このブログについて


バラの栽培についての考え方や方法は多様です。その多様性こそが、バラが文化として豊かであることの証左なのでしょう。
"答え"は一つではないとすれば、バラ栽培の楽しさは、"自分のバラの世界を見つけ出す" その過程にあると思っています。

このブログは試行錯誤中のバラ栽培の記録です。一部の記事はバラ仲間に私の方法を紹介するために書いたものもありますが、
「栽培ガイド」の類ではありません。バラ栽培を始めた頃に書いた記事の内容は現在の栽培方法とは異なるものも多く、
技術的にも拙くて誤謬も多々含まれていると思われます。批評的に読んでくださるようお願いします。

2012年2月1日水曜日

ロックウールを使った バラの挿し木苗

バラの切り花栽培をしている農家の自家用挿し木苗を見る機会がありました。人づてなので品種など詳細は不明です。ロックウールに挿し木する方法があることは知っていましたが実際に試したことはなく、そうして作った苗を手にするのも初めてです。

この挿し木苗を見ながら、私としてはやや複雑な気分です。私の挿し木とは挿し穂の太さと長さにあまりにも違いがありすぎます。挿し穂の太さは私は直径7mm程度を好んで使いますが、これは4〜5mm。長さは45mmでした。私のは長さ200mm。

去年までは4節を基準にして長さは成り行きにすることが多かったのですが、今年はほぼ全ての挿し穂を200mmに調整しました。『ちょっと長過ぎたかな?』と気にしていたので、これを見たときはショックでした(笑)


いつ頃挿されたものなんでしょうか。ビニールハウス内で育ったのでしょうから2ヶ月程度? 液肥や薬液は使わず、水だけで育ったのだそうですが、この苗は廃棄処分されるところを拾われたのだそうで、根の先端は既にやや老化(劣化)しているのがわかります。

穂木の上部は節のすぐ上で切られ、基部は節で斜め切りですね。カルスが形成され、まずまずの根量だと思います。

私はバラの挿し木は畑の畝に挿すのですが、もちろんこれまでに4mm以下の細い挿し穂や、あるいは切り花品種の挿し木を試したことはあります。でもそのほとんどが失敗でした。

2節程度の短い挿し穂はプロの現場では常識なんでしょうか。でもそれは「ミスト潅水装置」などの設備があってできることなんでしょう? 例えば;
"The Difference Between Own Root and Grafted Roses"

このビデオの4分15秒から始まるシーン。これは「緑枝挿し」ですが、穂木の太さや挿し穂の長さがよく似ていますよね。5分50秒から始まるシーンではミスト潅水装置が動作している様子が写っています。私の環境ではハウスやミスト潅水装置など望むべくもありませんが、でもこの挿し木の容易さ(手軽さ)には注目したいですし、細い穂木や切り花品種の挿し木がうまくいくなら、より楽しいものになるんでしょうね。


粕屋町バラサークルでの「挿し木勉強会」で、講師の猿渡先輩が準備された挿し木床は、発泡スチロールのトロ箱で深さが15~18cm程度。
『ちょっと浅すぎるんじゃないかなぁ』と思いましたが、それは20cmの挿し穂を作る私の感覚であり、このロックウールに挿された苗を見れば、15〜18cm程度の深さでOKなんだということがわかります。

また、ミスト潅水装置の代わりに「挿し木用土をあらかじめ充分に湿らせ、挿し木後はビニールで密閉し潅水しない(ビニールを捲らない=湿度をキープする)、挿し木床の底には多くの穴を開けておく」という方法が、理にかなったものであることもわかります。

私は今回で4年目のバラの挿し木ですが、自分の方法はまだまだ工夫の余地があると実感します。

2012年4月25日の記事「ロックウールを使った バラの挿し木(2)」に続きます。

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