バラの栽培品種の挿し木を、秋に挿し木する「秋挿し」の例で紹介します。バラは厳寒期や梅雨時だけでなく、秋にも挿し木が可能です。接ぎ木バラに遜色がない生育を示す品種が幾つもあり、簡単な作業で高品質な "Own Root Roses"(挿し木バラ)栽培が楽しめます。今回は「どこでもグリーン」という植栽器を使用した挿し木です。
バラの挿し木について
私が最初に購入したバラ栽培のガイドブックには、『バラの挿し木はやってできないことはないが・・物好きならやってみるのもいいでしょう』という意味のことが書いてありました。たぶん筆者はHT品種を意識していたのだろうと思います。たしかにHTの挿し木苗の生育は接ぎ木に較べると見劣りすることが多いようです。
しかし挿し木苗の樹勢の中庸さは場合によっては良いことでもあって、例えば樹高が2メートルにもなる直立性の「クイーン・エリザベス」は、挿し木で育てると程よい高さ(近寄って鑑賞するのに適した目の高さ)で花を咲かせます。
『バラの挿し木なんて簡単。剪定クズを庭の隅にちょっと挿しておけばいい』という話もよく耳にします。これもまた事実ですね。品種と挿し木の時期を選べば、バラの挿し木は難しいことではありません。
(でもそう言う人に限って発芽した挿し木苗のその後に興味を失い、大きく育った株は皆無というのも事実です)
市販されているバラ苗の大部分は接ぎ木苗ですよね。これはなぜでしょう、挿し木苗は商品価値が低いからですか? もしそうだとしたら、その理由は「育ちが遅い、花が少なく小さい、耐病性が弱い」などが理由でしょうか。
でも、「育ちが早い、花が多くて大きい、耐病性が強い」というバラを必要とする切り花栽培農家は、すべてが接ぎ木苗ではありません。品種によっては挿し木苗も使います。
私は樹勢が強く豪華な花を咲かせるHT系よりも、風にそよぐオールドローズやイングリッシュローズが好きなのですが、それらの多くは挿し木でも増やすことができます。品種によっては接ぎ木と較べても遜色がありません。
接ぎ木と挿し木、樹勢の比較だけではなく、それぞれが持つ雰囲気も含めて、私にあった栽培方法の模索は続きます。
Own Root Roses(挿し木バラ)栽培をエンジョイする
この写真は 2014年5月22日に撮影したものです。
左から 秋の挿し木苗(7ヶ月)、デービッド接ぎ(3ヶ月)、そして右は購入新苗(芽接ぎ/たぶん7ヶ月)です。
以前にも紹介したことのあるPaul Zimmermanさん(Paul Zimmerman Roses)のYouTubeビデオ(英語);
"The Difference Between Own Root and Grafted Roses"
このビデオでは、自根(own root/挿し木)苗と接ぎ木(grafted/欧米ではT芽接ぎが一般的)苗の違いの説明した後に、自根バラの利点を述べています。HTや切り花品種,展示会に出すバラを除く、ガーデンローズ(シュラブやクライマーやランブラーなど)には自根バラを薦めています。その理由は、自根だから次々に新しい cane (茎/シュート)が出てみごとなブッシュを作ることと、寒さに強いことなどを挙げています。
誤訳混じりの超意訳;
『接ぎ木の方が初期生育が早い』というが必ずしもそうではないんだよ。なぜなら、接ぎ木苗は購入する時点で既に2歳半なんだ。台木の育成に半年、接ぎ木後の育成に2年。それを2歳半の挿し木株と較べたら、どちらが初期生育が早いか一目瞭然だろ。
「我田引水」というか、なぜか笑ってしまうほど強引な比較ですが、妙に納得するところがあります。
ちなみに日本では台木の育成に1年、接ぎ木後に1年で、計2年です。大苗の出荷時は満2歳ですね。
上の3株をポールさんのような言い方をすれば;
左の挿し木苗は7ヶ月、中央のデービッド接ぎは11ヶ月、そして右の購入新苗は推定1年4ヶ月になります。
この7ヶ月の挿し木苗が右の芽接ぎ苗と同じ満1年4ヶ月になる9ヶ月後は、芽接ぎ苗の現状よりかなり大きくなっていることでしょうね(品種が異なりますから単純な比較はできませんが、ポールさん並の強引な比較です/笑)。
"Your Own Root Roses' First Season" というタイトルのビデオでは、"less" をキーワードに自根バラ1年目の育て方を説明して、
挿し木バラの栽培で最も重要なことは patience(我慢・根気)
と言っています。例えば、早く大きくしたい欲求にかられて肥料をどんどんやりたくなるのを『我慢』するとか。
私のこのでかい手のひらも赤ん坊のときは小さかった。赤ん坊のバラが育っていく、その過程を見守ることをエンジョイしてください。
10月30日 秋挿し
そうですね。では -Own Root Roses- 挿し木バラの栽培をエンジョイしましょう。まずは挿し木作業です。
1)「どこでもグリーン」の準備
2013年の挿し木は、前年までの露地(畝挿し)とは異なり、「どこでもグリーン」(以下 "DG" と略)という植栽器と「バッグフィルター」(同 "BF" )の組み合わせで挿し木をしました。この濃緑色の容器がDGです。(これは新品ではなく外側が汚れています)
「どこでもグリーン」については製造元の(株)福瑛舎のページをご覧ください。同じようなことを「バラの挿し木 台木用ノイバラの緑枝挿し」でも説明していますから、併せて参照してください。
まずDGを水平な場所に置き、その底に防水シートを敷きます。その上に「日向ボラ土」を乗せます。私は「中粒」を使いました。厚さは3〜4cmほどです。この段階でDGに水を張り、ボラ土の表面が水平になっているか確認します。底の防水シートの側面への立ち上がり具合や、入れたボラ土の量で水平を微調整します。
このときはDGをパレットの上に直置きしましたが、今年14年はパレットとDGの間に発泡スチロールの厚い板を置いて断熱性を高めています。秋挿しの栽培期間は冬なので、この期間に発根させることが最も重要ですから、屋外で栽培する私の場合は挿し木用土の温度が気になります。
2)「バッグフィルター」と挿し木用土
下の写真は挿し木作業のようすです。左に調整済の挿し穂があります。長さが約20cmで、基部は「片クサビ型」です。「片クサビ型」というのは斜め切りの先端を逆側から軽く切り戻した形です。
挿し木の重要なポイントは、接ぎ木と同様に「穂木の充実度」でしょう。栽培品種の秋挿しの場合、私は3番花が咲いた枝を穂木として使うことが多いのですが、今回は4番花の「開花枝」も挿してみました。
中央は挿し木用土で、赤玉土を主体にバーミキュライトと細粒のパーライトが混ぜてあります。挿し木用土は保水性もさることながら、気層の確保が重要です。市販の挿し木用土は保水性を上げるためにピートモスを混ぜてあるものが多いようですが、「バッファ層」を備えたDGにはピートモスは不要です。「緑枝挿し」のような長期間の栽培では、ピートモスは分解されて最終的に泥状になりBFに絡み付いて空気の流れを妨げるので、BFには向かないと思います。
手順
- あらかじめ湿らせておいた用土をBFの上部まで(紐を通す穴の高さまで)しっかり詰め込みます。これには約1.2リットル入りますから、挿し穂の数がわかっていれば必要な用土量が計算できますね。
- 棒を使って、用土の中央に直径1cm、深さ5〜7cmほどの挿し穴を作ります。挿す深さは挿し穂の長さの1/2以下にします。BFは20cmほどの高さがあるので、発根した状態を考えれば、挿す深さは7cm程度が適当でしょうか。
- 挿し穂をそっと差し込んだら、挿し穂の先端に土になじませるつもりで土をギュッと押し込みます。
- 附属の紐を通して、挿し穂の首を絞めるように、きつめに結びます。BFに用土を充分入れてあるので、実際には紐が首を締めることはありません。下右の写真を拡大すれば、それがわかります。
TIP:あらかじめDGに用土をしっかり詰めておけば、この紐を結ぶときに全体が締まります。これで挿し穂の基部に空隙ができたり、あるいは挿し穂がぐらつく心配がなくなります。
品種名を書いたラベルを付け仮置きしておきます。写真では見えづらいですが箱の中には水が入れてあり、この段階でしっかり吸水させます。
並べ終えてから、『周辺部は乾きすぎるのではないか?防寒のビニールをかけたときに邪魔になるのではないか?』と思ってやり直しました。
でもこれは結果的に不正解でした。下の写真のように並べられたBFで生育が良かったものは、周辺部と中央部のどちらだと思いますか?
答えは「周辺部」です。この結果から、挿し穂の成長にはより多くの酸素が必要なんだと再認識しました。DGにスペースの余裕があるなら、写真上右のように中央部に空きを作り、そこにボラの中粒を入れて空気が出入りしやすくするほうが好結果になります。これは他の事例でも同様でした。
並べ終えたBFの隙間にボラ土を詰めていきますが、濡れたボラどうしがくっついて、けっこう手間のかかる作業です。乾燥した小粒あるいは細粒のボラを流し込むのがいいかもしれません。
たっぷりと潅水するとDGの側面から水が滲み出てきます。それを確認したら挿し木作業は終了です。
この後、下の写真にあるように、DGに備わっているリングを利用してドームを作ります。210cmのポール4本と園芸用の不織布を使いました。目的は「風よけ」です。秋挿しといっても葉がついているので挿し穂は盛んに蒸散しています。風があたるとそれが過度になるのを防ぐためです。不織布は薄くてスカスカですが、それでもけっこう効果があります。これで温度の過上昇もある程度防げますし。
11月7日 水は上がっているか 挿し木1週間後
挿し木初期の失敗は水が上がらず枯れることです。挿し木後1週間ではその兆候は見えません。まず一安心です。
潅水は、挿し木後1〜2週間はほぼ毎日、その後はボラの乾き具合を見て行いました。初期の潅水は多めに、温度は高くならないようにを心がけています。
11月19日 「プチプチ」で冬対策
11月中旬には寒くなってきたので、カバーを寒冷紗から梱包用の「プチプチ」に変更しました。DGの胴の部分は2重に巻いています。上部の白いものは「換気用」のプラ鉢です。
ドームの内部には温度計が入れてあり、内部の気温が24℃を超えると「プチプチ」を開口します。プロの大型ハウスではコンピュータを使った自動制御ですが、私のは手動です(笑)。この私の手動装置は極めていい加減なものなので、放置による気温の過上昇を避けるために「換気用」のプラ鉢が必要なんです。これはいちおう「自動」ですね。効果の程はよくわかりませんが。
このような状態で冬を過ごしました。12月になっても挿し穂は休眠していないようです。この頃から挿し穂の一部に枯れるものが出始めました。
台木用ノイバラの秋挿しの場合、挿し穂は1ヶ月を経過した頃から発根し始めるようです。栽培品種はノイバラよりもおとなしいので、発根の時期はやや遅いと思われます。厳寒期でもあるしこの期間は肥料をやりませんでした。寒さのピークが過ぎた2月中旬頃から3月中にかけて、標準よりも倍に薄めた液肥を潅水代わりに2〜3回やりました。
2014年12月追記:
栽培品種の秋挿しの場合、挿してから6週間(発根時期の目安)が過ぎたら薄い液肥をやり始めていいと思います。このような環境下での挿し穂は、厳寒期でも休眠していないと思われます。
3月21日 サクラ咲く
庭のサクラがほころび始める頃には、挿し穂は急速に成長していきます。左の写真に見える「葉」は挿し穂に元から付いていたものではなく、春になって展開した「新葉」です。
よく見ると既に蕾がついています。秋の挿し木は2月から3月に蕾をつけることが多いようですが、これはもちろん摘蕾します。
4月6日 散りゆくサクラの下で 鉢上げ
栽培品種の秋挿しでは鉢上げの適期がいつ頃なのかよくわかりませんが、やってみることにしました。
作業途中の写真で、手前側はすでに鉢上げを終えた空きスペースです。ボラの上にBFの中身(挿し木用土)を出しています。これは畑に撒いて野菜の栽培などに再利用します。
DGの両サイド側にある挿し穂が見えないBFは、失敗して枯れてしまった穂木を取り除いています。この時点で枯れてしまったものは、記録を残している品種計50本のうち半数の24本でした。
失敗した数の多さに驚かれるかもしれませんが、これらの50本はいずれも挿し木は難しいという品種だったり、またはそのような状態の穂木でしたから、私としては20本以上も残ったと納得しています。
この秋挿しではそれらの他に、既にテスト済の品種を20本ほど挿しています。D.オースチンとデルバールですが、その失敗数(この時点までに枯れた数)は僅かに1本だけでした。
挿し木した10月30日から今日4月6日までの約5ヶ月間に、栽培品種では根がどの程度伸びたのか、最も気になるところです。 「 台木用ノイバラの緑枝挿し」の事例とは異なり、こちらは根の動きがおとなしいようで、BFから大きくはみ出した根はありません。
根の伸び具合からみれば「鉢上げが遅れた」ということはありませんが、株の生育を考慮すれば蕾ができる前の2月下旬頃に鉢上げしたほうが良かったのかも。
根鉢を崩さないように注意して、生育の良いものは5号ロングスリット鉢に鉢上げしました。計35鉢あります。
右奥のコンテナには、枯れてはいないけど動きが鈍いという株が10鉢ほど入っています。その多くはその後も成長が芳しくなく廃棄しました。
したがって最終的には、2013 年の栽培品種の秋挿しは約50%の成功率となりました。
4月14日 鉢上げ1週間後
根鉢を崩していないし、季節も良いので順調に育っています。
緑枝挿しと較べたら
左の2株は、同一品種の4月14日現在の「挿し木時期による比較」です。
左:「緑枝挿し」(約10ヶ月)
右:「秋挿し」(4ヶ月半)
至極当然の結果で、あたりまえすぎて特に書くことは無し。
それでもあえて書くとすれば、『品種を選べば、バラの挿し木は秋でも可能なんですよ』ということぐらいでしょうか。
他のシーズンと較べて秋挿しのメリットは何なのか、これは難問です(笑)。
5月22日 挿し木後 約7ヶ月
5月になって、苗はさらに成長しました。既にピンチや摘蕾も終えています
ただし、この株は挿し木苗全体の中から生育の良いものを選んで撮っています。前述のようにすべての挿し木苗がこのように育ったわけではありません。大雑把に言えば、冒頭のポールさんが言うように「ガーデンローズ」は良好に育つことが多いようです。
現在これらの秋挿しは畑の養生畝で育てていますが、その成長の程度は様々です。幾つかの品種は接ぎ木苗とまったく遜色無いし、幾つかはおちびさんのままで花だけ豪華に咲かせたりして、バーバラさんを驚かせています。
再度 Paul Zimmermanさん;
私のこのでかい手のひらも赤ん坊のときは小さかった。赤ん坊のバラが育っていく、その過程を見守ることをエンジョイしてください。
19 件のコメント:
初めてコメント書かせていただきます。昨年梅雨頃よりバラの挿し木に凝っています。スリット鉢で育てています。最近こちらのブログを発見、今後参考にさせていただこうと思っています。昨日、今日とても寒くて、スリット鉢の中に霜柱が立っていました。このまましていて挿し木は大丈夫でしょうか?お答えいただけるとうれしいです。私は大阪府堺市南区に住んでいます。ペンネームはローゼスペコです。よろしくお願いします。
ローゼスペコさん
コメントありがとうございます。嬉しいです。今後ともよろしくお願いします。
12月18日の記事:「3ヶ月で作るノイバラ台木 秋の挿し木」の後半に書いている「肥効テスト」の6鉢にも、今朝は1cmほどの霜柱が立っていました。
どうするかというと、私の場合は「ほっとけ」です(笑)。何もしません。バラは寒さには強いと思っています。
でもほんとうは、大切な鉢は既に温室(無加温)の中で、ちょっと大事な鉢は(気温に関係なく)水苔やバークでマルチングしています。地植えもバーク堆肥や稲藁でマルチングです。マルチングの効果は大きく、そこでは霜柱を見たことはありません。
別の角度から見れば、霜柱が立った肥効テストの6鉢は鉢上げ直後で、しかも肥効テストなのでその培養土には腐食が含まれず、したがって土壌微生物も極端に少ないと思われます。そのような、まだ団粒化していない土にだけ霜柱が立っていました。土壌微生物がいっぱいの土は暖かいのだろうと思います。
ローゼスペコさんの鉢土はどんな状態ですか?
誤解を与える拙い表現があったので補足します。
12月19日 そら みたか wrote;
>大切な鉢は既に温室(無加温)の中で
この「大切な鉢」というのは、夏の多雨と過剰な潅水で根腐れ気味になった鉢のことです。体力が無く、この冬の寒さに耐えられないかも?と危惧される状態なので、そのような鉢を「緊急避難」として温室に入れました。「大切な」という意味は、これは地元の高校生が実習で栽培している鉢なので、枯れさせるわけにはいかないからです。
ご質問に対する模範解答は、「鉢を日当りの良い暖かい場所に移動する」「二重鉢にしてビニールで囲う」などでしょうが、健康なバラならそれらは不要だと私は思います。『ほっとけ』というのが私の(真面目な)回答です。Paul Zimmermanさん流に言えば、『暖かくして守ってやりたいという気持ちを、じっと 我慢 する』です。
バラは低温には強いです。裸苗を屋外のバケツに数日間入れっぱなしで、その水が毎朝凍結しても、それで根が死ぬようなことはありません。これは私だけでなく、ベテランのバラ栽培者もそう言ってあります。霜柱の悪戯を心配されるお気持ちはわかりますが、ご心配にはおよばないと私は思います。
ただし、冷たく乾燥した風に長期間さらされるのは苦手で、これはできれば避ける配慮をするのがいいでしょうね。Paulさんも "Your Own Root Roses' First Season"の中で、この冷たく乾燥した風には注意するよう力説しています。私のバラは北西の季節風が吹き抜ける環境の中に植えていますが、『ほっとけ』栽培なので何もせず、それゆえか寒害(太い茎に黒いシミ)が少し出る品種があります。深刻な問題ではありませんが。
すみません、誤字の訂正です。
そら みたか 12月19日 wrote;
誤:>その培養土には腐食が含まれず、
正: "腐植" ですね。ごめんなさい。
そらみたか様
さっそくの返信ありがとうございます。その後、体調が悪くなり、結局、バラの挿し木はほったらかしになってしまいました。今のところ、挿し木は元気にしています。ご意見を参考にさせていただいて、今後は寒さ対策として、芝の刈ったものを鉢の上に敷こうと思っています。藁の代わりになりますでしょうか? ちなみに挿し木は晩秋に挿したもので、新しい土(赤玉土6、鹿沼土1、パーライト2、ピートモス1)なので、それほど土壌微生物がいるとは思えません。
新たに質問があります。もうすぐつるバラの剪定をしますが、その時に得られる長い枝でスタンダード仕立ての挿し木をすることは可能でしょうか?そらみたか様がノイバラの台木でスタンダード仕立ての挿し木を作っておられるのを拝見して、思いつきました。剪定するつるバラは羽衣、グランモゴールです。
昨日、こちらのコメント欄に記入し、送信しましたが、うまく反映されていないようです。何か注意点があれば教えて下さい。
どうぞ今後ともよろしくお願いします。
ローゼスペコ さん
福岡も今日は穏やかな日和です。午前中はツルバラの剪定をしましたが、上着を脱ぐような暖かさでした。この冬、北国は雪が多いようですが、そのような地域にお住まいのみなさんは、バラの冬対策はどのようにされているのでしょうね。
さて、コメントを読んでびっくりしました。
ローゼスペコ 12月23日 wrote;
>ちなみに挿し木は晩秋に挿したもので、
バラの「秋挿し」をする人は少ないので、ローゼスペコさんの場合も「緑枝挿し」で既に鉢上げも済んでいるものと思い込んでいました。晩秋に挿したとなると対応策は違ったものになります。私の環境ではノイバラは4〜5週間、栽培品種なら5〜6週間で発根するようですが、ローゼスペコさんは挿して何週目ですか?たぶん発根前後の状態なんでしょうね。
なるほど、それならば霜柱の悪戯を心配されるのもよくわかります。もし短めの挿し穂をそれなりの深さで挿したのなら、挿し穂の基部も動かされるかもしれません。
その場合は霜柱が立たないように何らかの対策をした方が良い(しなければいけない)と思います。「土壌微生物」云々は鉢上げ後の話です。ごめんなさい。
>芝の刈ったものを鉢の上に敷こうと思っています。藁の代わりになりますでしょうか?
良いお考えと思います。少し厚めに敷けば効果があるでしょう。発根前後の挿し穂はまだ「赤ちゃん」ですから、これはある程度は寒さから守ってやる必要があります。厳冬期に挿す「休眠枝挿し」では、寒風除けと保湿効果を狙って、針金などで枠を作り換気用の穴を開けた大きなビニール袋をルーズに被せる方法もありますね。
ツルバラを挿して作るスタンダード台木
バラの接ぎ木用の台木は、スタンダードか否かを問わず「ノイバラ」に限定されるわけではありません。幾つかの条件を満たせばなんでも台木になり得るそうです。
1)接ぎたい栽培品種よりも旺盛に生育する
2)栽培品種との相性が良い(親和性がある)
3)耐病性がある(特に "根頭癌腫病" に対して)
4)寿命が永い
スタンダード台木を作る場合は、これに付け加えて:
5)シュートの伸びがよく、太くて長い枝ができる
6)トゲが少ない
ツルバラの長尺枝を台木にするのはおもしろアイディアですし、可能性は十分にあると思います。親和性と耐病性については、私たちアマチュアは実際に試してみるしか知る方法がありませんね。
ツルバラの挿し木は比較的容易ですし、長尺枝の挿し木も難しいものではありません。私の方法は11月13日の記事:「バラの挿し木 台木用ノイバラの秋挿し」の「スタンダード台木用ノイバラの秋挿し」に書いていますので、もしご参考になれば。
背丈を超える大型のスタンダード仕立てはすばらしいですが、胸元で花が咲くような小型のスタンダードも独特のかわいらしさがあります。台木にする枝の長短はあまり気にせず、いっぱい挿してお試しください。
>コメント欄に記入し、送信しましたが、うまく反映されていない
たぶん Google Blogger 側の一時的なことでしょう。再現するようならお知らせください。
それから、私のことは "そら さん" と呼んでもらえれば嬉しいです。ローゼスペコさんのことは(検索して)幾つかのブログのコメントを拝見しました。熱心に取り組まれているようですね。どうぞよろしくお願いします。
さっそくのご丁寧な返信ありがとうございます。今までは冬挿しと梅雨時に挿していたのですが・・・今回はご近所のバラ友達の方が、そのバラ(品種はわからないです。複色で(覆輪というのでしょうか)、芳香です。)が老木で、半分枯れている、いずれ抜いて処分するということで、枝をたくさん頂いてきて挿しました。そちらが今日で6週です。あと、別のご近所のバラ友達が花(ニューミラクル)が咲いたというので、頂いて、それを挿しました。それが4週です。
最近は鉢上げはしてないです。鉢上げの段階でずいぶんと枯らしてしまうので、最初から、3号か4号のスリット鉢に挿しています。スリット鉢の下から根がはみ出てきたら、水の張った容器から出しますが、それまではその容器に入れたままです。その容器というのは宅急便などで送られてきた発泡スチロールです。上記の2種は今もその状態です。
それ以外に9月中旬に挿した3号、4号鉢のバラは千葉の旧友から頂いた枝を挿したものですが、もう水の張った容器から出てはいますが、芽が出たばかりって感じで、まだまだひ弱そうです。
つるバラの台木の件、もう少し勉強しないといけないですね。
とりあえず、台木になるように剪定してみようと思います。
ただ、接ぎ木をしたことがないので、どうなることやら。
接ぎ木をしないで、スタンダード仕立てっていうのはムリなんですよね?変な質問ばかりですみません。
あと、秋挿ししたものもあるのですが、我が家に本体(?)があるバラで、鉢植えを作りたい、もしものためのストックを作りたいという目的ですので、上記のものほど大切でないです。そらみたかさんの”大切にされてる”っていう意味よくわかります。では( ´ ▽ ` )ノ
ローゼスペコ 2014年12月25日 wrote;
> 最近は鉢上げはしてないです。鉢上げの段階でずいぶんと枯らしてしまうので、最初から、3号か4号のスリット鉢に挿しています。スリット鉢の下から根がはみ出てきたら、水の張った容器から出しますが、それまではその容器に入れたままです。その容器というのは宅急便などで送られてきた発泡スチロールです。
なるほど。それはおもしろい方法ですね。挿し木初期に重要な「水の管理」が容易そうです。容器の底にはどの程度の水が入っているんですか?
ローゼスペコ 2014年12月25日wrote;
> 接ぎ木をしないで、スタンダード仕立てっていうのはムリなんですよね?
いいえ、そうは思いません。『これをこう仕立ててみたい』と、自由にチャレンジするのは素敵なことだと思います。
でも、勉強ですから、スタンダード仕立ての接ぎ木も試されてはいかがですか。私は以前あるバラサークルの勉強会準備係だったのですが、接ぎ木は初めてというみなさんがスタンダード仕立ての接ぎ木に挑んで、『成功しました!』という嬉しそうな報告を幾つも聞きました。難しいことではないと思います。じつは長尺台木に芽接ぎするのは心理的にも負担が少ないんです。芽接ぎに失敗しても台木が枯れるわけではないので、接いだ先端部分をちょっと切り戻して、再挑戦が可能だからです。
スタンダード台木への接ぎ木
プロの生産者の場合、スタンダード仕立ての接ぎ木方法は「芽接ぎ」が多いと思います。バラの芽接ぎには「T字法」(T芽接ぎ)」と「フォルケット法」(Forkert法=F芽接ぎ)がありますが、T芽接ぎは接ぎ木の時期を選び、枝が充実する晩秋以降は表皮と形成層が密着して作業が難しくなり、プロでも成功率が落ちてくるそうです。
したがって、厳冬期に作業する私のスタンダード台木への接ぎ木は「F芽接ぎ」です。これは安全で簡単、初心者でも成功率が高い方法です。たぶんネット上に詳しい解説があるだろうと思いますので検索してみてください。
(*「F芽接ぎ」というのは私の造語で一般的ではありません。「バラの芽接ぎ」でヒットすると思います。)
古いブックマークを調べてみると、私が最初に見たのは「接木と芽接ぎ 四日市南部丘陵公園薔薇園から」でした。現在の私の方法とは微妙に異なりますが(私の方法が優れているという意味ではない)「F芽接ぎ」の方法がわかると思います。
でも、お一人で初めて芽接ぎをするとなると不安に思われるかもしれませんね。ローゼスペコさんの場合はこれから台木を挿そうとされているのですから、F芽接ぎと挿し木を同時にする「芽接ぎ挿し」になります。あるいは今は挿し木だけをして、接ぎ木は半年か1年後にするかですが、そのときには「台木」というより、ふたたび立派なツルバラになっている・・かも。
私は1月下旬頃に長尺台木の芽接ぎ挿しをする予定なので、約束はできませんが、必要ならその作業の写真をすぐブログにアップします。私は経験豊かでも上手でもないので、参考になるかどうかわかりませんが(笑)。
もし私と同時進行で試してみようという気になられたなら、コメントでお知らせください。
コメントが消える?
> 先ほどのコメントもやっぱり消えました。
これは私にはわかりません。「コメント記入者の認証」ではないと思うのですが。。誰でもコメントできる設定になっているハズです。コピーした同じテキストで、コメントできるときとはじかれるときがあるというのがヘンですね。もう少し様子を見ましょう。では。
ご丁寧に返信いただきながら、遅くなり申し訳ありませんm(_ _)m
年賀状ができてないし、あとはお正月の準備などで、バラの作業は年明けになると思いますので、その時はご教授よろしくお願いします。
質問にだけ、答えておきます。挿し木を入れた発泡スチロールの容器には1~2センチほどの水を張っています。メネデールも入れています。こちらにするようになってから、水切れで挿し木を枯らしてしまうことは無くなりました。
その他の返信は年明けてからということで、お許し下さい。では、良いお年をお迎え下さい。
ごぶさたしております。私の演奏会本番、その前後の体調不良や、遠方に下宿している息子(未成年)が下宿を代わるというので出かけたりで、すっかりバラの世話を怠っておりました。本日より寒くなるそうですが、天気は晴れそうなので、バラの世話をしようと思います。まずはつるバラの剪定、誘引をしようと思います。スタンダード仕立ての台木作り、接ぎ木作りのご指導よろしくお願いします。
さきほど(30日深夜)、鹿児島県の「かのやばら園」で開催された "Gardening with David" (デービッドさんのガーデニング講座)から戻ったところです。今回のテーマは「接ぎ木」で、1泊2日・23時間の楽しい講座でした。スタンダード仕立ての接ぎ木方法についても勉強(確認)してきました。
来週から、10株ほどのスタンダード仕立ての接ぎ木を始める予定です。新しいページで投稿しますので、よろしく。
お礼が遅れましたが、12月27日のコメントで教えていただいた底面給水の方法を参考に、私も「休眠枝挿し」を始めました。ありがとう!
天候や仕事の都合で遅れながらも、現在スタンダード仕立ての作業が半分ほど進んでいます。
記事は内容が多くてどう纏めれば良いのか迷いながら書き進めています。(簡潔な文章を書くのって難しいですね)。
このままでは公開までもう少し時間がかかりそう(明日から3日間は本業で多忙)なので、ローゼスペコさんのご質問が届くように、「書きかけ」のまま投稿しようと思います。新しいページは「挿し木と芽接ぎで作る バラのスタンダード仕立て」です。よろしく。
せっかくスタンダード仕立てに挑戦しようとつるバラの剪定をしましたのに、残念なことになってしまいました。そらさんにいろいろ教えていただいたのに、申し訳ありません。
木立バラの剪定、誘引、施肥、鉢バラの植替えを済ませ、やっとこれからという時に、私が緊急入院、手術となってしまいました。スタンダード仕立て挑戦はこの冬はあきらめます。長い枝は水に浸けたままなので、どうなってることやら。また、次のチャンスに教えて下さい。よろしくお願いします。
え!
スタンダード仕立てはいつでも作れます。まずは回復にご専念されますように。
私も、未完のままの「挿し木と芽接ぎで作る バラのスタンダード仕立て」の内容をもう少し充実させておきます。お元気になられたらまたコメントを。
ご無沙汰してしまいました。雨ばかり続く中、今日は晴れました。風は強いですが・・・
ご心配ありがとうございました。入院は8日間で、退院して1ヶ月は家の中でおとなしくしていました。4月から少しずつ、動いています。さて、芽接ぎをするためにメネデールのテープを購入しようと思い、近くのホームセンターに行ったのですが、全然売ってないのです。そこで、インタネットで注文しようと思います。何ミリが使いやすいでしょうか?
接木はこれからの時期でもできますでしょうか?
また、つるバラの長めに剪定した枝で水に浸したもののうち、まだ生きているものもあります。それらはもう、新芽がいっぱい出ているのですが、これは使えますでしょうか?
今後も、よろしくお願いします。
ご回復されたようで、安心しました。よかったですね。
接ぎ木テープは「ニューメデール」です。私が見学させてもらったプロは全員が「30mm 幅ミシン目なし」のテープを使ってありました。これはたぶん作業効率を考えてのことだろうと思います。
デービッド接ぎをする私は、「25mm ミシン目なし」を使っています。デービッド接ぎの場合は、台木と穂木の間にV字状の谷ができるので、そのような細かな作業には幅が狭い方がやりやすいからです。
「芽接ぎ」や「切接ぎ」の場合は、25mm、30mmどちらでも可能だと思います。私たちアマチュアは「ミシン目なし」が使いやすいでしょう。30M巻きではなく5M巻きで充分です。
> 接木はこれからの時期でもできますでしょうか?
接ぎ木の適期の判断は「芽の充実ぐあい」によると思います。この時期に、接ぎたい品種の芽が赤くぷっくり膨らんでいたら可能かもしれません。でも、充実した良い芽は既に発芽しているでしょうね。。
したがって、今は水に浸してある長尺枝の挿し木だけをされたらいかがでしょう。この時期に長尺枝の挿し木をした経験はありませんが、発根していたり、あるいはその前段階であるカルスの形成があるなら、可能性はあると思います。
私の今年のスタンダードの芽接ぎの現状は、明らかに失敗したもの1本、うまくいきそうなもの3本で、後の8本ほどは微妙な状態です。昨年までは芽接ぎ後は簡易な温室に入れていたのですが、今年は屋外(畑の吹きさらしの中)だったからか、芽の動きが遅く、ヤキモキしています(笑)。
この時期の芽接ぎは、切接ぎなどに較べると動きが遅いのは承知しているんですが、ふつうの接ぎ木株はもう蕾が上がってきているので、それを横目で見ながら、時期や方法を根本から考え直す必要があるのかも・・と。
失敗したものも含め、作業の全行程を近日中に(もう少し結果が見えてから)「挿し木と芽接ぎで作る バラのスタンダード仕立て」のページに追記します。スタンダード仕立てに関するコメントやご質問は、そちらのページにお願いします。
では、よろしくお願いします。コメントありがとうございました。これで私のエンジンも始動するでしょう(笑)。
早速の返信ありがとうございました。では、とりあえず挿し木をしておきます。その際ですが、下の方の枝は取り除いておいた方がいいですね?先の方の枝だけ伸ばすようにすればいいですか?
接木テープの情報もありがとうございました。
ご質問への返信を「挿し木と芽接ぎで作る バラのスタンダード仕立て」に書き込みました。勝手ですが、よろしくお願いします。
コメントを投稿