っているスリット鉢(緑色)は何号のロングを使っておられるのでしょうか?5号ロングというのは黒色のスリット鉢のことでしょうか?その後、緑色の少し大きいスリット鉢に移し替えられたのでしょうか?
2.”台木の長さは、開花すればちょうど目の高さになる”とありますが、ということは最低150cmほどの長さが必要ということでしょうか?”ツルバラ「春風」の長尺枝(1.5M程度)”と書いておられますね。それより短くても、そこから出た芽を伸ばすことはできるでしょうか?それは斜めに出てくるのでムリなのでしょうか?
質問ばかりで失礼します。よろしくお願いします。
ローゼスペコ さん
> スリット8号鉢に挿し木をまとめて8本
今後、いっぱい枝が伸びてきますよね。もちろん根も。それをどうされますか? 余計なおせっかいですが、ちょっと気になります。
ご質問1
私の長尺挿し木は5号ロング(深さ30cm)のPEポットを使います。緑色のスリット鉢は7号サイズですが、これは1年半前に5号ロングに挿したものを、1年後の昨年秋に「鉢増し」しました。
ご質問2
スタンダード仕立ての開花位置は、台木の長さ+接いだ品種の枝(主枝+開花枝)の長さになります。鑑賞に適した台木の長さは、接いだ品種によって多少の違いがあると思います。
地上部90cmの台木に、間違えて直立性のイングリッシュローズ "クイーン・オブ・スウェーデン" を接いでしまったことがあります。接いだ部分から上の伸びは通常の植え方とあまり違いは無く、一番花の蕾が膨らんできたこの時期で60cmほどです。なので、目の高さと同レベル(150cm)か、やや高めに咲くはずです。でも二番花以降は見上げる高さになりますね。
> ということは最低150cmほどの長さが必要ということでしょうか?
(品種の選択範囲の広い)横張り性のシュラブを接いで、それを目の高さで咲かせたいのなら、台木は120cm程度もあればだいじょうぶです。
> それより短くても、そこから出た芽を伸ばすことはできるでしょうか?それは斜めに出てくるのでムリなのでしょうか?
台木が短いのではと気にしてあるのですか?
横向きに出た芽はすぐに上を向きます。枝は基本的に上に伸びるので、好みの高さになるよう主枝の剪定で(ある程度は)調整することが可能です。
私は高さには拘らないので、何本か伸びた主枝(シュート)はできるだけ多くの開花枝を出すために短めに剪定します。品種にも依りますが、枝の重みで自然に枝垂れますから、元気が良すぎて飛び出すシュート以外は放任しています。
台木の地上高60~80cmのスタンダード仕立てなら胸の辺りで花が咲きますが、それはそれで可愛らしいものです。
早速の返信ありがとうございます。
枝が枯れてはないですが、うまく付くかどうかわからないと思い、ずぼらなことをしてしまいました。
5号ロングですね。見込みがありそうな枝を移してみます。
枝は短めで、気になっていたのですが、そのまま、試してみます。
いろいろとありがとうございます。
14本のスタンダード仕立ての結果が見えてきました。
悔しいことに、半数近い6本が失敗という惨めな結果になりました。
失敗の原因は幾つか考えられますが、反省を込めて、実例写真を含めたページを近日中にアップします。
今年の5月は花を楽しむゆとりも無い忙しい毎日でした。予告している投稿もままなりません。
2月に芽接ぎしたスタンダード仕立ては、もう花が終わりかけているものもあります。それをチラリと横目で見ながら、写真を撮る余裕も無くあたふたと走り回っています。6株失敗、8株成功という結果ですが、8株成功が全然嬉しくありません。「9割成功してもあたりまえ」だと思っているので。。
しかしこの不本意な結果は、思わぬ良い経験につながりました。特に、ハウステンボスのバラ祭りで◯◯さんと接ぎ木について話ができて(10分ほどの立ち話ですが)、大きなヒントをもらうことができました。この内容は近日中に、失敗の原因究明とともに記事にします。
長尺台木にする枝は(品種によっては)5月末のこの時期にもう2メートルも伸びています。今年は(貴重なヒントを貰ったので)、「9割成功してもあたりまえ」にしたいです。
このページには連日数十名の方が訪問されています。たぶん「スタンダード仕立てを自作したい」というみなさんが多いのでしょうね。
更新できなくてごめんなさい。この1ヶ月ほどは、福岡県立福岡魁誠高校にイングリッシュ・ローズガーデンを作る作業に忙殺されています。さほど広くはないのですが、イングリッシュ・ローズを30品種以上、そして宿根草も植え込みます。
これはデービッド・サンダーソンさんと福岡魁誠高校の生徒さんと一緒に(授業で)作る花壇です。今年作ったイングリッシュ・ローズのスタンダード仕立てもここに植えたらレイアウトに変化がついていいのですが、それが現状どんな生育具合か見に行く暇もありません。
道具を取りに畑に行ったとき、ちらっと遠目で見たところ、接いだ品種の白い花とスタンダード台木の赤い花が同時に咲いていました(笑)。私のSTDは赤い花が咲きます。意図的ではなく台芽が伸びて咲いたのですが、おもしろいしきれいなので、とりあえずこのままでもいいや。
ページの更新どころか花がら摘みもできず、バラ畑は草だらけ。でもどういうことなのか、今年のバラはとてもよく育っています(とバーバラが言っています)。デービッド接ぎした80株ほどの新苗も(摘蕾する暇もないまま)順調に大きくなって、次々に(小さいながらも)花を咲かせています。
明日午前中は別の花壇にデルバールなど7株の植付け、午後はグリーンパークで栽培講座のミーティング。仕事(本業)とバラ関連で東奔西走、こんなに忙しいのは体力が落ちてきてねばりが無いからなんですが、でも、そんな自分を見ているもう一人の自分がいることにも気づいています。線香花火の最後の火玉みたいな今の自分。さて、どうなることやら。
今日、「一旦停止」を見逃してパトカーに捕まってしまいました。その事情は、ある園芸店で「環境に優しい オーガニック バラ栽培講座」の受講者だったOさんにばったり出会って、聞けば重い鉢底石の大袋をママチャリでご自宅まで運ぶのだとか。
Oさんは永く英国に在住されていたレディです。ここは私の軽トラでと男気を出して、自転車で先を行くOさんを追っかけて、つい「一旦停止」を無視。すぐ後にパトカーがいるのにも気づきませんでした。
違反切符を切るおまわりさんを残したまま(Oさんは私がおまわりさんを待たせているのを知りません)、Oさんのお庭でバラ談義。
「バラ栽培講座」の接ぎ木実習で接いだスタンダードが、1年半経過して立派に成長していました。この実習は私の担当だったので、私も嬉しかったです。
違反切符を切られている最中なのに、バラを見ながら笑っているふたりに、おまわりさんもあっけにとられているようでした。ごめんなさい。
今年接いだスタンダード仕立てのイングリッシュローズ(アンブリッジ・ローズ)1株を、現在作業中の福岡魁誠高校の花壇に植付けました。
上の写真の 手前左8号白深鉢 がその株で、記事の中段「芽が台木より小さい場合」で、例として紹介しているものです。
枝が伸びないまま花を幾つも咲かせてしまったので、花後の現在は開花枝を切り落として貧弱な枝振りなんですが、たぶん今後は元気に育ってくれるでしょう。
明日は生徒さん(31名)と一緒に「マルチング」など仕上げ作業をします。学校のご了解が頂けたら、このブログでも紹介しようと思います。
大変ご無沙汰しております。その後、いかがお過ごしでしょうか?
私の方は体調も良くなり、元気にしております。大きく分けて2つの項目について、いろいろと質問があります。どうぞよろしくお願いします。
その1、スタンダード仕立ての台木について。
以前にお伺いしていた
> スリット8号鉢に挿し木をまとめて8本
をその後、簡易に2Lペットボトルから作った鉢に分けて植え替えておりましたが、一本だけ根付いたようで、上の方からだけ枝が出て、葉が茂っています。品種はグランモゴールです。
それで、今もタテヨコに止めた支柱に留めたまま、その支柱が家の壁を利用しているので、かなり日当たりが悪い場所に置いているのですが、葉が茂っているのなら、もう少し大きいスリット鉢に移して、日なたに移した方がいいでしょうか?その時の支柱は一本だけにして、添わせたら良いのでしょうか?あと、肥料とかも与えた方がいいのでしょうか?
接ぎ木をするまでは、上部から出た枝だけを伸ばしておいて、下部から芽が出てくるとそれを取るを繰り返しておいたら良いのでしょうか?
接ぎ木はいつすることになるでしょうか?
その2、台木になるノイバラについて。
この春、バラ友達になったかたから、ノイバラの挿し木苗と枝をいただきました。
挿し木苗は8号スリット鉢に植えましたが、肥料も与えず、水だけでどんどん伸びています。これは鉢のまま、まっすぐ上に伸ばした方がいいのでしょうか?それだと、そのままスタンダード仕立ての台木になりますか?
それとも地植えにして(北側の庭なので日あたりは良くないですが)、自由に伸ばした方がいいでしょうか?その方が今年の冬に多くのスタンダード仕立て用の台木を得られることになるでしょうか?
枝は3つの挿し木にしたところ、着いたので、今は4号、5号の鉢に植えております。
まだまだ小さいです。
肥料はやらなくてよいでしょうか?
そのまままっすぐ伸ばして、大きなスリット鉢に移し替えてスタンダード仕立ての台木にできるものでしょうか?
その場合は下の方の枝はどんどん切って行くのでしょうか?それとも、ある程度育つまでは枝は切らずに伸ばすのでしょうか?
質問ばかりですみません。
よろしくお願いします。
ローゼスペコ さん。
コメントありがとうございます。お元気になられた由、良かったですね。
私は多忙な日々が続き、今週は「第13回 微量元素の生物地球化学に関する国際会議 ICOBTE 2015 FUKUOKA」の記録写真撮影に追われています。一昨日夜から予想外に強く吹いた台風9号の影響を調べに畑に行くこともできません。でもこの会議の内容に興味津々で、ヘロヘロながらも楽しんでいます。
長尺台木を作るための母木の育て方
私の場合多くは地植えで「放任栽培」なので、あまり手をかけません。適切なアドバイスにはならないかもしれませんが、
充実した台木を作るためには、鉢増しをする 日なたに移す 枝(主茎)は直立させる 肥料を与える 脇枝は伸ばさない という、ローゼスペコさんがご指摘されたことがらを実行されたら良いと思います。
「日なたに移す」ということがバラのために良い結果を生むことは、例えばローズヒップを収穫する株でも実感します。日当りの良い場所の株(枝)が立派な実を多く着けます。
しかし、バラの「光飽和点」は 50klx 程度だそうです。夏の晴天時の昼間はその倍の 100klx になりますので、この時期は「日なたに移す」ことが必ずしもベストとは言えません。2年前の夏に一日中日当りの良い場所で比較テストをしたことがありますが、遮光率50%の寒冷紗の下で栽培したバラが、直射光のものよりも良好な生育を示しました。ふたつ並べれば明瞭にわかる程度に差が出ます。
したがって一般的には、多くのガイドブックに書かれているように「午前中の日当りが良く、午後は日陰になる」という環境が好ましいと思います。もし午後も日が当たるようなら、鉢土の温度が上がらないような工夫が必要です。鉢土の温度変化を1時間ごとに実測テストをしたことがありますが、地表付近の最高気温41℃のとき、10号スリット鉢では43.9度になり、しかもその温度は夜間になっても気温ほどには下がらず、深夜まで高温の状態が続きます。バラにとっては過剰なストレスです。
「肥料を与える」ことについては(一概には言えないものの)施肥したほうがいいと思います。私は地植えなので年間を通して無施肥(必要な養分は、バラが根を伸ばして自分で確保する)ですが、鉢植えはそうはいかないでしょうね。
支柱については、使わなくてもすむなら、そうしたほうが良いと思います。
今年挿し木した幼株の場合は、そこから伸びた枝が全長2メートル/STDとしての実際の長さ1.2メートルまで伸びるでしょうか? たとえ長さがOKでも充実度が足りないだろうと思います。今年の秋10月や来年2月に長尺台木として使える枝は、この時期に既に2メートルほどにも伸びているシュートです。
なので、母木にしたい株(苗)の1年目は放任して自由に伸ばし株(根)を充実させて、来年の春に株元から出るベーサルシュートか、今年の枝の株元近くから出るサイドシュートを、真っすぐに伸ばしてスタンダード仕立て用の長尺挿し穂にします。
私の今年のスタンダード仕立てのまとめを
成功のツボは「蒸散」 バラのスタンダード芽接ぎ挿し というページにまとめました。ちょっと舌足らずの部分もありますが。
ローゼスペコ さん。 昨夜投稿したコメントを補足します。
グランモゴールの場合
これを今年の10月上旬か来年2月上旬に(福岡基準)長尺台木として使用するためには、できるだけ株を充実させておくほうが接ぎ木の成功率が高くなります。「グランモゴール」は栽培したことがないので品種の特性を知りませんが、充実させる方法はローゼスペコさんがご指摘の内容でいいのだろうと思います。
支柱は、必要なら縦に1本でも悪くはないのですが、バラは縛られると生育が鈍ります。ツルバラでも、固定すると途端にその枝の伸びが止まったという経験はありませんか? 「添わせる」のはいい方法ではないと私は思います。縦支柱は転倒防止の工夫が必要でしょうね。縦支柱は脇芽を取るのがちょっと面倒な場合もありますが、できるだけ早めにもぎ取ります。芽は繰り返し(同じ節から3芽以上)出てきますから、できればナイフで「芽抜き」をするのが好ましいのでしょうね。でも面倒だし(笑)出てくる芽もいつの間にか減ってきます。
接ぎ木をする部分は鉛筆程度の太さが必要ですから、それより細い部分の枝葉は残します。
株の充実をはかることと施肥は必ずしも同じではありませんが、肥料は(有機栽培に拘らなければ)「千代田化成472」が抜群の効果(即効性)を示します。私の所ではJAが取り扱っていますが、都市部(ホームセンターなど)では入手が難しいかな?
接ぎ木の時期は、私は来年2月上旬に「F芽接ぎ」します。簡単で、成功率もまずまずです。今年10月上旬の「T芽接ぎ」も可能で、プロはこの方法だと思いますが、初心者にはちょっと難しいかも。しかしこれにはメリット?もあって、T芽接ぎ」に失敗しても台木は(10cmほど短くなるけど、ほぼそのまま)使えますから、2月上旬に「F芽接ぎ」にチャレンジすることもできます。
ノイバラの場合
長尺枝の挿し木ではなく、実生苗や挿し木苗から出た枝の中から1本だけを選んで伸ばすという方法も可能でしょうね。でも。。例えば栽培品種の新苗の場合、今伸びている(接ぎ木後最初に出た)枝はさほど大きくはならず、いずれ(半年後か1年後には)切り捨てますよね。ノイバラの場合もそれと同じで、今伸びている枝は(根ができていないので)あまり伸びないんじゃないかな? どうでしょう?
ノイバラ(ロサ・ムルティフローラ)の1年目は放任し、2年目に出るシュートに期待するのがいいと思います。スタンダード台木用に育種された品種なら1年目の枝も使えるかもしれませんが、一般的なことではありませんね。もし私の過去の投稿が誤解を生んでいるのなら、ごめんなさい。
縦支柱について
私の過去の投稿の中で、「長尺挿し穂にするシュートは縦支柱を添えて、真っすぐ上に伸ばす」と書いているかもしれません。実際、そのようにしていたのですが、最近少し考えが変わりました。
バラの支柱については、2015年5月12日の記事:「南大隅の薔薇」の「雑感 バラに支柱は要らない」をご覧ください。
ツルバラのシュートは、まず真っすぐ上に伸ばし、適当な長さになったら横(斜め)に倒して固定し、開花枝の発生を促します。そのように固定した枝は、当然ですがもうそれ以上は伸びません。
問題は、伸長途上のシュートを縦支柱に添わせたらどうなるか?ということですが、STDとしてできるだけ長く伸ばすためには、固定しなければ倒れる場合のみ、できるだけ低い位置で、できるだけ少ない箇所で固定するのがいいと思うようになりました。
「千代田化成472」が抜群の肥効を示すことは事実ですが、これは基本的に畑作用なので、鉢植えでは扱いづらいかもしれません。鉢植えでは「肥料焼け」が発生する危険性が高いのでご注意ください。
大変ごぶさたしてしまいました。いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
スタンダード仕立てにしようとしていたグランモゴールですが、7号鉢でいい感じで成長していたのですが、残念ながら、接ぎ木をするまでに10月中旬に枯れてしまいました。
今年の春にバラ友達より”のいばら”を分けていただきました。
今は8号鉢、6号鉢、5号鉢ロングに1株ずつ育てています。
これらはスタンダード仕立ての台木にするためには地植えにして、どんどん伸ばせば良いのでしょうか?
それとも鉢で管理した方が良いのでしょうか?
地植えにするとして、HTのバラを植える時のように掘り下げて土を改良した方がよろしいでしょうか?それとも、野山に咲いているようなものだから、そこまで気にしなくてもいいのでしょうか?
突然の質問で失礼します。
よろしくお願いします。
ローゼスペコ さん。コメントありがとうございます。
私は春先から体調がすぐれず、そらの「メメント・モリ」に書いたようなことなりました。しかし、だいぶ良くなってきたので、リスタートです。よろしくお願いします、
「グランモゴール」は残念でしたね。私が2月にツルバラ「春風」を台木に「芽接ぎ挿し」したスタンダードは、肥培管理が拙く?さほど大きくはなりませんでしたが、なんとかOKの状態です。
次回(2ヶ月後ですね)も、適当な枝があればツルバラを長尺台木にして「芽接ぎ挿し」のテストをしてみようと考えています。
さて、「ノイバラ」(ロサ・ムルティフローラ)をスタンダード仕立ての台木にする方法です。
ノイバラは「亜種」が幾つもありますが、一般的なものではあまり長い枝にはなりません。
ある程度長くても、先端附近は細くて使えませんから、できるだけ長くて太い枝ができるよう、私なら「地植え」にします。私は今年は(畑に出られず)台木品種を何株か鉢で栽培しましたが、やはりさほど大きくはなりませんでした。バラは賢くて、自分の育つ環境を知りそれに見合う生育をするようです。
したがって、良い環境に植えればより大きく育つと思います。私はあまりていねいなことはしないで植えましたが、3年目ぐらいからオバケのように大きく成長しました。それは、ノイバラに好ましい土があるところまで根が伸びたからでしょう。ノイバラといえども、ある程度の肥培管理と病害虫防除はしたほうがいいようです。
今年の私のスタンダード仕立ては、14株試みて6株失敗という悔しい結果になったので、来年はそのリベンジをと思っています。でも長尺枝の「秋挿し」はできませんでしたので、すべてが、難しい「芽接ぎ挿し」になります。その台木の準備もちゃんとできていませんが、だから一から勉強し直すのに良い機会かもと楽観しています。笑。
どこまでできるかわかりませんが、できるだけリアルタイムなレポートをします。その1回目は(たぶん今月中に)、ジャングルのように茂ったノイバラ10株程度から、長尺台木にする枝を選ぶ作業をします。参考になるのか、わかりませんが、引き続き、よろしくお願いします。ご質問は(私も勉強になるので)いつでも大歓迎です。
さっそくの返信、回答ありがとうございました。
冬に入院した私には人ごとでなく、読ませていただきました。もうおかげんはいかがでしょうか?くれぐれもご無理なさらないようにして下さいね。
そうなんですね。確かに今のままの”のいばら”でしたら、スタンダード仕立ての台木になるほど太くはありません。伸びてはいますが、ひょろひょろです。地植えにして様子をみてみます。
ただ、グランモゴールの方はたくさんシュートが出て、まっすぐ伸び放題の枝が数本ありますので、もう一度トライしてみようと思います。
ローゼスペコさんwrote;
> 冬に入院した私には人ごとでなく、読ませていただきました。
そうでしたね。
私は今は半日程度なら畑仕事ができるほどに回復しました。「バラの栽培は楽しく」なので無理せずにいきます。ありがとう。
> グランモゴールの方はたくさんシュートが出て、まっすぐ伸び放題の枝が数本あります
おお、それは良かった。私はツルバラはERの「ザ・ジェネラスガーデナー」の長尺枝(ベーサルシュート)を使って試してみるつもりです。方法は;
①今の時点でシュートを切って、すぐに「挿し木」だけをする。1月中旬〜2月上旬頃(挿し木から50~60日後)に、それに「芽接ぎ」をする。
② ツルバラの12月の剪定では、台木にしたい長尺枝は切らずそのまま残し、1月中旬〜2月上旬頃に切って「芽接ぎ挿し」をする。
この2つが考えられます。それぞれ一長一短があると思いますが、私は ② をメインに試すつもりです。① は(これまでの経験から)11月下旬では「秋挿し」には遅いのと、長尺挿し穂の基部がデリケートな発根時期と芽接ぎの時期が重なり、芽接ぎ作業がやり難そうな気がするからです。
「作業記録:バラのスタンダード 2016」をスタートしました。よろしく。
大変ご無沙汰しております。結局、ノイバラがあまり成長していないし・・・芽接ぎをしないままになっています。ただ、クイーン・エリザベスからあまりに真っ直ぐなシュートが出たので、そのまま下の方の芽を取り続け、上の方だけ伸ばすと、上で花が二つ咲きました。
まあスタンダードもどきができたのかなと喜んでいます。写真も添付して送りたいのですが・・・ちょっと方法がわからないです。
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