2011年7月29日金曜日

籾殻燻炭つくり

涼しい自宅の居間で優雅にバラの「芽接ぎ」をするために、地植えのノイバラを鉢上げしようと思うのですが、その培養土作りのために炎天下に丸1日をかけて籾殻燻炭(もみがらくんたん)作りをしました。ヒマというかアホというか。

籾殻燻炭は「ケイ酸」を供給する他に、高温で焼いた燻炭は物理的にも土壌を固めないので土壌微生物が活動しやすい環境を提供します。私は籾殻燻炭を使うのが好きで、年に数回は籾殻燻炭を焼くのですが、『懐かしい光景だ』と見に来る人もいるので、今回作業の経過を撮ってみました。

Blog ローズそらシド Last update : 03/19/2015 23:04:06

重要:押し付けがましい言い方で恐縮ですが、この記事を見て方法だけ単純に『真似』をしないでください。お勧めできる方法ではありません。

籾殻の量も多く、長時間の熱分解反応で発生する熱量は相当なものになります。もしこのような方法で作るなら、冷却のための水を充分に用意し、けっして現場から離れないでください。強風時は籾殻が風に飛ばされます。また、煙は喉を刺す、木酢液に似たいがらっぽい独特の臭いがしますので、人家の近くでは作業できません(してはいけません)。天候(風向き)の判断や消火の方法など、写真には写っていない周到な準備をして作業をしています。

籾殻燻炭つくり 燻炭器

6:53 AM 着火

平坦な2メートル四方以上の乾いた場所を使用します。私の畑は南側300Mほどの位置に人家があるので、燻炭を作るのは一日中安定して南風が吹くと予想される日に限ります。朝鮮半島を前線を伴う低気圧が通過する日が最適で、そのような日はまず強い南風が吹き夜には雨になるのでベストです。気象庁のサイトで「天気図」を確認して作業日を決めます。

廃品利用の手製燻炭器です。煙突は薪ストーブのものを流用。市販の燻炭器「ホンマ製作所」もあります。燻炭器をドラム缶の中に入れて焼く方法もあるかもしれません。その用意はしているのですが、まだ試していません。

まず、枯れ竹など燃えやすく高温になるものを使って燻炭器を数分間焼きます。前回の作業で付着したタール分などが燃えて炎が上がっています。燻炭器だけではなく、地面の温度が上がり土が乾けば、それだけ仕上がり時間が短縮されます。

頃合いを見計らって、燻炭器の周りに籾殻を被せます。「空気穴」は必要ありません。空気を遮断するように籾殻を被せます。焼けた燻炭器に籾殻が触れると白い煙が勢いよく出始めます。籾殻は一時に全部を投入するのではなく、数回に分けて足していきます。

7:22 AM

昔ながらの方法です。ただし昔は燻炭器は使わず少量のワラで開始し(賢い)、煙突は「土管」でしたね。そうやって作った燻炭を苗代に入れて、その上に種モミが蒔かれました。

燻炭は、酸素が必要な「燃焼」ではなく「熱分解反応」によって作られるのだそうです。なので「空気穴」は必要ありません。でも、私の場合つねに風上側から炭化していくので燃焼も多少は起きているのかも。

とても時間がかかりますが放置してはいけません。より高温で空気に触れる煙突周辺は「燃焼」が起きやすいからです。そのような場合は、マツバボウキで籾殻を被せて燃えないようにします。

現場から離れられないので、昼食も自宅から運んでもらいます。消火用の水を運ぶ際も誰か現場に残して『見張り』をお願いします。火事の心配もさることながら、風向きが変わって煙が近隣に迷惑をかけるのが心配で、いざという場合はすぐに消せるよう1000Lの水とエンジンポンプを準備するのも怠りません。

野焼き禁止」について

農作業といえども、枯れ草などを野焼きするのは法律か条例で禁止されていますよね? 「籾殻燻炭」を作る(焼く)のは例外として認められているのだそうですが(曖昧)、それはあくまで『近隣に迷惑をかけない』という条件付きですね。これは法律か条例とかという以前の「常識」でしょう。なので風向きが不安定な時間帯はハラハラものです。

5:01 PM

着火から10時間後。今回は入梅前に入手していた籾殻(約1000L)が梅雨の間に濡れてしまったので、いつもの倍以上の時間がかかりました。乾いた籾殻ならこの状態まで3〜4時間程度です。通常は2000Lを8〜10時間程度で完成させます。

冷たいもの持参で『陣中見舞い』のお客が2組あったので退屈はしませんでしたが、緑陰を作るバラのパーゴラの必要性を痛感しました。

籾殻の山全体の湿度が飛び、温度が上がってきたので、ここからはこれまでより急速に炭化が進みます。

炭化は煙突周辺と、写真のように地際から進みます。炭化した部分は空気に触れて燃え始めたり、炎は上がらなくても灰になってしまうので、放置できません。

6:02 PM

全体が黒くなりましたがまだ不完全で、焼けムラをなくすためにスコップを使って天地返しの要領で撹拌します。高温と煙に巻かれる作業ですが、でもこんなことが楽しいのです。

近所の専業農家のおじいさんは『もうこの程度でよかばい。はよ消しない』と急かせます。もしかしたら、栽培的には半焼けが混じっている方が良いのかも?しれませんが、私は半焼け燻炭は嫌いなので全部が青黒くなるまで止めません。生焼け混じりの燻炭は300℃程度の低温で作られていることが多く、燻炭の特長に欠けるからです。高温できれいに焼けた籾殻燻炭は、温度が下がると 青みを帯びたメタリックな黒色 になります。それは「備長炭」を割ったときの切り口の色に似て、とてもきれいです。

そうなるまで夢中で作業しますが、作業しながらふと頭をよぎるのは『この煙には発がん性物質が含まれているのではないか?』という不安です。以前、どこかのサイトで木酢液を作る工程でそのような問題があるということを読んだ曖昧な記憶があるからです。まったく不確かな記憶ですが、『そうかもしれない』と思わせる(たぶん "タール" による)そんな臭いがする煙です。風上側に立って、息を止めて作業します。それでも鼻の穴は真っ黒(あほ/笑)。

6:41 PM

前の2枚の写真と見比べると、煙の色が青白色から徐々に薄くなっているのがわかるでしょうか? 煙が透明に近い白色になったらようやく終了です。

が、ここからが難しい慌ただしい作業になります。熱分解反応で高温になった籾殻が空気に触れると燃焼が始まる(炎は出ないが白い灰になってしまう)ので、急いで温度を下げなければなりません。私は撹拌しながら大量(300L)の水をかけるのですが、市販の籾殻燻炭のあのパリッとした仕上がりは、たぶん別の冷却方法なんでしょうね。

例えば「竹炭」を作るときは、やはり煙が透明に近い白色になったら窯に入る空気を完全に遮断して、そのまま数日間放置して自然に冷却するのを待ちます。籾殻燻炭もそのような方法が可能ならベストなんでしょうけど。

翌朝は白い灰 ありがちな失敗

重要:籾殻燻炭作りでありがちな失敗は、温度が下がっていないのに気づかず放置して、翌朝には白い灰になっているという事例です。冒頭にも書きましたが、熱分解反応で発生する熱量はたぶん未経験の人の想像をはるかに超えていると思います。ちなみに、上の状態で暗くなったとしたら、内部全体が真っ赤に焼けた火の山です。熱分解反応による籾殻の温度は700℃を超えるという資料を読んだことがあります。籾殻の量にもよるでしょうが、『ジョウロで水をかける』などではとても対応できるものではなく、私はエンジンポンプを使い、拡げた燻炭の上から丁寧にシャワーをかけます。私の方法では水は最少でも300Lが必要です。温度の低下を確認したら、一晩そのまま放置します。袋に詰めると発火する危険性があるからです。

大量に焼く場合はたいてい畝に鋤き込むので、その場合は熱いまま一輪車で運び土の上に拡げてすぐにトラクタで耕転します。これは水をかけるより簡単で、確実に温度が下がり安心できる方法です。

保存する場合は、夕方に作業が終了したら深夜にもう一度温度を確認しに行きます。夕方から雨になればこの手間が省けて嬉しいのですが。2000Lの籾殻を使った場合は300Lの水では完全には消えていないことがありました。じつに恐るべき熱量です。その熱は燻炭を焼いた地面にも伝わるので地中のタネや根も燻炭になるのか、数ヶ月から半年程度は草も生えません。

2014年追記:最近は良質な籾殻燻炭の価格が手頃になってきたので(50Lで900円程度/この写真の量で2万円ほど)自作するよりも購入することが多くなりました。 煙による近所迷惑や万が一の火事の心配を考えれば、ムリをすることではないですね。

・・そうなんですが、籾殻燻炭の土壌改良効果は大きく、私はそれを多用します。大量の場合は数万円もしますから、やはり自作を考え・・。数万円なら欲しいバラ苗が何株も買えますしね(笑)。

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントの投稿はどなたでも可能です。「コメントの記入者:」で「名前/URL」を選んでください。名前はニックネームでもOKです。URLやメールアドレスは不要(未記入でもOK)ですが、差し支えなければURLもお願いします。

コメントの投稿方法は、2015年7月の記事「コメントが消える?」を参照してください。