粕屋町バラサークルで来年2月に計画している「切り接ぎ講習会(実習)」には、現在露地に植えているノイバラを台木として使う予定ですが、台木の数がメンバー一人あたり2株程度しかありません。
ちょっと物足りないかなと思っていたら、「NHK趣味の園芸」2011年2月号の特集『覚えて得する バラの接ぎ木』(鈴木満男さん)のなかに、切り接ぎによるミニバラのスタンダード仕立てが紹介されており、その台木はノイバラをこの時期にポットに挿して作れることを知りました。もしこれがうまく行けばおもしろくなりそうなので、さっそく準備にかかりました。
作業の概略
作業は、今年の春に伸びたシュートを切り、それを長尺のまま挿し木して発根させ、4ヶ月後の2月にそれに芽接ぎをするという2段階の手順です。「ミニバラ用スタンダード台木」としていますが、ミニバラに限られるわけではありません。直立性のHT品種はムリでしょうが、穂木の太さからむしろシュラブやポリアンサが接ぎやすいと思います。
穂木
今回挿し木したのはノイバラ(ロサ・ムルティフローラ)ではなく、スタンダード台木用に育種された品種です。スッと伸びた1メートル強の枝が約30本。ツクシイバラも10本ほど挿しました。ツクシイバラの台木としての適性=枝(幹)の伸び具合や、接ぐ品種との親和性、癌腫病に対する抵抗性や寿命などがどうなのかはわかりませんが、これはテスト用です。まだ少し数が足りない(50本は挿したい)ので、さらにノイバラか「クイーン・エリザベス」を探してみようと思います。
註:スタンダード台木はノイバラと限定されているわけではありません。台木としての適性があれば品種は何でもいいわけです。・・と言っても、ノイバラ以上にふさわしい品種を知りませんが。ノイバラには、例えば「K−1」のような目的に応じて育種されたものや、自然交雑(突然変異)してできたと思われる亜種があります。
穂木は採取してから2晩バケツに寝かせておきました(良いことではない)が、この水を薄~いEM希釈液にすると雑菌が繁殖するのが抑えられて効果があるという話もききました。どうなんでしょうか。
挿し穂の基部は「片クサビ型」に調整し、長尺挿し穂の先端には枝葉を残していますが、頂芽は切り落としています。
挿し木用土
畑に置くから毎日潅水できるとは限らないので「保水性」を考え、そして猿渡先輩のアドバイスを思い出して「無菌」を意識しました。(でもピートモスは「無菌」ではないでしょうね?)
- 赤玉土小粒 56リットル
- 鹿沼土中粒 56リットル
- バーミキュライト 12リットル
- ピートモス(pH未調整) 12リットル
これを12cmロングポットに入れ、防風と保湿が目的の簡易温室に並べます。横にセットした支柱に3箇所でしっかり固定して、ポットの底(外側)には籾殻燻炭を敷きました。ポットの固定と保温が目的です。
保湿用ミニ温室
この後、温室の枠組みを作りました。フレームは物置テントの廃品利用ですが、パイプの径が25mmなのでビニールハウス用の部材が使用できます。ジョイント金具などはずっと以前ホームセンターの在庫処分で「1個10円」という価格につられて購入していたものが役に立ちました。でも、使用方法もよくわからないまま購入したので「金具の使い方が逆」とかになっています(笑)
挿し木直後は「乾燥」が大敵なので早急にビニールを張りたかったのですが、所用のため中断。ところが、なんという天の配慮か、夜になると南風が止み静かな小雨が降り始めました。まるで「ミスト潅水」しているみたいです。ラッキー。
2011年10月06日
強い午後の光を和らげるため寒冷紗を設置しました。
2011年10月08日
追加して、スタンダード用の台木を9本挿しました。4日に挿したものと同じですが、やや細くて短いです。これで、ミニバラ用スタンダード台木が40本と、テスト用の「ツクシイバラ」10本の計50本の挿し木作業が終わりました。
バーバラと二人でビニールを張りました。保温が目的ではなく保湿と防風のためです。夕闇が迫ってきたので細部の仕上げはまだですが、素人が自力で作ったにしてはまずまずのできばえです。すでに天井部分は結露しています(写真でわかるでしょうか)。
十三夜の月が出ました。
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