福岡バラ会の「秋のばら展」に出品されたNさんの「パパメイアン」の深い発色とビロードの花弁が美しいと会員の間で評判になった。
「パパメイアン」はバラ栽培者なら誰でも知っている赤黒バラの銘花。メイアン(仏)1963年作出。ダマスク・モダンの香りも素晴らしく、1988年世界バラ会連合殿堂入り。畑にも自宅の庭にも植えているが、Nさんの花はまったく日焼けしていなくて、でも黒に近いほど色が濃く、これほど美しい「パパメイアン」はかって見たことがなかった。
PBRの保護期間は過ぎているので自由に増やすことができるから、接木する穂木の希望者が続出。昨日、その1枝をお手伝いさんが誤って切ってしまったそうで、「芽接ぎ」をするために、ポット台木を持っている私のところに急遽持ち込まれた。
24時間バケツに入っていた開花枝は、花は既に萎れていたが、2芽は何とか使えそうだったのでF芽接ぎをした。
「葉柄の基部を残した方が良いのか?」のテストも兼ねている。ステムが細かったのでうまくいくかどうか。葉柄の上にもテープを巻いたので「葉柄がポロリと落ちる」ことはないが、これもテストの範囲。
ばら展後には、小林 彰先生(福岡バラ会)に以前からお願いしていた「ラ マルセイエーズ」(デルバール1976年作出/PBRの保護期間切れ)を1枝頂いて接がせてもらった。今のところ芽の黒変はないから、うまくいっているのかも。ポット台木を常備しておけば、F芽接ぎは手軽で便利だなと実感。「うまく接がれば」の話だけど。
註:PBR(Plant Breeder's Right/品種育成者の権利) 詳しくは「種苗法」を参照。
「とつけむにゃ」
「とつけむにゃ」または「とつけむにゃあ」は熊本弁で「とてつもなく(すばらしい)」という意味。
熊本・宇土市在住の福島康宏先生が作出されたFL。その名の如く "とつけむにゃあバラ" で、多花性で極めて花持ちがいい。3株あるので、途切れることなく年中咲いている感がある。長い開花期間に花色がピンク〜赤〜ピンク〜白と微妙に変化するのも美しい。花色だけでなく、花弁の形も時間とともに複雑に変化して、まるで別の花であるかのような様相を現す。
画面中央で横に4輪並んで咲いている花は、10/22のばら展初日には既に満開を過ぎていたので出品しなかった花。12日後の今日もその美しさが崩れていない。まさに、とつけむにゃあ!
この写真では見えにくいが、奥には同じく福島先生が作出されたFLの「ウイリアム・アダムス」が咲いている。
これも花期がとても長く、満開を過ぎても花弁の色が濁らず綺麗なままで散る。最高の "セルフ・クリーニング" 性。これの「赤」に魅力を感じているのだが、秋はそれが深まってなんとも美しい。秋のバラはいいなぁ。
明日は久しぶりに本業の仕事で、「第55回 福岡市華道展」に参加する幾つかの流派の出瓶作品を撮影する。どんな花が見れるのか、「作品と対峙するときの心地良い緊張感」が楽しみ。
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