2017年3月7日火曜日

バラの接ぎ木 孫弟子そらの不覚

このページは前のふたつの投稿からの続編です。

これらのページにも書いていますが、今年の私の切接ぎ107本はおおむね順調に生育しているものの、その中の約1/4=25株ほどの生育が遅れています。

この原因は幾つか考えられます。中でも目立つのは12月17日以前に採穂された「未熟な穂木」を使ったもの。その他にも「根量が貧弱な、あるいは細い台木を無理に使った」ケースもあります。しかし逆に充実した穂木や台木の場合でも生育不良が発生しているので、原因をすべて穂木や台木のせいにすることはできません。

ありうる最も大きな原因は私の「技術的なミス」です。接ぎ木は慣れれば比較的簡単な作業だし自分のミスとは認めたくない心理も働いて(笑)、今日まで原因の究明が曖昧なままでした。福島先生の接ぎ木作業、特にその「接ぎ穂の形状」を見て、私の手法には「大きな欠陥」があることに気づきました。

これが生育不良の1株です。

接ぎ木後、元気のいい新芽が接木テープを突き破って飛び出したものの、そこで生育が止まったままです。

これは接ぎ穂が内包している力で発芽したものです。接ぎ穂基部の「導管」はとりあえず機能しているのか新芽が萎れることはありませんが生育は止まったままで、カルスの発生も見られません。。

接ぎ木した部分をよく見ると、私が特に重要と考える「接ぎ穂基部の先端」は合致していますが、接ぎ穂の形成層が外側にはみ出しているのがわかります。

下の2枚の写真は別の生育不良の株を左右から見た状態です。

このケースは、穂木に対して台木が細く、接ぎ穂基部の先端は合致しているものの、接ぎ穂の斜め切りした部分の形成層は左右にはみ出しています。

下右に見えている側の形成層を合わせようとしたはずですが、合っているとしてもそれは僅かな部分です。

私の「接ぎ穂」の作り方は以下のようなものでした。1刀目で穂木を斜め切りし、2刀目は反転して逆サイドを「形成層」が見えるように削ぎます(写真右下)。もし先端の形が悪い場合は3刀目(鋏)で先端を揃えます。

この接ぎ穂の作り方は、考え方は違いますが形は「教科書」タイプと似ています。相違点は一刀目の刃を入れる「角度」です。

結果このような形の接ぎ穂ができますが、これが生育不良の 元凶 です。その理由は;

1刀目で穂木を斜め切りすると、その切断面は「楕円形」です。2刀目で逆サイドを薄く削げば楕円形の下側が切られて「馬蹄形」になります。

注:褐色の部分は画像を見やすくするためのもので、実際にはここには何もありません。

そのようにした理由は、「接ぎ穂基部の先端」(図でオレンジ色に表示した部分)を合わせれば、上の実例写真のように接ぎ穂の形成層が台木からはみ出てしまうとしても活着するのではないかと考えたからです。これが大失敗でした。

これを避けて、接ぎ穂の形成層が台木側の形成層の形に添った「放物線」を描くようにするには、下に示した福島師の接ぎ穂のように切るべきなんですね。特に二刀目②がポイントで、これで「馬蹄形」ではなく「放物線」になります。左の概念図で言えば、褐色の部分が残らないように切るべきでした。

初めて先生の接ぎ穂を見たとき『ヘンな形だなぁ』と思いました。笑。でもさすがに福島先生ですね、これは理にかなった「美しい形」なんです。「放物線」だと接ぎ穂基部の先端を台木に合わせても形成層が外側にはみ出すことはありません。「師匠の猿真似はしない」という生意気な孫弟子は、失敗してはじめて己の至らなさに気づいたのでした。

107本のうち、その3/4は良好な生育です。それは、台木の表皮側に切り分けた形成層に「幅」があって、それが接ぎ穂基部の形成層をカバーしているからです。生育不良の株の多くは、未熟な穂木のケースを除けば、台木と接ぎ穂の太さのバランスが悪い(実例写真のように接ぎ穂のほうが太いか同程度)状態でした。

例えば穂木の直径が6mmで台木が8mmならば私のやり方でも気持ちよく作業ができました。私の生育不良株のように接ぎ穂と台木の太さがミスマッチの場合は、教科書のように切って接ぎ穂も台木も「縦」の形成層を出せば、片側は確実に合致させることが可能です。教科書タイプであれ「福島流」であれ「形成層を合わせる」というのは絶対的に重要なポイントと再認識させられました。

生育不良の株もまだあきらめたわけではありません。接ぎ木後2ヶ月になろうとしていますが、形成層が徐々に繋がり始めたのか、これまで停止していた芽が動きだしたものが幾つかあります。今後どう変化するのか、もう少し様子を見てみようと思っています。

今年の総括もまだなのに気が早い話ですが、来期は「福島流」でいくのか、それとも「自己流」に拘るか。
もっとも、拘るほどのオリジナリティはありませんね(笑)。

バラの接ぎ木方法は「福島流」(写真下)が最も秀でていると考えています。接ぎ穂も台木もその形成層(全部で4面)は放物線を描きます。

福島先生の「TEST-2」の結果(私はこれを最重視)を踏まえて、できるだけ多くの形成層を合致させるにはどうしたらいい?

台木の「切り分けた表皮側」(写真では下側に見える白い部分)にある形成層は一部が使われていますが、接ぎ穂を切る角度を変えればもっと多くを活用できるのではないか?と気になります。

でもそれを活かすとなると接ぎ穂はまるで「クサビ」みたいになってしまいます。そう指摘する私に師匠は「そうです、クサビ型です」と静かに頷かれました。

その瞬間師匠と目が合って、私の意識の中にパチッとスパークが飛びました。

何度も紹介している接ぎ木職人さんの動画「バラの切接ぎ方法~穂木の作り方と接木テープの巻き方」ですが、「穂木の作り方」を拡大画面で繰り返し再生して細部を見ると・・。
この職人さんの手法は「福島流」とそっくりですね。それがよくわかるのは「接木テープの巻き方」の再生開始直後の部分です。切り分けた台木の表皮側の出っ張りとか、上の写真とまったく同じ(ように見えます)。

台木も僅かに斜めに切り分けているし、穂木の切り方(形)も「教科書」タイプとはあきらかに異なり、一刀目も二刀目も穂木の形成層に沿って切ってはいません。一刀目は「福島流」と同じで、二刀目は「福島流」よりもむしろ「クサビ型」に近いように見えます。もしかしたら台木に対する穂木の「向き」が逆かもしれませんが、これは残念ながらよくわかりません。

共通するのは、①台木も接ぎ穂も形成層に沿って切るのではない。②接ぎ穂の両面の形成層を有効に利用する。これが私が理解した「教科書のようには接がない接ぎ木」のポイントです。

2017年3月5日日曜日

元祖 教科書のようには接がないバラの接ぎ木

このページは前の投稿「教科書のようには接がないバラの切接ぎ」から続きます。

2月27日。熊本県宇土市の福島康宏先生を訪問しました。1年前に初めて訪問したのですが、その時は私の師匠デービッドさんも一緒でした。私はそこで接ぎ木作業をするデービッドさんの手伝いをしたので、先生の作業を横目で見ながらいまひとつよく理解できないまま、先生の「教科書のようには接がない」という言葉だけが強く記憶に残りました。

今回の訪問は、福島先生の「教科書のようには接がないバラの接ぎ木」を詳しく学ばせてもらうのが目的です。

なお、福島先生の接ぎ木手法の紹介、写真の掲載は福島先生のご了承を頂いています。写真は昨年撮ったものも含まれていて、手元のアップは福島先生、テーピングは福島敬生氏(福島園芸代表)です。

ここで紹介する先生の接ぎ木手法や福島園芸さんのバラ苗生産に関する情報は、私が理解した範囲にすぎません(誤解もあるかもしれない)ので、ご注意ください。

このイラストが典型的な「教科書に書かれている切接ぎ手法」です。台木、接ぎ穂ともに、②のカットで現れる「形成層」を合致させるように解説されています。

この台木と接ぎ穂を接ぐと、下左のようになります。

私が最初に抱いた疑問は、これに接ぎ木テープを巻くと、下右のようにテープに押さえつけられて接ぎ穂の下端部分に僅かな「隙間」ができることです。これを避けるには飛び出している台木の表皮側を切ればいいのですが、このことに言及した教科書は目にしたことがありません。これは、上図②のカットで現れる「台木や接ぎ穂の縦の形成層を合致させることが重要」と考えるからでしょう。

しかし私はこの「縦」の形成層よりも、接ぎ穂の基部を斜めに切ることで現れる「楕円形」の形成層がより重要なのではないか?と思いました。でも、このときの私には具体的な根拠はありませんでした。

そのようなときに「デービッド接ぎ」に出会いました。「デービッド接ぎ」に関しては「テーマ別 記事一覧」にまとめています。

「デービッド接ぎ」は優れた特徴を持つ方法です。

台木の枝葉を残し根はできるだけ切らないので株の活性が高く、接ぎ木後の管理も比較的容易です。「切接ぎ」は作業後の保温などに配慮が必要ですが、活性の高い「デービッド接ぎ」では、かなりの悪条件でも耐えることができます。しかも接ぎ木作業が安全なので、接ぎ木初心者にも適しています。

そして、その大きな特徴は「接ぎ穂を台木に斜めに接ぐ」ことです。実際に「デービッド接ぎ」を試してみると予想以上の活着率です。

しかし、バラの接ぎ木は「活着」するかどうかだけではなく、その後の生育も含めて考慮すべきと思うようになりました。

具体的には;
接ぎ木した部分をカルスが太く包み込むように巻き込み(いわゆる "肉巻き" が良い状態)、そこから次々とベーサルシュートが出てくる、そのような納得できる接ぎ木方法を探したい。

接ぎ木の経験が浅い私は「デービッド接ぎ」から「切接ぎ」へと試行の範囲を広げましたが、教科書(バラの接ぎ木の指導書一般という意味で、特定のものを指しているわけではない)に書かれている「切接ぎ」の手法には、前述のように納得できない部分があって、迷っている時期に今度はデービッドさんのツテで福島先生の接ぎ木に出会いました。

「デービッド接ぎ」を初めて知った時、私はその合理性に驚きました。「その接ぎ木手法をどこで学んだのか」「それはデービッドさんのオリジナルなのか」と、2年で2度も同じ質問をしました。笑。

結論から書けば、作業が安全で枝葉を残し根も切らない「デービッド接ぎ」はデービッドさんのオリジナルです。でも、「接ぎ穂を台木に斜めに接ぐ手法」は福島先生あたりから学んだことのようです。デービッドさんは一時期、英国のバラ・ナーセリーH社の代理店をしていたことがあり、そのとき福島園芸さんでバラ苗の生産をしていました。デービッドさんもそこで一緒に接ぎ木作業をしていたので、その仕事の中で身につけた技法なんでしょう。

私が福島先生に初めてお目にかかったのは2015年の秋です。福島先生のことはそれまでに何度となくデービッドさんから聞かされていたので、初対面のような気がしませんでした。デービッドさんは、私に対しては福島先生のことを尊敬と親しみを込めて「アインシュタイン」と呼びます。

たしかにアインシュタインに似ていて、俗世間の何かがスッと消えたような、きれいなお顔です。デービッドさんからは、福島先生のユニークなお人柄を示す面白おかしいエピソードも幾つか聞きました。デービッドさんが福島先生から(も)バラの栽培を学んだのなら、ふたりは弟子と師匠の関係です。私はデービッドさんの弟子だから、つまり私は福島先生の「孫弟子」ですね。笑。

さて、前置きが長くなりましたがここからが本論です。バラの接ぎ木を「教科書のようには接がない」その理由を「自分はへそ曲がりだけん」と笑われる先生は、じつは豊富な栽培経験に裏打ちされた実証試験をされているのを知りました。

左は福島先生のお話を基に私が描いた概念図です。

薄茶色:台木
濃緑色:接ぎ穂
黄緑色:形成層

台木の表皮をはぎ取って形成層を出します。

左の1-Aはそこに「教科書」のように削った接ぎ穂の形成層を重ね合わせます。台木と接ぎ穂に現れる幅広の形成層が合致します。

1-Bは斜め切りした接ぎ穂を接ぎます。接ぎ穂の基部に現れる形成層は「楕円形」です。

より活着しやすいのは AB どちらだと思いますか?

これも福島先生のテストです。ご自分でイラストを描いて説明してくださいました。

図の赤いラインは、この部分に接ぎ木テープを挟み込んだ状態を示します。つまりこの部分は台木と接ぎ穂の形成層が接していません。この場合はより活着しやすいのは AB のどちらでしょう?

より活着しやすいのは 1-B2-B なんだそうです。

注:誤解は無いと思いますが、 1-A や 2-A では活着しないということではありません。また。接ぎ穂の斜め切りした「角度」に注目。教科書のように斜め45度ではありません。

以下は、これらの実証試験の結果も踏まえた福島先生の接ぎ木の実際です。

福島先生の方法は「切接ぎ」とは言えないかもしれません。「接ぎ穂を台木に斜めに接ぐ」という手法は、柑橘類などの「腹接ぎ」でも行われているので、これ以降は「バラの接ぎ木・福島流」と呼ぶことにします。

「福島流」の特徴はこの「接ぎ穂」の形状です。そしてもっとも重要なのは、②の「切り返し」でできる半円形の断面です。ここに見える形成層が重要な働きをします。特にその「先端部分」。ここの切断角度と切り返しの長さに注目。これだとテープを巻いてもこの部分に教科書タイプのような「隙間」ができることはありません。そしてそこにある導管の伸びていく先に「芽」があります。

先生の接ぎ木作業は「無造作」のように見えて私も最初はビックリしましたが、じつはこのような細かな配慮がされているのです。それに気づいて二度ビックリ。

台木の調整も「教科書」とは異なります。

まず「カッターナイフ」を使用されていることにビックリ。カッターナイフの刃に付いている油分を除去し、刃を頻繁に取り替えることで常に「良い切れ味」を保つのだそうです。なるほど。

もうひとつビックリしたこと。ここがポイントなので、もう一度上左の「接ぎ穂」の断面を見てください。
2個の接ぎ穂の上側、切断面が大きいほうの形成層の形。基部に向かって広がるきれいな「放物線」ですね。
これと同じ線を台木側にも作るには?

下の写真の右上にそれが写っています。台木を縦に切り分るときまず浅く刃を入れ、下に切り進むにしたがって台木の中心方向に徐々に深く刃を入れれば同様の線ができますね。そしてこの切れ込みが接ぎ穂をしっかりと挟み込みます。

右の概念図は台木の切り分けをややオーバーに描いています。ここまで深く切り込む必要はありません。しかしこの切り返しの角度と長さは絶妙で、接ぎ木テープを巻くと隙間ができる教科書タイプとは異なり、逆に接ぎ穂を台木に密着させるよう作用します。

なんとまぁ。さすが師匠です。バラ栽培歴50年。日本バラ会のコンテストの最高賞や農林水産大臣名の賞状が幾つも無造作に置かれた作業部屋で、ここまで細やかな配慮をした接ぎ木作業が行われているとは。ビックリ、またビックリです。

去年もそうでしたが、テーピングは先生の弟・敬生さん(福島園芸代表)の担当です。「ニューメデール」ではなく古いタイプの幅広(たぶん果樹用)の「メデール」が切って使われています。

基部から巻き始め、接ぎ穂の先端まで巻いたら、下に戻るという手順です。巻き方は一見ルーズに見え、巻く回数も少ないのですが、かなりしっかりと固定されています。

接ぎ木苗の管理を担当する敬生さんに、『活着率はどれくらい?』と聞いてみました。敬生さんはちょっと怪訝そうな顔をされて、『ほとんど全部が活着しますよ』というお答え。福岡県・田主丸辺りのバラ苗生産者は90%程度だそうなので、これはすごい。

これは福島園芸さんが接いだ苗をポットに植え込むときに使う培土です。チッソ分は加えられていなくて、僅かに「珪酸カリ」が入れてあるのだとか。

大部分がバーク堆肥、赤玉土、パーライトで、バーミキュライトも少しだけ入っています。「気層率」が極めて高そうな配合です。

昨年のものはこれに軽石が混ぜてあったのですが、『今年は(某大手ホームセンターが軽石を買い占めてしまったので)入っていません』とのこと。その分、パーライトが多く加えられています。

私はこれをベースにして、赤玉土小粒、ボラ土微粒、籾殻燻炭を加えたものを使いましたが、根量が貧弱な(細根も少ない)購入台木にはやや気層率が高すぎた感があります。

使用するポットサイズを質問したら、先生から即座に「大きいほうがいい」というお答えが。

台木の根を切らないデービッドさんも深めのポットを使いますが、前述のようにデービッドさんと福島園芸さんは一緒に英国・H社のバラ苗の生産をしていたことがあるので、共通した認識を持っているのでしょう。

4個のポットのうち中2個がデービッド+福島園芸さんで使われた「TEKU」VCEシリーズのバラ用ポット。大きいほうがVCE16、口径16cm、深さ20cm、容量は3リットルです。

左右は比較対象のロングスリット鉢で、5号(左)、6号(右)です。これらの苗の生育程度はポットサイズとはまったく関係ありません。

昨年は接ぎ木作業を見学(デービッドさんの接ぎ木の手伝い)をするために福島先生を訪問したのは1月16日でした。今年は時期的に40日も遅くなっています。その理由を尋ねたら、福島敬生さん(福島園芸代表)から『1月の接ぎ木では苗が大きくなり過ぎるから。これまでは1回ピンチで出荷していたんだけど、発注者の希望で今年はピンチ無しで出荷します』というお答えが。これもビックリです。『暖房費も節約できるし(笑)』。

ハウス内の適温は12℃から22℃程度の範囲で、25℃では高過ぎるから24℃を超えないよう管理するのだそうです。夜間はもちろんボイラーで加温されます。私も一度でいいから「大きくなり過ぎる」苗を作ってみたいものです。

デービッドさんの方法は、基本的には「デービッド接ぎ」と同じで、それから台木の枝葉を切除した形です。私はそれを「デービッド式・割接ぎ」と呼んでいます。師匠の方法とは幾つか相違点がありますが、私の経験では「デービッド接ぎ」も高い活着率を示します。そしてこれは福島先生の「TEST-1」の結果と一致します。たぶんデービッドさんは福島師匠のこの結果を知っているのでしょう。

福島師匠の方法と、デービッド式・割接ぎ。どちらがどうというコメントはできません。他のどのような接ぎ木手法も含めて、上手な人の手にかかればどれもうまくいくのだろうと思います。

今年の私の「切接ぎ」は、福島先生やデービッドさんとも異なります。経験に基づく考察があるわけではなく、『なんとなく』という曖昧なことから次のように考えました。

接ぎ穂と台木の癒合(活着)=カルスの生成に必要な水分や養分、そして植物ホルモンの「オーキシン」の受け渡しは、「教科書」の接ぎ木方法に書かれている「縦」の形成層よりも、むしろ接ぎ穂の切断面に見える「楕円形」の形成層(と言うよりむしろ維管束)が主なのではないか。

その根拠はこれまでの「デービッド接ぎ」の好結果によるものですが、前述の福島先生の実証試験 TEST-2 の結果を聞いて自信を深めました。この楕円形の切断面を重視する接ぎ木手法は、福島流接ぎ木やデービッド接ぎだけではなく、北九州・グリーンパークバラ園の小林博司先生も同じです。小林先生の接ぎ木は2015年4月の記事「バラの接ぎ木 小林流 接ぎ木」で紹介しています。

デービッドさんや小林先生が接ぎ穂の「楕円形」の切断面を台木の形成層に合わせるのに対し、私は台木をやや厚めにそして基部を僅かに深く切り分けて、台木の維管束(形成層)を表皮側に置くことを考えました。そうすることで、接ぎ穂の「楕円形」の切断面にある維管束と接することになります。同時に、台木と接ぎ穂の縦の形成層も合致します。つまり福島先生の TEST-2 から遮断しているテープを取り去った形ですね。

この結果接ぎ穂と台木が平行になり、テープも巻きやすく、斜めに接いだ場合の形の「違和感」がありません。見た目もきれいと自画自賛(笑)。

私が重視したのは上図中の赤丸部分。ここをきっちり合わせるために、もし接ぎ穂の調整①②でこの部分の形が乱れれば、③としてこの部分を鋏で切ります。この先端は紙のように薄いより、わずかに(1mm程度の)厚みがあるほうが良いような気がします。ここを意図的に厚みを持たせる接ぎ木職人さんもいます。この部分は形成層を含む維管束ですから、それは合理的な手法かと思います。

接ぎ穂の先端部分を重視するのは、私よりも福島先生が徹底していると思います。福島流で気になることは、接ぎ穂から切除される部分が多くて、接ぎ穂が内包している養分やエネルギーがそれだけムダになっているのではないか?ということ。ここは私にとって来シーズンのテーマです。

今年は福島先生を訪問する前に、このようにして107本の切接ぎをしました。これは接ぎ木60日後の状況です。5枚葉が5節展開し、1回目のピンチを終えています。

右の接いだ部分を見てください。すでにカルスが盛り上がり、台木と接ぎ穂の癒合が進んでいることがわかります。この180度逆側(台木と接ぎ穂の縦の形成層を合わせた側)にはこのようなカルスが盛り上がりは全く見えていません。台木の維管束(形成層)を表皮側に置くという私の意図は「ハズレ」ではなかったようです。

ちなみにこの「カルス」(未分化の植物細胞のかたまり)は、接ぎ穂側から生成していきます。カルスの生成に必要な植物ホルモン「オーキシン」は茎頂や新芽のあたりで生合成され、下向きの一方通行(極性移動)で切断面に到達します。写真で見える赤っぽい筋のようなものが生成途中のカルスです。

ただし、接いだ107本全部がこのような生育状態ではなく、動きの鈍いものが全体の1/4ほどもあります。原因はまだ特定できていません。大半は「穂木が未熟」だったことのようですが、もしかしたら私の接ぎ木手法のどこかに(気づいていない)問題があるのかもしれません。

生育が芳しくない(芽が枯れてはいない)株の接ぎ木部分を仔細に見直してみると、概念図の赤丸印部分で穂木と台木が横方向にズレているものがあるのに気づきました。ここがズレると台木と接ぎ穂の縦の形成層も合致しませんし、そのような株はカルスの盛り上がりもありません。

私は接いだ部分の基部にテープを幾重にも巻く悪いクセがあるので、今年はそれを少なくしようと考えました。接ぎ穂が横にズレたのはテーピング時の不注意が原因でしょう。

生育不良の原因を考えた「バラの接ぎ木 孫弟子そらの不覚」をアップしました。

先生の作業を見てはたと気づいたのですが、私は接ぎ穂の芽の向きを間違えています。接ぎ穂の維管束の細胞構造は「束ねられたパイプ」のようなものなので、赤丸で囲んだ接ぎ穂の先端の、その縦の延長上に芽があるのがもっとも好ましいと思います。それは「デービッド接ぎ」で経験しているはずなのに、「教科書」のイラストのように接いでしまいました。

間違えたとしても、この写真のように旺盛に生育していますから、細かいことは気にする必要はないのかもしれません。でも私は、『そんなことどうでもいいよ』という考え方には組しません。たとえ瑣末と思えることでも疎かにはしない、しかし飄々として拘らない、福島先生のような生き方に憧れます。

福島先生はこの地域特産の柑橘「デコポン」を生産してあります。甘味と酸味のバランスが新鮮で、とても美味しく頂いて元気になり、私も自分用の接ぎ木をさせてもらいました。穂木は先生のハウス内の剪定済の株から、大事な枝のはずなのに、先生自ら切ってくださいました。

2月27日というのは九州での接ぎ木はもう終わっている時期です。ハウスは保温されていないのですが熊本県南部ですし、でもどういう訳なのか、芽は動き過ぎてはいなくてベストの状態でした。HTとFL各1品種の穂木から、計6本を接ぎました。方法は「福島流」ではなく自分の方法です。どちらの方法にするか一瞬迷いましたが、そんなに器用に切り替えできない自分なので(笑)、芽の向きだけを訂正しました。

今回の訪問には福島敬生さんから「接ぎ木テープの巻き方」の指導を受ける目的もありました。敬生さんにチェックしてもらいましたが、1本緩いのがありました。下左の株がそれで、しかも接ぎ穂の形成層がちょっとズレて(内側に入って)いますね。右はもっと内側にズレているみたい(汗)。

その場で巻き直せばいいのに、つい面倒でそのまま。私はこういう「肝心かなめ」なところがルーズです。

写真は3月5日の撮影です。接いでから6日目ですが、芽が膨らんできてテープを突き抜けようとしています。どうぞ元気にそだちますように。

今回見学させてもらった接ぎ木は50日後にその生育状況を見学させてもらうことができそうで、とても楽しみです。可能ならこの日接がれた苗を数株購入し、私が接いだものと比較してみようと思います。

福島先生、敬生さん、ありがとうございました。

2017年2月25日土曜日

教科書のようには接がないバラの切接ぎ

今年2017年は107本の接ぎ木をしました。今年は「切接ぎ」一辺倒で、「デービッド接ぎ」はスタンダード長尺台木に接いだ1本だけです。このページは切接ぎ作業とその50日後までの写真記録です。

切接ぎ2年目の今年のテーマは「教科書のようには接がない切接ぎ」です。これは日本バラ会でもご活躍の福島康宏先生の言葉をヒントにしたものです。なぜ「教科書のようには接がない」のか。福島先生はご自分のことを「へそ曲がりだけん」と笑われますが、そこには何かがあると気になります。今年の私の切接ぎは「教科書」とはちょっとだけ違いますが、これは福島先生の手法そのものではありません。

「デービッド接ぎ」から始まった私の接ぎ木修行は試行錯誤のまっただ中です。この後投稿予定の別記事で、「結果」の分析と、そして「教科書のようには接がない切接ぎ」の本家本元・福島先生の接ぎ木手法に対する私なりの考察へと続きます。

私の作業机です。切接ぎには「テーブルバイス」を使います。これは不器用な私が手元を誤って小刀で怪我をしないための工夫です。

「田主丸型」の接ぎ木小刀と花鋏、接ぎ木テープは「ニューメデール」。バットは接ぎ穂を入れておくためで、湿らせた清潔なウエスが敷いてあります。

バラの切接ぎで、危険が伴い難しいのは台木に接ぎ穂を挿し込む切れ目を入れる作業です。これまで何度か紹介しましたが、地元・福岡筑後の接ぎ木職人さんたちは「田主丸型」の接ぎ木小刀を使ってこのように作業をします。参照:「接木ドットコム|接ぎ木情報と接木テープ」

しかしこれは小刀の刃が動く方向に左手があって、まんがいち小刀が滑ると危険です。本物の「田主丸型」の接ぎ木小刀にはそれを防止するための独特の工夫があるのですが、本物には滅多にお目にかかれません。私の小刀も地元・福岡産ではなく、兵庫県の「みきかじや村」で製作された「まがい物」です。「田主丸型接木小刀」と称しながら田主丸での接ぎ木方法を知らぬまま、小刀の形だけ真似をしてもそれは「本物」とは違います。

「偽物」を掴まされたのは無知だった私の落ち度ですが、それはともかく、みなさんはそれぞれ安全な切接ぎのために工夫をしてあります。

私は「テーブルバイス」を使います。姿勢も楽で、時間もかかりません。これを使ってバーバラさんもグリーンさんもつぎつぎと「バラの切接ぎ」を楽しみました。まずその様子を紹介します。撮影のために「手タレ」さんが入れ替わっているので、同じ台木を使った連続写真ではありません。

今年使用したノイバラ台木については「実生台木を作る−4 めげないゴンベエさん」を見てください。この台木はゴンベエさんが作った「胴長美人」です。

まず台木の胴の部分の汚れをきれいに拭き取ります。テーブルバイスにセットし、バッドユニオン(芽=小枝が何本も出ている部分)の直下(7〜10mm下)で切断します。

充実した台木で切断面に形成層がはっきり見えます。根に絡み付いた黒いカスは「バクテローズ」の名残です。今回は試しに「花鋏」(両刃)を使ってみたのですが、切れ味は良いものの切断面に僅かな凹凸がありますね。

形成層を意識しながら台木を切り分けますが、方法はガイド本などを参考にしてください。ここまではどの「教科書」にでも書いてあるのとほぼ同じ手順です。

でも、「全く同じ」というわけではありません。下の写真では見えづらいのですが、小刀が下へ切り進むにつれて、表皮と平行ではなく僅かに内側に入るように切り分けていきます。

このイラストが典型的な「教科書に書かれている切接ぎ手法」です。台木、接ぎ穂ともに、②のカットで現れる「形成層」を合致させるように解説されています。

以下の4枚の写真で、イラストで図示された切接ぎとの違いがわかるでしょうか?

「なんだ、そんなことか」と思われるほどの小さな「差」なんですが、両者は切接ぎについての考え方が異なります。もちろんイラストの方法でもうまくいくのでしょうが、私はこれの方が合理的で、活着率も高いと思っています。

この方法は2年目なので断言するほどの実績はありませんが、昨シーズンに福島先生の接ぎ木を見学したとき、先生がご自分の接ぎ木方法を『教科書のようには接ぎません』と言われるのを聞いて、それまで抱いていた「教科書」に書かれている切接ぎ手法への疑問が一気に消え去りました。

教科書に書かれている切接ぎ方法のどこに問題があるのかは、実際に教科書どおりに試してみればすぐにわかると思います。・・かな? (繰り返しますが)教科書に書かれた手法でも切接ぎは成功するでしょう。でも私が間近で見学させてもらった接ぎ木職人さんたちやベテラン栽培者のみなさんは教科書に書かれたような接ぎ方はしません。それぞれ内容は異なりますが、独自に工夫されたポイントがあります。

例えば、ページの冒頭で紹介した「接木ドットコム|接ぎ木情報と接木テープ」に登場する接ぎ木職人さんは(これまた私とは異なる接ぎ穂の作り方ですが)、これも「教科書」に書かれた手法とは違います。動画の解像度が低く動作が速すぎて見えにくいのですが、相違点は、(1)接ぎ穂はあらかじめ必要な長さに切ってある。(2)接ぎ穂基部の小刀の入れ方、特に接ぎ穂先端の形状に注目。これも「教科書」とはまったく異なります。

(1)は、作業手順(効率重視)ゆえと思われがちですが、それだけではありません。それを考えるヒントは、合わせるのは「形成層」だけではなくそれを含む「維管束全体」ということ。教科書には「形成層を合わせる」としか書かれていませんね。

接ぎ木テープ「ニューメデール」を、軽く引き延ばしながら台木の基部から接ぎ穂先端に向かって巻いていきます。芽の上は1回、穂木の先端まで巻いて捻り切るという方法です。接ぎロウや殺菌剤の類は使いません。

前述の動画の接ぎ木職人さん(ご夫婦)のテープの巻き方はかなり緩やかなのが見てとれます。これは接ぎ穂の先端の角度が「教科書」とは異なり、「台木が接ぎ穂を挟み込む」という角度になっているからです。教科書のように「台木の先端を斜め45度に切る」という方法ではこうはいきません。

「ニューメデール」は気温が低いと伸縮性が低下します。無加温のハウス内では夕刻になれば急に気温が下がるのでテープをポケットに入れて保温しました。明るいうちに切り上げれば良いのに、作業が楽しいからなかなか止められません(笑)。

このようにつぎつぎに接いで合計109本になりました。接いだものはその日のうちに鉢に植え込みました。

大苗生産の場合、プロはいったん地に「仮植え」し、暖かくなってから成長具合をチェックして本圃に定植するのですが、私の場合は根の長さに応じて5号か6号の鉢に植え込んで、それをハウス内で育てます。これまでの結果から、5月の時点で90%前後の成功率(活着率)になるのはわかっているので、仮植えは必要ありません。

植え込み、特に鉢のサイズについては「実生台木を作る−4 めげないゴンベエさん」にも書いていますが、わざわざ台木の根を短く切って4号鉢に植えるのは(出荷価格や、それに見合うコストを考慮せざるを得ないバラ苗生産者ならともかく)、栽培的には根拠が無いと思います。

これらは4月上旬に8号、6月中旬に12号への「鉢増し」を予定しています。しかし100株もあればとても「物入り」なのでどうなることやら。でもそれよりも、その時期までに「鉢増し」が必要なほどに根が伸びるのか、そのほうが問題ですね(笑)。

鉢に植え込むのに使った培養土は以下の2種類です。

接ぎ木苗用 培養土
TYPE-A TYPE-B
福島園芸 バラの切接ぎ苗用培養土 50% 赤玉土(小粒) 20%
赤玉土(小粒) 15% 赤玉土(中粒) 20%
赤玉土(中粒) 15% 日向ボラ土(微粒) 10%
日向ボラ土(微粒) 10% バーク堆肥 25%
籾殻燻炭+竹炭 10% 腐葉土 10%
籾殻燻炭+竹炭 10%
パーライト 2mm 5%

「福島園芸 バラの切接ぎ苗用培養土」とはバラ苗生産者が使用するものをお願いして分けてもらいました。
これにはチッソ分などは加えられていませんが、僅かに「珪酸カリ」が入れられているそうです。単用はもったいないし、保水性があり過ぎるように思えたので、赤玉土や燻炭などを加えて「ボカシ」状態にしてあります。

「TYPE-B」は自作の培土で、鉱物と有機物がほぼ半々の内容です。いわゆる「肥料」は含まれていません。
大半は植え込んでから40日以上が経過しましたが、生育具合に「TYPE-A」と「TYPE-B」の区別はつかず、「珪酸カリ」の効果も気づきません。でも・・

「培養土は無肥料で」はほんとうなのか、どういう条件でそうなのか。 鉢サイズと同じく、へそ曲がりな私の次のテーマです。

福島園芸さんの話によれば、温度管理は12℃から24℃の範囲だそうです。もちろん夜間温度はそれより下がりますから、バラ苗生産者はハウス内を重油ボイラーで加温します。デービッドさんは私の状況を見て『家庭用のホットカーペットがいいよ』とアドバイスしてくれましたが、でも畑には電源が無いし・・。ハウス栽培で恐い「ベト病」の原因は「低温+過湿」なので、その対策のためにも電源が必要かなぁ。

さて、以下は今年の接ぎ木の中でも生育の良い株たちです。撮影:2月25日

「手タレ」のバーバラさんは2本だけ切接ぎをしました。彼女の切接ぎ経験は2年目ですが、テーブルバイスのおかげで怪我の心配もなく、上の写真のようにきれいにできました。

接いだのはイングリッシュローズの「コンテ・ド・シャンパーニュ」です。1月6日に接いで、2月14日に初めてご対面。「うれし〜い!」 写真下左は2月14日(40日後)、右が2月25日(50日後)です。

3月16日追記:1月6日にバーバラさんと一緒に接ぎ木をしたグリーンさん。その後の接ぎ木作業も含めて購入台木やゴンベエ台木で20本ほど接がれたでしょうか。今日その後の様子を聞きましたが『接いだ全株がうまく育っている』と嬉しそうでした。話題ははや『いつ鉢増しをするか』です。

嬉しそうなお話を聞くのは、(別に私の手柄ではないけれど)嬉しいものです。

これは5株とも同一品種です。穂木は採穂後2週間ほど冷蔵庫で眠っていました。使い残しの細い(胴の直径が7mm)ごんべえ台木に接いでいます。穂木も6mm以下と細かったのに、元気よく新芽を伸ばしています。

イングリッシュローズは挿し木でも比較的容易に活着する品種が多いので、そのような系統は接ぎ木も活着率が高いようです。

左の2株は「1芽接ぎ」で、中央と右側の3株は「2芽接ぎ」です。写真でわかるように「2芽接ぎ」でも一概に新芽の成長が劣るとは言えません。それはイングリッシュローズだけのことだけではなく、HTでもFLでも同様です。前掲の「ジェミニ三兄弟」の左側3−3がそうです。また、「2芽接ぎ」の場合「頂芽優勢」も100%そうなるわけではなく、この写真の右端の株のように下の芽が早く大きくなることもたまにあるので、これらは接ぎ穂の個々の芽の状態次第なんだろうと思います。

細い枝にもきれいな花が咲くイングリッシュローズなので枝数が多いのは好ましいのですが、1芽だけ接いでもすぐにシュートが出るので、「2芽接ぎが有利」とは必ずしも言えません。HTの場合(特に競技花の場合)は別の考え方が必要なのかも。私の場合いずれも、良い芽が2個近接してある場合に(もったいないので/笑)「2芽接ぎ」にすることが多い、それだけの理由です。

これらは1月17日に接ぎ木したHTの一部です。充実した新鮮な穂木で、ぷっくりしたきれいな芽が付いていました。各品種を数株ずつ接ぎましたが、品種毎にみごとに発芽が揃いました。このような穂木を作るには秋以降の肥培管理が重要なのは言うまでもありませんが、もうひとつコツがあるようです。これは「新苗で秋に勝負 1月」を参照してください。

このような充実した穂木を使うと、なんだか自分の接ぎ木技術が上達したように思え、嬉しいものですね。

この章の冒頭に書いたように、これらは切接ぎした107本+2本の中で特に良好な生育状態の株です。今月末には1回目のピンチができそうな株もあり、日ごとに成長する様子を見るのは朝一番の楽しみです。

2月25日の時点では新芽が萎れたり枯れたりした株は1本もありません。しかし他方、芽の動きが極めて緩慢なものが数株と、成長がゆっくりなのが全体の1/4=25株ほどあります。

接ぎ木後40日が経過した時点で芽の動きが小さなものは「活着不良」=「接ぎ木失敗」と判断すべきなのかもしれません。でも、「そんなに急いで大きくならなくてもいいよ」とも思うので、もう少し様子を見てからその原因を考えてみようと思っています。「接ぎ木職人になりたい」と憧れている私の修行はまだ途半ばです。

2月27日には今年も福島先生を訪問し、その『教科書のようには接がない』接ぎ木作業をじっくり拝見する予定です。できれば私もその場で接ぎ木をさせていただいて・・と楽しみにしています。