このブログについて


バラの栽培についての考え方や方法は多様です。その多様性こそが、バラが文化として豊かであることの証左なのでしょう。
"答え"は一つではないとすれば、バラ栽培の楽しさは、"自分のバラの世界を見つけ出す" その過程にあると思っています。

このブログは試行錯誤中のバラ栽培の記録です。一部の記事はバラ仲間に私の方法を紹介するために書いたものもありますが、
「栽培ガイド」の類ではありません。バラ栽培を始めた頃に書いた記事の内容は現在の栽培方法とは異なるものも多く、
技術的にも拙くて誤謬も多々含まれていると思われます。批評的に読んでくださるようお願いします。

咲いただけバラ園の 芽吹きの春

このページは2016年2月20日から4月25日までの春の2ヶ月間の日録です。

4月25日(月)

3人で接いだ今年の「スタンダード芽接ぎ挿し」全18本の中で、最も生育の良いものの4月22日の様子です。3メートルほどの高さに蕾が膨らんでいます。

ピンチして枝数を増やすほうが良かったのでしょうが、花が咲いたらどんな感じか見たくて、そのまま伸ばしています。接いだのはERの「ティージング・ジョージア」、台木はノイバラ(たぶんロサ・ムルティフローラの亜種)の2年生枝です。

22日に9号鉢に「鉢増し」をしました。いずれ地植えにするのですが、芽接ぎした部分がしっかり固まるまでは強風が恐いので、しばらくこれで育てます。花を確認後に花殻だけを摘んで枝を曲げ、アーチング紛いのソースにして、新梢の発芽を促す予定です。

「スタンダード芽接ぎ挿し」の18本の内6本が失敗して廃棄しました。2本が微妙な状態ですが、たぶん10本は何とかなるだろうと思います。既に底面給水は止め、捻枝していた台木上部もカットしています。

『自分がやっているバラの栽培が(つまるところ自分自身が)くだらない』などど世迷い言を愚痴っているうちに、地震が起き、でもバラは何事も無かったかのように咲き始めています。

4月11日(月) 午前:入学式を明日に控えた下の孫娘とタケノコ掘り。
タケノコを見つけて喜ぶ孫の歓声が、新緑が瑞々しい静かな山間に響いて。

午後:畑に新しく作る花壇のレイアウトをぼんやり思い浮かべながら、鉢植えの水やりなど。

2月4日に挿した15本の「本気挿し」。順調に新葉を展開していたのですが、このところ葉の先端が枯れる症状が出ています。気になるので、最も枯れがひどくダメそうな挿し穂を抜いてみたら、5cm程の新根が5本出ていました。2本の根が切れたけど慌てて元に戻し、同時にまだ頑張って生き残っている30本程の挿し木の「底面給水」を止めました。

展開した新葉の葉先が枯れた原因が「水分過剰」だとしたら、根量(根長)から推測して発根は挿し木50日後頃だったと思われるので、その時期に「底面給水」を止めたほうが良かったのかも。実際、その時期に一旦は止めたのですが、翌日に新葉が萎れていた挿し穂があったので、また続けていました。
偶然かもしれませんが、それから葉先の枯れが酷くなったみたいです。

でも、なぜ水分過剰で葉先が枯れるのでしょう?
「スタンダード芽接ぎ挿し」も底面給水ですが、スリットから出た白根が水の中で伸びています。新葉が展開したものも葉先の枯れなどはありません。

たぶん、水受けトレーの水深とスリットの長さ、挿し穂の基部の位置、培土や水質、それによる雑菌の繁殖程度などが微妙に関連しているのでしょうね。

明日はスタンダード芽接ぎ挿しの底面給水も終わりにする予定です。

4月9日(土) 終日:ハウスで水やり、管理している花壇3カ所の清掃など。

3週間ぶりの投稿です。前の投稿2日後の3月21日はステージの撮影(本業の仕事)でした。そこで演奏されたラフマニノフの "ヴォカリーゼ" を聴きながら、ふと今自分がやっているバラの栽培が(つまるところ自分自身が)くだらなく思え、何がが溶けるように崩れていく奇妙な感覚にとらわれました。

この感覚は一時的な「気の迷い」などではなく、たぶん私の本質的なものを突いているのでしょう。

仕事が忙しいこともあって、ブログを更新する余裕がありませんでしたが、この間もコブシが咲き、プラムや桃の花が咲き、ユキヤナギそして桜と、春の花が咲きました。仕事の合間にハウス内の水やりだけは続けましたが、この『くだらない、つまらない』という感覚を払拭するために何をどう変えればいいのかわからず、戸惑っています。

冬から初春の間に作業したものも、それぞれ結果が見え始めました。

スタンダード芽接ぎ挿し
最も生育の良いものは接いだ新芽が20cmほど伸びました。スリットから白根が見えているものが4株。逆に、まだ断定はできませんが失敗しそうな気配のものも出てきました。女性陣のものが苦戦中で、私のと明暗が分かれつつあります。「スタンダード芽接ぎ挿し」では何が重要なのか見えてきたようです。
挿し木
これも次第に結果が見え始めました。僅かですが新根が見えているものもありますので、徐々に「底面給水」の水位を下げるようにしています。発根しているものも葉の先端が病気か?と思えるような症状を呈しています。ハウスに遊びに来られたG−3さんは、「水分過剰では?」という見方のようです。そうかもしれませんが、私にはその機序(メカニズム)がわかりません。
毎日水やりができれば「底面給水」は不要でしょうが、2〜3日留守にすることもあるので、難しいところです。次回は(実用目的ではなく)水管理のテストに徹してやってみようと思っています。
遅れて挿した「鹿沼土100%+底面給水」が今のところ葉色もきれいなので、注目しています。
水挿し
半数程度の挿し穂でやっとカルスができ始めましたがその成長は鈍く、逆に雑菌の繁殖は旺盛で枯れるものも出て、厳しい状況です。
三ツ矢サイダー挿し
サイダーのあの強い甘みは「殺菌」または「菌の増殖を防ぐ」効果があるんですね。糖が養分として働くことしか意識にありませんでした。初期は好調に新芽を伸ばしましたが、その後は葉色が赤っぽいままなので、今は「水挿し」に変更しています。
発根促進剤、オキシベロンやグルコースは、それとわかる違い(効果)はありませんでした。
接ぎ木
元気のいいツルバラ系は(これはピンチをしないので)主茎が1メートルになりましたが、動きが鈍い「お地蔵さん」状態(BOKETANさんの言葉)の芽接ぎもあります。「確実に形成層を合致させる」という接ぎ木の技術と同時に、「充実した状態の良い穂木と台木」が重要なんですね。
私はこれまで穂木の充実度を「枝」単位で見ていましたが、1本の穂木でも管理次第で「芽」の充実度が異なる(のか?)と思うようになりました。バラ会のみなさんはそこまで配慮してあるようで、驚きました。
「芽接ぎ」を含む接ぎ木全体では「成功率90%」の達成はムリみたいです。それでも100株ほどあるので、これらを順次8号または10号に「鉢増し」をすべきなんでしょうが、億劫です。資材を購入する費用もかかるし。。こういうことが重なって『くだらない』ということになるのでしょうか。
ハウス内の鉢植え
サイドを開放しできるだけ外気に近くなるようにしているのですが、たぶん「夜間温度」が違うのでしょう、私のこれまでの鉢植えとは違う良好な生育状態です。20鉢ほどの食用バラは蕾が1cmほどになっています。時期遅れの「土替え」も、特に問題は無かったようです。土替えをしてバラが喜んでいるように見えるので、『やって良かった』と思っています。
ハウス内では、これまでの露地栽培よりもバラに近いところで時間を過ごすことが多くなって、『バラの新葉はこんなにもきれいだったのか』と驚いています。
実生苗
白の遮光ネットのトンネルの中で、雑草と背比べしながら成長中。
雑草
もの凄い勢いで雑草も生長しています。手作業の除草ではとても追いつきません。除草剤は使いたくないので、バラの根が傷むのを覚悟の上で無理矢理にトラクタを入れて鋤き込んでいます。が、部分的に蔓延っているセイタカアワダチソウやヨモギの根はそれではダメで、やはり手作業で・・ということになります。
畑の主な部分は春先に草刈り機で払ったのですが、切られた草はその後に伸びた短い茎にいっぱいタネを着けています。これはもう完全に雑草の勝ち。
地植え
管理している花壇のひとつで、多くの新梢の先端が枯れる現象が出ています。これは何が原因なのでしょう? 撒布は一度もしていないので「薬害」ではありませんし、周期的に雨が降るので「水不足」でもないと思います。逆に、「水分過剰」なのかな? 水分過剰で新芽が枯れることがありますか?「水栽培」しているものにそのような症状は見受けられません。
バラクキバチやバラゾウムシの仕業ではないし、「施肥」の拙さ(タイミングと量の問題)なんでしょうか? (ここには1月21日に「土と植物の薬膳」を1株平均600g施用しています)。
それともタイミング悪く強過ぎる陽射しが当たったのが原因なのか。そうかもしれません。
肥効テスト
3月15日に開始したテストで選んだ肥料は、「パワフルアミノ」「土の薬膳」(粉体タイプ)です。有機100%の「土の薬膳」が化成肥料を含む「パワフルアミノ」よりもやや優勢な状況で、正直ちょっと驚いています。ただし、各7鉢(7品種)のテストですし、差があると言っても個体差の範囲とも思える程度なんですが、それでも即効性のある有機100%の肥料の存在は嬉しい。
病虫害
ハウスの防虫ネットは0.4mm目合いなのでアブラムシの羽有り成虫は入れないのですが、持ち込んだ鉢植えについて来たのか、一部の株の新芽にアブラムシが発生。これは「デービッド丸」で退治しました。これが今年最初の撒布です。スタンダード芽接ぎ挿しの台木1株の捻枝している先の新芽にも発生。これは(接いだ芽が5cmほど伸びているので)台木をカットすることで対応しました。
ハウス内では化学合成農薬はぜったい使わないと決めていますが、露地植えを含めて「予防的な撒布」をするとなると全部では600株ほどもあるので、正直気が重いです。
地植えの株にはまだアブラムシを見ません。管理しているバラ花壇でホソオビアシブトクチバの幼虫2匹を捕殺。別の花壇ではチュウレンジハバチの楽しそうな群舞を(初めて)見ました。これは「集団お見合い」でもしているのでしょうか?恐ろし。「ニームオイル」でこのお見合いをぶち壊しにすることができるか?夕刻に噴霧器持参で出直してみたら、あれだけたくさん飛んでいたチュウレンジハバチはもういませんでした。交尾していたものもいたし、これは拙い。
「石灰硫黄合剤」をかけていない購入株で黒点病の初期症状を発見。かけたものでは(未だ)出ていません。
根頭癌腫病
3月12日の記事に書いた癌腫病の株は廃棄(焼却)処分をしました。掘り上げてみると驚くほど大量の癌腫が。

これらの途中経過は写真を撮っているものもあるので、後日に、結果の写真と共に別記事で紹介したいと思います。

『難しいとされるバラの栽培を人より上手にできるとしても、それがいったいなんだと言うんだ。たかがバラじゃないか』という思いが、バラに関心を持った当初から(不幸なことに)ずっと消せないまま私の中にあります。このブログもバラの栽培技術を学ぶことが目的ではありません。

「違う」という感覚だけがあって、「そうではないなにか」を見つけられないまま、もがく時間を耐えていかなければならないのでしょうか。
考えてみたら、私の人生はその連続であったような気がします。笑。

ラフマニノフ  "ヴォカリーゼ"  (YouTube  /  Mischa Maisky, 2008)

3月19日(土) 午後:ハウスで水やりなど。

福岡でサクラの開花宣言。今日は下の孫娘の卒園式。お昼にお祝いの食事をということで、午前中は畑に出ないまま。午後2時頃に行ってみると、ハウス内の気温はなんと40℃。(アメダスの福岡空港の午後2時の気温は16.7℃)

10株ほどの接ぎ木苗がグッタリ萎れていました。既にピンチをすませた生育の良い株や、未だ動きが鈍い小さな芽はだいじょうぶですが、5枚葉が展開し始めた程度の株のダメージが大きく、慌てて「腰水」をしました。夕刻までにはなんとか回復しましたが、驚かされました。

16日に土替えした鉢植えの中で(根腐れによる生育不良の株の)根を短く切除したものも、新梢が萎れていました。芽(新梢)の数も減らしていたのですが、萎れるのは当然かな。

挿し木苗は遮光しているので、40℃でもそれとわかるダメージはありませんでした。やはり「高温+強光線」が恐い。

「高温+強光線」に弱い品種もあるみたいで、私の環境|栽培方法では、HTの「イブ・ピアッチェ」がそのひとつ。これは地植えでも育てているのですが生育がイマイチなので、今夏は遮光することを試してみようかと思いつきました。

接ぎ木と挿し木の 失敗 した株を数えてみました。

  • 挿し木:全45本 失敗1本 怪しいもの1本 残りの多くは判断できない
  • 水挿し:全16本 失敗2本 怪しいもの 残りすべて 「三ツ矢サイダー挿し」の新芽は元気
  • スタンダード芽接ぎ挿し:全18本(GREENさんとバーバラさんの計8本を含む) 
    明らかな失敗0本 新芽がテープを突き抜けたもの5本 発芽直前4本 判断できない9本
  • 芽接ぎ:全12本 失敗2本(テストを含む)
  • 切接ぎ:全106本(バーバラさんの2本を含む) 失敗4本 怪しいもの2本

芽接ぎと切接ぎを合わせた接ぎ木総数は118本です。成功率の目標90%は107本なので、失敗は11本しか許されません。現時点では怪しいものも含め8本。目標達成は微妙になってきました。
「100%はともかく、90%はいきそう」と書いたのは、つい先日のこと。笑。

失敗した株を数えながら、ハウスの中でひとりため息をついています。いずれも失敗の原因に思い当たるフシがあるので、それはそれで納得なのですが。

「100本もバラが増えたら、どこにどんなふうに植えようか」と楽しみにするのがガーデナーでしょうが、「100本も成功しそう」と喜ぶのではなく「すでに8本も失敗した」と落ち込む私。

そんな中でも、2月4日に挿した15本の「本気挿し」が好調なのが嬉しいです。どれも本気で作業したのですが、この15本は実用目的のあるHTです。「接ぎ木苗に遜色のない挿し木苗もある」というのが持論ですが、この品種は神奈川県農業技術センターによる客観的なデータもあり、この15本が発根したら、それを使って試してみたいことがあって、ワクワクしながら見守っています。

計画しているのは「技術的なテスト」で、ここでも私はガーデナーではありません(爆)。

日々、僅かに僅かにですが、芽が大きくなっています。でも、接ぎ木テープを突き破って出た芽も動きは緩慢で、まだなんとも判断できない状態です。少なくとも悪い方向には行っていません。たぶん、待ちくたびれて水やりするのも忘れてしまう頃に動き出すのでしょう。これはマジにそう思っています。いつ頃から水を切るか(底面給水を止めるか)その判断が難しい。それはバラが教えてくれるのでしょうね。

GREENさん。もしかしたら3本は成功するかもですよ。その可能性はあります。バーバラさんは2本、ラッキーなら3本かな。私の10本は、「三ツ矢サイダー挿し」は微妙ですが、9本は成功するかもしれません。
・・と、ここは暗い話ではなく、明るく楽観的にいきましょうね。春なんだし。

3月17日(木) 午後:ハウス妻面の換気設備の簡単な工事。

快晴。AM 10:30 の外気温 19℃。EV15.0 82klx。 ハウス内 28℃。EV14.6 62klx。
ハウス内が28℃もある。サイドは開けているが風が弱いので換気が進まない。入り口側の妻面(ドアの左右)からも風が入るよう改造工事をした。いずれ逆側の妻面も大きく開口できるよう改造する予定。

ハウスは、外気より温度を高くしてバラを促成栽培したいのではなく、風雨を避け害虫を寄せ付けないのが目的なので、気温はできるだけ外気に近い設定にしたい。そのためには遮光ネットの展開と、何よりも効率の良い換気が必要なのだが、天候(日照度)次第で遮光ネットを動かす良い(安価な)方法を思いつかない。

温度、湿度、照度のセンサーと、バラの生育ステージに合わせた最適量がインプットされたパソコンで、自動的に開閉する設備があったらさぞ楽だろう。もちろん潅水も、そして施肥(液肥)も自動化。
数年前、どこかの農業高校で生徒さんたちが野菜の栽培のためにそのような設備を作り、プログラミングも自分たちでやったというニュースを見て、感心したことがある。これはおもしろそうだし、いい勉強になるんだろうな。

私にはそのような本格的なものなど望むべくもないが、せめてスマートフォンで換気装置と遮光ネットの開閉を指示できたら、畑に行けない日も安心なんだろうけど。・・でも畑には電源は無いし、それに私はいまだにガラ携なのだった。笑。

昨日までにバラの鉢植えの土替えをほぼ終了しました。今後も鉢で栽培する8号から12号までのおよそ50鉢です。新葉が5cmほどにもなっているこの時期に「土替え」をするのは、バラにとっては良いことではないのでしょうが、生育不良の株があったりして、中を見てみたいという欲求に抗しきれず、結局全部を抜きました。

たぶん多少のダメージはあるのでしょうが、今朝の時点では萎れなどはありません。地上部と根は比例していて、生育不良の株は土替えして良かったと思います。癌腫も見当たらず、これは一安心です。
註:癌腫が出た鉢植え2株は経過観察のため「隔離」しており、今回の土替えの対象外。

培養土の配合は「排水性重視」です。このページの3月3日の記事に配合を記録していますが、その後 内容を少し変えました。

赤玉(小)2:赤玉(中)2:ボラ(小)2:土の薬膳 BIO SOIL GARDEN 2:籾殻燻炭1:パーライト(3〜5mm)1。これに「ローズスタート」 という配合になりました。
"牛糞堆肥&土の薬膳・少量" を "BIO SOIL GARDEN" に変えたことになります。

『森の土をお手本に。大学の研究室から生まれたオーガニック培養土 土の薬膳 BIO SOIL GARDEN』

これは、本来このままで使用する汎用の培養土で、「森の土をお手本に」というのが、これを開発された九州大学農学院(土壌微生物学研究室)の金澤教授らしい 発想とこだわり です。

(写真 © 2015 Happydays Corp., Kanazawa Bio. )

いかにも「森の土」といった、しっとりした感触の培養土です。採算性を度外視した(?)研究者らしい妥協のない配合なんでしょうが、これがバラの鉢植えに適しているか、どうか。

註:8種類の材料が配合してありますが、上列右から2番目が「土の薬膳」のペレット。「乳鉢」はイメージです。

手に取った感触から、私の栽培方法では保水性が高すぎるように思えたので、今回は 排水性を考慮した資材に20%だけ混ぜ合わせる控えめな使い方になりました。そのような使い方では、この培養土の特性を引き出せないかもしれません。5月には、今年接いだ新苗を使ってバラに最適な使い方を探す試験栽培を開始する予定なので、そこで検討したいと思います。

3月19日追記:

「保水性が高過ぎる=水はけが悪い のは根腐れの原因になり、栽培上好ましいことではない」
というのは栽培者の常識でしょうが、それはほんとうに正しいことでしょうか? 

私は「必ずしもそうは言えない」と思うようになりました。根腐れの原因は水分過剰そのものではなく、他にあるのではないか。そう思うに至った(小さな)根拠があるので、テストを始めようと考えています。もし「土の薬膳 BIO SOIL GARDEN」の保水性が高いとしても、それは欠点ではなく むしろ長所なのかも。あれこれ試行錯誤する楽しみのタネは 尽きることがありません。

4月1日追記:

「土の薬膳 BIO SOIL GARDEN」 の特徴を確認するための試験栽培を、同一品種のHT6株を使って開始しました。またそれとは別に「水栽培」のテストも始めました。

1月11日に種蒔きした台木用ノイバラの約9週間後です。今日から薄い液肥を与え始めました。

残念ながら「発芽率」は良くありません。気になるので数えてみたら281本でした。600粒蒔いたので46%です。必要な200本はなんとか確保できそう。

「胴長美人」にはなりそうだけど、籾殻燻炭のマルチングが厚過ぎたのと、水やり不足で「立ち枯れ」が出たのが、低率になった原因でしょう。

下は昨年の事例です。1月12日に播種し3月23日の状況。写真が見づらいですが、プラグに3粒蒔きして発芽率75%。「胴」は昨年のほうが短いです。

3月15日(火) 終日:昼時以外は畑。挿し木に遮光ネット、鉢植えの施肥と肥効テスト開始、鉢の土替え(終了)。

撮影用の露出計を使ってハウス内のEV値(Exposure Value)を計り、照度(キロルクス)に換算してみました。 今日の AM10:30で EV=14.4(ASA100)。これは照度 54klx になります。正午では EV=14.6 で 62klx でした。

3月中旬でこの照度ですから、5月6月から9月末頃までの晴天の昼間は 100klx になります。バラの「光飽和点」に関しては詳細なデータを知りませんが、たぶん 50klx 前後であろうと推測されますので、日本の夏はバラが必要とする2倍の強光線になります。ただし、バラの「光飽和点」は品種による差があります。

一般によく見かける「光飽和曲線」は、光飽和点を超えるとそれ以上の強光線でも光合成速度は頭打ちになって同じという図が多いのですが、それは「温度」という環境要因を一定とした場合の「概念図」で、実際の栽培における「強光線+高温」という条件下ではバラの光合成速度は低下します。(驚くことに、強光下では葉緑体はできるだけ光を避けられる場所と角度になるよう細胞内を動き、自分を守るのです。ネット上でその動画を見たことがあるのですが、残念ながらURLを失念。)

数年前、仲間と鉢植えのバラ30鉢ほどでテストをしたことがあるのですが、概括的に言えば夏期は50%程度の遮光ネットの下で栽培するほうが優れた生育を示し、秋には大きな差になりました。

強い日光はもちろん赤外線も含むので、鉢土の温度も気温より高温になります。例えば、気温41℃の猛暑日のとき、10号スリット鉢の内部は43.9℃でした。そのような環境ではバラはストレスで軽い休眠(まがいの)状態に入るようです。

左は、私のそのテスト結果のレポートです。
(画像クリックで拡大)

同一品種の4鉢で、右の10号スリット鉢が遮光しないもの、左の2鉢は50%遮光、右から2番目の大きなポットは、ポット側面からの気化熱を利用して鉢温度を下げるくふうをしたものです。

ここでは説明は省きますが、「夏の強光と高温は鉢植えのバラには強いストレス」ということが、右の10号スリット鉢の生育状態からわかります。

夏場に鉢植えのバラの水分が不足すると萎れることがあって慌てさせられます。体内の水分不足はアブシシン酸が働いて気孔を閉じようとするのですが、強光線下では気孔を開こうとする作用のほうが大きいことは、栽培者は経験的に知っています。詳しいことは、「気孔の働きと開閉の仕組み|みんなのひろば|日本植物生理学会」を参照してください。

発芽したばかりのバラの挿し木は、水分不足に対応して気孔を閉じようとするアブシシン酸の生合成や蓄積はほとんど無いのではないかと推測します。したがって、今日のように 62klx になる光線下では気孔を開くメカニズムが働いて、萎れる危険性が高まります。

これからは陽射しも強くなる本格的な春。季節に追われるように、挿し木に遮光ネットを被せました。

遮光率は50%で、 EV=14.6 62klx が、正確にその半分の EV=13.6 31klx になりました。「50%」という数値は大雑把なものだろうと思っていたので、ちょっとビックリです。笑。

これが今シーズンの挿し木45本と、水挿し16本です。遮光ネット越しのやわらかな光の中で、なんか、挿し穂が喜んでいるように見えます。

安直なセットですが、もっと早くから遮光すべきでした。スタンダード芽接ぎ挿しも、そして水挿しも。(特に水挿しは、陽のあたる場所に置いていた日もあって、そういう時はペットボトル内の水温もかなり上がっていたのだろうと思います)

接ぎ木や挿し木の新葉の先端が枯れるものが幾つかありました。病気かと驚いたのですが、どうもそうではなく「葉焼け」のようです。発芽してから曇り空の日が多かったのですが、急に何倍もの強い陽射しに曝されると、「萎れ」という段階を経ぬまま、数日後に「葉焼け」症状を起こす品種(場合)があるようです。  参照:「植物の葉焼けを防ぐには|光合成FAQ|光合成の森」

挿し穂の1本を抜いてみました。これは1月30日に挿した15本の中では、平均程度の葉数(葉面積)のHTです。

挿し穂の基部(切断面)にはカルスの兆しもありません。緑枝挿しでは発根確認まで50日だったので、休眠枝挿しはもっと時間がかかるのかも。でも・・

この挿し穂は、たぶん基部からは発根しません。発根するとしたら、その上1cmほどに見える小さな癌腫みたいなもの、これがカルスで、発根するならここからと思います。

挿し穂の土に挿している部分の色が悪い(褐変しかかっている)のが気がかりなのでポットには戻さず、観察しやすい水挿しで様子を見ることにしました。

今年接ぎ木した苗で同じ条件で育っている7種類のバラ各2株を準備して、2種類の肥料のテストを開始しました。昨年は同様のテストを5種類の肥料で行い、その中から結果が良かった2種類を、今回はテストするバラの株数を増やして実用レベルで検証するのが目的です。 選んだ肥料は「パワフルアミノ」「土の薬膳」です。

「パワフルアミノ」は、知り合いのバラ苗生産農家が新苗を育てる時に使う(短期勝負の)肥料です。「土の薬膳」は以前から私がメインで使っているもので、今回は内容が強化された891000シリーズの「粉末タイプ」をテストします。この下右の写真(© 2015 Happydays Corp. , Kanazawa Bio.)は、891000シリーズの「ペレットタイプ」です。「粉末タイプ」はペレット化する前の状態で、肥効が出やすい特徴があります。経過は随時レポートする予定。

3月14日(月) 午前:今日は月に一度の「メメント・モリ」の日。

検査の各項目は僅かに改善している。医師曰く『ゆっくりでいいんです。このゆっくりがいいんです』。
なんとも嬉しいアドバイス。主治医が入れ替わって現在3人目。私の息子ほどの若いドクターだけど、「名医」なのかも。

薬局で「ブドウ糖」の粉末タイプをもらう。これは私のような患者のために無料で提供されるもの。これを「水挿し」に添加して「糖」の効果をテストする。入れるなら砂糖よりも、単糖のブドウ糖でしょう。名医と、どうしようもない呆れた患者。

ちなみに、「三ツ矢サイダー挿し」はボトルを交換して現在4本目。新芽は今日も元気よく成長中。交換したサイダー(たぶん "砂糖水"状態)を、スタンダードの「元・三ツ矢サイダー挿し」に与えてみたら、数日後には台木の先端の芽がちょっと膨らんだ・・ような気もする。

夕刻:ハウス内の挿し木に水やり。排水溝の浚えなど。小雨が降り始め、ハウス内でぼんやり過ごす。

(このページ最下段 2月20日の「バラ畑で見る夢」の続き)
2012年1月16日の記事「沈もまた良し」に、『ほんものの百姓になれたらいいな』と、自然のリズムに合わせて生きることへの憧れを書いています。しかしこれはそのような「ライフ スタイル」への憧れであって、今は少し違って考えるようになりました。

百姓として生きるというのは「森羅万象に感謝する」ということなのではないか。収穫の恵みに感謝するだけではなく、豊作でも不作であっても、宇宙や大地すべての自然の営みに感謝する。それは私の言葉で言えば "Life is beautiful." ということ。そしてこの "Life is beautiful." には、"if you are ... というような「仮定」はない。人の世の苦しみや悲しみも、すべてを含めて "Life is beautiful." と言える、そのような人になれたらと思う。

3月12日(土) 終日:芽かき、明日からの作業の準備(資材の購入や段取り)、「水挿し」の水交換 など。

ふつうの「水挿し」8本のうち半数の4本にグルコース(ブドウ糖)を重量比1:1000 で添加しました。これは「三ツ矢サイダー挿し」が好調なので、「糖分を添加する効果」を見るためです。 適当な濃度がわからないので、切りの良い「1,000倍」にしました。笑。口に含むとほんのり甘みを感じる程度です。

仕事のため3日間畑に行けない状態でした。小雨が降り寒い3日間でしたが、新芽は一回り大きくなっています。特に地植えのバラが元気です。春は(みなさんが言われるように)私のようなルーズな栽培者でも、バラは元気良く芽吹くんですね。

接ぎ木は今のところ好調です。『もしかしたら、成功率100%いくかも?』と思うほどです。この場合の成功率は単に「枯れなかった」という意味で、枯れなくてもその後順調に成長しなければ「成功」とは言えませんよね。
成功率100%は怪しいですが、管理上の事故が無ければ 90%以上はいきそうな気配です。台木が充実した購入台木だったのが大きいのでしょう。

挿し木は計45本を試みています。
写真下右の左から 2月14日(緑)、2月4日(黒)、1月30日(紺) に挿したものの今日の様子です。

写真下左は、1月25日に切接ぎしたHTと、その残りの枝を1月30日に挿したものです。切接ぎは間もなく5枚葉5節になります。挿し木の上部は5枚葉が2.5節展開しています。挿してから40日が経過したので、そろそろ発根し始めるかな(昨年の緑枝挿しでは50日後に発根)という時期ですが、まだ発根はしていません。ポットの下部のスリットから見える白いものは「根」ではなく、挿し木用土に混ぜているパーライトです。紛らわしい。笑。

挿し穂にこれだけ葉が展開すると、わずかな水分不足でも(例えば直射光が当たり蒸散が盛んになると)萎れてしまいます。ふつうの挿し木ではこの時点で失敗しがちです。これは「底面給水」なので、3日間留守にしても酷い「萎れ」は出ませんでした。が、その期間に展開した新葉は葉先にダメージを受けたようです。

挿し木は(水挿しのように)水分過剰だと発根が遅れるようですから、発根を促すために徐々に水分を少なくしていきたいところです。難しい時期にさしかかりました。

註1:写真の挿し木ポットは、撮影のために給水トレーから出しています。「底面給水」については、2015年8月の記事:「バラの 夏」で紹介していますが、ポットにスリットを入れる加工をすることと、水の腐敗を防止するために「珪酸塩白土」(商品名:ミリオンA)を入れることがポイントです。なお、「ミリオンA」の効能は「静菌作用」で、殺菌剤ではありません。

註2:「根」が無いので過度な蒸散を避けるべきで、挿し木苗だけ「遮光ネット」を設置する予定です。もし「萎れ」(しおれ)が出てしまっても発見が早ければ、数時間か一晩「腰水」をすると回復します。萎れるのは速いけど、回復は(根が無いので)ゆっくりです。
もし雑菌が繁殖して導管を塞ぎ、それで水が揚らず萎れる場合は「腰水」でも回復はしません。「昼間は萎れ気味で、夕方には回復し朝も元気、でもまた昼間に萎れる」というのは雑菌(病原菌)の仕業なのでヤバイ兆候です。いずれ夕方にも回復しなくなります。

給水トレーは雑菌が容易に拡散しそうだから、水は雑菌のいない水道水を使用し、水の「溶存酸素」も考慮して(その効果については曖昧だけど、重要なポイントかと考えて)、できるだけ頻繁に交換するのがいいと思っています。使用する水の溶存酸素量は、水挿しの場合は特に重要なんでしょうね。

花壇の1株に「癌腫」があるのを見つけました。FLの3年生ですが、生育が悪いとは思わなかったので、剪定時も気がつきませんでした。
この品種は1株しか持っていないので、どう処理するか迷いながら株元を調べてみると。。

「曲がり鎌」の先端部分の位置で地上に露出していた癌腫が、右の写真の上側にある灰色がかったものです。たぶん出来て半年程度だと思われます。で、その下3〜5cmの土中にも、あるわあるわ続々と出てきました。サイズは大きいもので3cm程度ですが、この量に驚かされますし、逆にこれだけ大量の癌腫が出来ているにもかかわらず、地上部は正常に見えるのにもビックリ。株が若く元気よく成長していたから、癌腫も短期間でいっぱいできたのかも。

バラの根頭癌腫病の病原菌 アグロバクテリウム ツメファシエンス(Agrobacterium Tumefaciens)は、栄養源である宿主を枯死させない程度に増殖するように発現する(癌腫が、ある大きさ以上にはならないように制御する)遺伝子を宿主に組み込むのだそうです。
  情報源:放送大学専門講座「植物の科学」/基礎生物学研究所・川口正代司教授の講義内容による。
驚嘆させられる賢さですね。

関連記事:「バラの根頭癌腫病 −2」

発見が夕刻だったので今日はとりあえず、癌腫が集中している太根を切り離し、そこに殺菌剤を塗布しただけですが、掘り起こせばさらに見つかるのでしょう。

この株、あなたならどう処理しますか? 掘り上げて焼却。土は客土するか、あるいはこの場所にはもうバラを植えない。 それとも「毒を食らわば皿まで」、病原菌の拡散を覚悟の上でこのまま栽培を続け、どうなるか見届けますか?

3月8日(火) 午前:鉢の土替え(3日目)、廃棄する株から(未練がましく)挿し木、水(一部は液肥)やり など。

バーバラさんが庭に植えているクリスマスローズ。白の一重に続いて、微妙な色合いの八重も咲き始めました。その上にはハクモクレンも。

12月29日に切接ぎしたHT12株のうち、最も生育が早いものは5枚葉が6節になりました。6日前の2日は3節半でしたから、「2〜3日に1節」のペースで成長しています。

これを5枚葉5節でピンチしました。

この「新梢5節ピンチ」というのは、福岡バラ会の会報誌「ローズ・ふくおか」第21号に掲載された、九州バラ研究会・福島康宏先生の資料「新苗を植えて秋には一人前」を参考にしました。

福島先生については、1月16日にデービッドさんとG−3さんの案内で訪問したことを "The happydays of Roses" に書いています。バラのハウスを拝見して、ビックリ仰天。ご了解を得ていないので詳しいことは書けませんが、『バラの世界は奥が深い』と思いました。今後機会があれば(あると思う。もし無ければ、福島先生を師匠と仰ぐG−3さんと一緒に押しかけるまで/笑)詳しくご指導をお願いしたいと思っていますので、福島先生のバラ栽培をご紹介できるチャンスもあるかも。

福島先生の資料によれば、「新梢5節ピンチ」後は現行の4号から7号スリット鉢へ「鉢替え」、さらに6月中旬に7号から10号スリット鉢へ「定植」する手順のようです。私は現在5号スリット鉢なので、4月に7号、6月に10号鉢へと考えていますが、2日の記事で紹介した boketanさんの方法=「5号からいきなり10号スリット鉢に」というのも、実例写真に説得力があって、気になります。

新苗の鉢植えの鉢増しは、以前バラ仲間と検討したことがあるのですが、私が住んでいる福岡県の場合、9月初旬の秋剪定の時期に7号鉢へ、翌年1月の冬剪定で10号鉢に鉢増しするというのが一般的な方法だろうと思います。それと比較すると、福島先生や boketanさんのバラがいかに速く成長しているかが わかります。お二人とも「新苗で秋に勝負」の世界ですね。私なんぞは無縁のハイレベルですが、できることならその技術は学びたいと思っています。

鉢サイズの選択は根の生育次第ですから、「どのような培養土や肥料を使うか」でも大きく影響を受けるのでしょうね。今年は鉢植えで 「土の薬膳」および「BIOSOIL GARDEN」を本格的に試してみたいし、気になること、わからないことだらけです。

ともあれ、今シーズンは私としては珍しくHTを10品種以上も接いだので、それが今後どのように成長するのか、どのような花が咲くのか、初めての栽培方法に戸惑いながらもレポートをしてみよう(なにより自分のために記録を残そう)と思っています。

「水挿し」は現在17本(長尺枝のパーライト挿しを1本追加)を試しています。その中で最も生育が早いのがこれで、「三ツ矢サーダー」に挿したものです。これは、挿した当初だけではなく、サイダーのボトルを新しいものと交換しながら、ずっと「三ツ矢サーダー」に挿したままです。これまで2回交換し、現在は3ボトル目です。

もちろん「炭酸」はすぐに消え、後は「砂糖水」なんでしょうが、雑菌が増えて挿し穂が腐ることはない(これは意外)です。「水挿し」の16本はすべてが発芽していますが、この「三ツ矢サイダー挿し」の新芽がいちばん大きく元気です。

ただ、現時点ではすべての挿し穂に、「カルス」ができる兆候は見受けられません。

3月7日(月) 午後:(あれっ? 何をしたか思い出せない/笑) オリーブの挿し木。薮になったバラ畝の整理など。

畑に行ってビックリ。「暖地桜桃」がいきなり開花している。ここ数日の陽気で一気に開いたようだ。

バラも元気のいい新芽を伸ばしている。結局、畑のバラの「寒肥」はしないまま。それでも新芽の勢いはいい。バラってすごいね。と言うか、やれ「寒肥だ、芽だし肥だ」というのが(私の場合は)違うのかも。

前回の施肥はいつだったかな。「土の薬膳」をまとめて入手したのが3年ほど前で、それがまだかなり残っていて、この間は新規に植える畝以外は肥料をやっていない。私のようなルーズな「放任栽培」では、バラのほうが栽培者よりも賢くなって、それなりに育つみたい。この「暖地桜桃」だって肥料なんかやったことないのに、グングン根を張って必要な肥料分は自分で確保して、毎年おいしいサクランボをならす。

でも、自分の畑以外では肥料を使いその効果を実感するので、今後は畑にも積極的に?使ってみようかと思っている。『100%天然有機肥料の "土の薬膳" だし、施肥の時期には拘らない』と、タイミングを逸したことを、とりあえずごまかしておこう。

3月5日(土) 終日:鉢の土替えに飽きて、疲れもピークだし、トラクターで畝を耕転。これは体力が不要で、楽しい。

耕転する前に牛糞堆肥を撒いていると、その臭いに誘われるのか「アブラムシの羽有り成虫」が飛んで集まってくる。油断できない時期になった。

午後3時の外気温は23℃。ハウス内は28℃で、これは拙い。UVカットのビニールだけど、陽射しがやけに強く感じられる。遮光ネットの展開と、妻面からの換気を考えなければ。

台木にするノイバラの実生がほぼ出揃った。早いものは本葉(3枚葉)が2葉展開。ところが水不足だったのか、それとも「肥あたり」なのか、あるいは覆土が厚過ぎたのか、発芽後に「立ち枯れ」するものがあり、残念ながら発芽率は50%程度になりそう。その程度かと見込んではいたけど、「発芽率50%」は管理の拙さ(ヘタさ)が原因なので、ちょっと気分が落ち込む。これ以上減らさないように、せめて防虫ネットの設置を急がなければ。

・・この数日天気が良かったのでちょっと頑張りすぎた。明日は朝から雨の予報なので、これ幸いに休むことにする。来週は本業の大きな仕事が2件待ち構えている。仕事の責任は重く、40年続けていてもそのプレッシャーは消せない。でも、それくらいの緊張感があって「ちょうどいい」のかも。笑。

3月4日(金) 終日:鉢の土替え2日目。10号20鉢など。疲れで能率があがらない。でも、焦らない。

3月3日(木) 終日:鉢植えバラの土替え(継続中)。「水挿し」の水を交換(2回目)。

鉢植えの土替えは、年末か遅くとも1月にはすませておくべき作業なのかも。みなさんそうしてあるようですが、私は遅れて今頃になってです。鉢植えを継続する株は意図的に寒い場所に置いていたので、芽はまだそれほど大きくなってはいません。土替えが終わった鉢はハウスに入れ遅れを取り戻すつもりです。

培養土の配合は;
赤玉(小)2:赤玉(中)2:ボラ(小)2:牛糞堆肥(フルイ)2:籾殻燻炭1:パーライト1
これに、土の薬膳 89000 ローズスタート および 有機石灰を、それぞれ微量入れました。

培養土は「排水性」を重視した配合です。これは福岡バラ会の研究会で講師の小林先生のお話;
  『ウオータースペースにちょっとでも水が溜まるようでは・・。スッと抜けるほどが良いのです』
をヒントに、自分で考えてみました。夏場は日に2回の水やりが必要になるかもしれません。

がんばれ! 「スタンダード芽接ぎ挿し」の3週間後

3名それぞれの「貼り芽接ぎ」です。赤丸が私のもの。成功するか否か、現時点では予断を許しません。祈るような気持ちですが、何もできることはなく、ただ見守るだけです。

春がきた

南風が吹き暖かい一日でした。午後3時の気温17℃。畑にはヒバリが来ていました。

畑の北側の山。60年ほど前にじいちゃんが檜を植えたのですが、台風による風倒被害と、孟宗竹の侵入に管理の手がまわらず、今は完全に「筍山」です。

今日、隣接している町有林に気の早い筍掘りの人が3名来ましたが、まだ3週間は早いでしょう。なにしろ1週間前は昼でも氷が張っていたのですから。この山の筍が出始めるのはソメイヨシノが咲くのとほぼ同時期です。もっとも、嗅覚の鋭いイノシシは土の中にある小さな筍を初冬から掘っていて、ニンゲンはイノシシが食べ飽きた頃、その「おこぼれ」を頂くことになるのですが。笑。

今夜は6歳と8歳の孫娘の「桃の節句」。

3月2日(水) 午後:福岡魁誠高校の花壇Aに「土の薬膳 891000(粉体)」「蒸製骨粉」「有機石灰」を入れ、中耕。
夕刻:畑の除草など。

スタンダード芽接ぎ挿し 発芽

左:2月13日に作業したスタンダード芽接ぎ挿しの1株で、新芽が接ぎ木テープを突き抜けてきた。
中:捻枝した部分より上の、初めから台木にあった新葉も勢いを失っていないので、水は揚っている。
右:この台木はノイバラ(ロサ・ムルティフローラ)の2年生枝。7号ロングスリット鉢と底面給水。
  受け皿の底に見えるのは流れ出た赤玉土の微塵で、白いのは珪酸塩白土。受け皿の水は澄んでいる。

切接ぎ 9週間後

3枚葉 X2、4枚葉 X1、5枚葉は3節展開。4節目の5枚葉も開きかけています。

5枚葉が5節になったら主茎をピンチ。同時に10号鉢に植え替え・・と思うのだけど自信がありません。昨年まではそのまま伸ばしてヒョロヒョロの苗になりました。

ポットを斜めに据えて主茎を垂直にするのは、boketan さんの 「新苗で秋に勝負 3月」 を参考にしました。これも初めての試みです。ただしboketan さんは「貼り芽接ぎ」で、これは「切接ぎ」ですから、猿真似する必要はないかも。なにより「水やり」が面倒。笑。

ちなみに5号鉢からいきなり10号スリット鉢に植え替えるというのも、boketan さんの 「新苗で秋に勝負 2月」 を参考にしています。

3月1日(火) 午前:福岡県立 福岡魁誠高等学校 の「卒業証書授与式」に、バーバラと共に参列。
午後:水やり、畑の除草など、午後6時半まで作業。草むらにナナホシテントウを何匹も見かける。

接ぎ木、挿し木、実生など、順調に(それなりに)生育中。雑草も元気良く成長中。 動き出した芽を見て、芽かきと修正剪定を継続中。
少しずつ畑が整理されて見通しが良くなるからか、『こんなに広かったのか』という新鮮な驚きが。

"Life can be wonderful, if ..."

古川校長先生から卒業生へのメッセージ

チャップリンの "Limelight" から;

“Yes, life can be wonderful, if you're not afraid of it. All it needs is courage, Imagination, …
(自分の貧しい生活に照れ笑いしながら) ...and a little dough."

涙と笑顔がいっぱいの卒業式。バーバラと私は、一緒にバラを育てた「課題研究」の生徒さんたちから「そらさん、バーバラさん、大好きです‥」と書かれたバラ色の寄せ書きをもらって、感激。

"Life can be wonderful, if ..." この歳になってやっと校長先生のお話がわかるような気がした。福岡魁誠高校に通い始めて3年が経ったが、でも私はまだ「卒業」はできない。イングリッシュローズ花壇はできあがっていないし、生徒さんに伝えるべきことが自分でもまだよくわかっていない。留年して(ここまでバラを育ててくれた卒業生のためにも)もう少し続けてみようと思う。

2月28日(日) 終日:畑でバラの手入れ。「水挿し」の水を交換。接ぎ木苗に液肥。ノイバラ苗床の除草。草切り。

今シーズン最初の接ぎ木(12月29日)から2ヶ月が経過。「成功率90%」も見えてきた?
最も生育が早いもの(手前・左)は5枚葉が5節になったので、主茎をピンチをする時期。
今日初めて薄い液肥を与えた。

3月1日訂正:「5枚葉が5節」というのは見間違いで、3枚葉と4枚葉があり、展開している5枚葉は3節でした。 『早過ぎるのでは?』と気にしていたので、ちょっと安心。

「新梢5枚葉5節ピンチ」はたぶん早いもので今月末、ピークは4月上〜中旬になるのだろう。

挿し木(上)もここまでは順調に推移している。水挿し(下)にカルスの生成は未だ見えない。

2月27日(土) 午前:福岡バラ会2月定例会。今回も示唆に富む内容だった。
栽培技術に関するお話の向こう側に見えてくる、栽培者としての「姿勢」に学ぶことが多い。
午後:今週は仕事(本業)も多忙だった。合間を縫って除草作業などもしたが、疲れが溜って「沈」。

2月26日(金) 午前:午後に(急遽)実施されることになった福岡魁誠高校の実習の準備。
今日も気温が低く、畑では溜った水が昼まで氷結したまま。
午後:福岡魁誠高校のイングリッシュローズ花壇で、この季節のバラの手入れの実習。

2月25日(木) 終日:北九州市内の某女子大学の新校舎の撮影。紅梅・白梅が満開。窓から見える皿倉山には積雪。

2月22日(月) 午前:GREENさんとバーバラさんの3人で、スタンダード芽接ぎ挿しの現地検討会。
午後:会議で同席した切り花栽培農家のY氏と懇談。
夕刻:台木用実生苗の発芽を確認。 日没まで花壇の除草作業。

「スタンダード芽接ぎ挿し」から11日後。接いだ芽は全部で 長尺台木18本 X 各2芽 の 計36芽ですが、残念ながらそのうち1芽だけ怪しいものがあります。それ以外はおおむね順調です。まもなく接ぎ木テープを突き抜けて発芽するか・・と思われる状況ですが、ここまでは接いだ芽の切片が持っている力(水分と養分)で動くので、発根するまでのこれから1ヶ月間が正念場です。

下左の写真は説明が必要です。枯れた葉は、昨年12月に新葉が展開したものの1月の寒波にやられて、芽接ぎ挿しをする前から枯れかけていたものです。枯れた葉の下から次の葉が出始めていた時期に母木から切り離して(枯れかけた葉を残したまま)芽接ぎ挿しをしました。

現時点では、新しい葉や芽に必要なだけの水が揚がっていないようで勢いがありません。芽接ぎ挿しをする前から台木に出ていた芽が水不足の症状を呈しているのは他にもあり、この写真の右上の新芽にそれが顕著に出ています。挿し木して僅か11日後ですからもちろん根は無いので、これはやむを得ないことなのかも。長尺ではないふつうの長さの挿し穂を葉を付けて挿し木する「緑枝挿し」でも、付けている葉が枯れ落ちることはままあることで、必ずしも「挿し木失敗」とは断定できません。このような状態の台木でも、接いだ芽の大半は(今のところ)だいじょうぶなようです。

このように長尺台木の先端部分まで充分な水が揚がっていない株は、芽接ぎした部分より上で切るべきか否か。微妙な状態にあるのは間違いなく、難しい局面ですが、3人で検討した結果、「とりあえず今のままで、しばらく様子を見る」ということになりました。

関連記事:
「実生台木を作る ー2 ゴンベエさんの種まき」

根長1cm程度(茶色部分/根端は切れている)や双葉に較べて、この胴の長さ!

モヤシみたいでなんとも可愛い(胴長美人になりそうな)あかちゃん。

2月20日(土) バラ畑で見る夢

バラの栽培で、私にはふたつの夢があります。

ひとつは、自分で交配した品種を作出すること。これは、師匠であるデービッド・サンダーソンさんから交配の話を聞いたとき「バラの交配 初めの一歩」、その楽しそうな、少年のような可愛らしい笑顔に、すっかり魅了されてしまったことがきっかけです。

もうひとつは、私はたぶんそう遠くない時期に鍬やスコップを握っての作業ができなくなる。そのときは手押し車に縋りながら畑を歩き、それに取り付けたカメラで、お気に入りのバラの写真を(軽いノリで)撮りたい。

『こんにちは。なんて可愛い素敵なお嬢さんだろう。ちょっと写真を撮らせてね』

これらの夢を実現するために、技術の習得や好きなバラの植栽、そして写真の背景になる環境の整備などなど、今やっておくべきことがたくさんある。・・と、去年の夏まではそんなふうに考えていました。

でも、体調の悪化と入院、それで「死」を身近なものとして知ったこと「そらの メメント・モリ」で、この考えが少し変わりました。夢は持ち続けますが、平凡な日々の生活の中に最も大切なことがあるのではないか、あるいは(人の生死や、こんな自分の存在も含めて)自然・宇宙そのものが、かけがえのない調和と美しさにあふれている、 "Life is beautiful." と思うようになりました。

「咲いただけバラ園」というのは私の畑のことで、それは誰かに見せるためのものではありません。
このページでは、芽吹きの季節のバラと自分の日々を日録ふうに綴っていく予定ですが、それが私なりの「バラに捧げるオマージュ」になったらいいなと思います。

そのために必要なのは唯ひとつ「自分が変わる」こと。

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