このブログについて


バラの栽培についての考え方や方法は多様です。その多様性こそが、バラが文化として豊かであることの証左なのでしょう。
"答え"は一つではないとすれば、バラ栽培の楽しさは、"自分のバラの世界を見つけ出す" その過程にあると思っています。

このブログは試行錯誤中のバラ栽培の記録です。一部の記事はバラ仲間に私の方法を紹介するために書いたものもありますが、
「栽培ガイド」の類ではありません。バラ栽培を始めた頃に書いた記事の内容は現在の栽培方法とは異なるものも多く、
技術的にも拙く、論理も雑駁で、誤謬も多々含まれていると思われます。批評的に読んでくださるようお願いします。

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内容は「ばらの育種オンライン勉強会」 案内ページ をご覧ください。



2012年6月1日金曜日

デービッド丸 2型

2月4日のデービッドさんの講習会で紹介されたバラの病害虫予防のための「デービッド丸1型」(通称)は「重曹」を主成分とする処方で、粕屋町バラサークルのメンバーの多くが使用していて、好評です。かのやバラ園で開催されているデービッドさんのガーデニングセミナーで、尿素を入れた処方「デービッド丸2型」を作る実習がありました。

デービッド丸に使う農薬 ニームオイル

デービッド丸 2型

  • 水 1000cc
  • 重曹 10グラム
  • マシン油乳剤 5〜10cc(200〜100倍)
  • 尿素 5〜10グラム(200〜100倍)
  • ニームオイル 2cc ※使用量は製品(アザディラクチンの含有量)によって多少異なる

「デービッド丸」 や 「2型」などという名称は粕屋町バラサークル内の通称で、デービッドさんご自身はそういう名称は使用していません。
処方を公開することはデービッドさんのご了解を頂いていますが、ご使用にあたっては「自己責任」でお願いします。

注意点

  • この2型処方は何らかの理由で葉が痛んでいるときに使用します。使用するのは原則として6月以降、芽吹きの時期(4月)には使用しません。
  • 噴霧は日中を避け、作った日に使いきること。
  • 2リットルのペットボトルで1L作ると撹拌が容易ですが、その場合はペットボトルのラベルを外し注意を喚起する表示をしておくのが重要だとのこと。万が一、子どもが「カルピス」と間違えると大変です。デービッドさんが子どもの頃、コーラの空き瓶で何かの液を作ったら、そうとは知らないお父さんが誤飲してぶん殴られたと笑ってありました。

デービッド丸の効果

私のバラは過去3年間植えっぱなしの放任(無肥料・無農薬)だったので、黒点病とチュウレンジバチの被害で無惨な状態でした。今年はデービッド丸を使っているので被害はほとんどありません。

黒点病は、たぶん噴霧し忘れたのだろうと思われるごく一部(約200株のうち数枝、葉数で10~20枚くらい)に発生が見られる程度です。噴霧後には被害は拡大していません。

ウドンコ病は私のバラ園では発生していません。苗床の一部で出ましたので噴霧しましたが、効果はよくわかりません。被害の拡大はありませんが、白っぽくなった被害葉の色は回復していません。ウドンコ病の"治療効果"は無い?ように思えますが、菌は死んでいるのだろうと楽観的に思っています。

6月1日追記:台木用のノイバラの挿し木苗床に発生したウドンコ病は、楽観的な期待とは逆に残念ながら被害が拡大しています。あまりにも枝葉が茂りすぎて、噴霧が不充分だったのかもしれません。

6月4日追記:1日の夕刻、すっかり暗くなった畑で、ウドンコ病が出た挿し木苗床に「デービッド丸 そら型」(尿素の代わりに葉面散布型液肥を入れたもの)を散布しました。今日4日朝、状況を見に行くと『おっ!?』と思う程、被害が少なくなっていました。被害が拡大するのは止まりましたし、ウドンコ病の"治療効果"もあるのかもしれません。

チュウレンジハバチの幼虫は僅かに発生しましたが、デービッド丸を噴霧するとのたうち回り、翌朝には姿が消えていますので駆除効果もあるようです。これは「マシン油乳剤」の効果なんでしょうね。

アブラムシは新芽にくり返し発生しましたが、これも噴霧翌日には姿が消えています。どちらも少量ながら繰り返し発生しますので、この2種類への予防効果はさほど強くない(継続しない)ように思えます。

近所の、デービッド丸を使用していないバラサークルのメンバーのお庭も拝見しましたが、そこでは黒点病とチュウレンジハバチの被害が出ていて、あらためてデービッド丸の効果を実感しました。
今日はサークルのメンバーが畑に遊びに来られましたが、バラの葉の色つやの良さをほめてもらいました。肥料(EMボカシ・鈴木ボカシの鶏糞のカス・パワフルアミノ)の効果はもちろんあるでしょうが、デービッド丸も効いているのだと思います。

デービッド丸を使った場合の 薬害(葉焼け)

サークルのメンバー2名から相談がありました。でも、よく話を聞いてみるとその原因は希釈率の間違いと撹拌不足だったようです。特に「マシン油乳剤」が濃すぎると葉の周辺が焼けるようです。
私も失敗しました。それは柿の害虫退治のために何年も前に開封した古~いマシン油乳剤を使ったのが原因(古くて"乳剤"ではない状態になっていたから)です。容量5Lの電池式噴霧器を使ったのですが、分離して浮いていたマシン油に気づかず、タンクが空になる直前にそれが集中的に噴霧されてしまったのです。

葉面散布液肥と液体せっけん

デービッド丸2型は「尿素」を使います。これも濃いのはちょっと恐いですね。「4月には使うな」というのは、マシン油乳剤の影響と併せて、そういうことだと思います。でも、5月19日に2型を4L噴霧しましたが、新芽にも肥料焼けなどは起きませんでした。今回の視察会で私はスワ肥料店から「神協液肥N4号」という海藻エキス(多糖類・アミノ酸・ミネラル・ビタミンなど)入り葉面散布液肥を購入しました。「尿素」の代わりにこれを使おうと思います。

マシン油乳剤」は農薬ですから、これに代わって「液体せっけん」の使用を考えています。芽接ぎ勉強会の場でデモをした「重曹クリーナー」でもこれを使いましたよね。さて、マシン油乳剤の代わりに液体せっけんが使えるでしょうか。

追記:デービッド丸 3型処方があります。マシン油乳剤に代わって、有機JAS適合の「エコピタ液剤」を使用します。液体せっけんの必要性はなくなりました。デービッド丸を試用される場合は、この3型をお勧めします。

3 件のコメント:

そら みたか さんのコメント...

かのやバラ園での「デービッドさんのガーデニング講座」第2回で、「マシン油乳剤」に替えて「エコピタ」(還元澱粉糖化物液剤/有機JAS適合資材)を使用する処方(デービッド丸 3型)が紹介されました。

私は「液体せっけん」のテストを始めたばかりですが、今後は「エコピタ」を使用したいと思います。JAの取り扱いなのでさっそく注文しました。

3型の効果などについては、後日記事を投稿します。

匿名 さんのコメント...

マシン油は薬害があるため、バラには冬しか使いませんが、特に問題ないですか。
みかん畑は年中使っているようです。
たぶん、みかんの葉は光沢があるので、薬に強いのかもしれません。
ただし、純度の高い方が薬害が出にくいそうです。
熊本県の農業試験所では、茶葉には97%以上の高度精製マシン油を推奨しています。

エコピタですが、マシン油に比べてかなり高価ではなかったですか。

そら みたか さんのコメント...

匿名さん

「マシン油」に関してコメントを頂きながら見逃してしまい、1年半も過ぎてからの返信になります。ほんとうに失礼しました。お許しください。

「マシン油乳剤」はご指摘のような問題や高濃度での誤使用など、デービッドさんが予期しない問題が出ることもあって、「エコピタ液剤」を使う3型になりました。ご指摘ありがとうございました。

エコピタはマシン油に比べると高価ですね。エコピタを舐めてみると「水飴」のようなので、それで代用できないか調べてみたら、水飴の方が高価でした(笑)。

「重曹」が安価なので、結果的には市販の農薬よりも安上がりなのかなと思っています。マシン油乳剤のように散布時期などに気を使う必要も無く、安心して使えるのもいいですね。 ありがとうございました。