このブログについて


バラの栽培についての考え方や方法は多様です。その多様性こそが、バラが文化として豊かであることの証左なのでしょう。
"答え"は一つではないとすれば、バラ栽培の楽しさは、"自分のバラの世界を見つけ出す" その過程にあると思っています。

このブログは試行錯誤中のバラ栽培の記録です。一部の記事はバラ仲間に私の方法を紹介するために書いたものもありますが、
「栽培ガイド」の類ではありません。バラ栽培を始めた頃に書いた記事の内容は現在の栽培方法とは異なるものも多く、
技術的にも拙く、論理も雑駁で、誤謬も多々含まれていると思われます。批評的に読んでくださるようお願いします。

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2011年10月30日日曜日

生育が悪いバラを調べたら(その2)

このページは、2011年10月28日「生育が悪いバラを調べたら」の続きです。

箱庭のこぼさんwrote:
> 癌腫病になったバラは、テープが食込んで苗が弱り、菌が入ったのでしょうね。
たぶんそうでしょうね。植物も防御システム(抵抗性)を備えているそうなのですが、今回はテープの食い込みが遠因になってその抵抗性が弱まり発病したのでしょう。「枝枯病」あるいは「バラ疫病」の発病も、病原菌が繁殖しやすい環境下に抵抗力が弱い株があったと考えるのが自然でしょう。

植物の持つ防御機構については;
Dr.(ドクター)岩田の『植物防御機構講座』に詳しい(専門的な)知見が紹介されています。人体もそうだけど、植物もすごいんだね。

> 苗が落ち着いたら、テープは取ったほうが良いですね。(せっかちな私は取るのが早い)
私もさっそく今年植えた株を調べました。この事例では細い縒り紐状になっていましたから、見逃しやすい状況でした。成長が芳しくない株は特に慎重に調べる必要がありそうです。がんしゅ病の瘤が3個も付いていたのは、この株の最も太く長い根でしたが、細根に囲まれてこれもすぐには発見できませんでした。


タキイ種苗の「花前線 | 病害情報」から一部引用:

バラ類 枝枯病
病原菌は、コニオスリウム フッケリ(Coniothyrium fuckelii)という不完全菌類に属する糸状菌(かび)

バラ類 疫病
病原菌は、フィトフトラ メガスペルマ(Phytophthora megasperma)という卵菌類の一種

写真が不鮮明でわかりづらいですね。「枝枯病」というのはバラの枝が枯れる症状(原因は複数ある)一般を示す場合があるので、判断が難しいのですが、
バラの枝枯れ病 ステムキャンカー (これぞ枝枯れ病という究極の見本!)
に鮮明な写真があります。この3枚目の写真が「これぞ枝枯れ病」ならば、今回調査した株も同じだと思われますが、どうでしょう?

でも、「枝枯病」か「疫病」か、病原菌が異なるのでその対処法も違いがあるでしょうか?
私のような趣味園芸では、根頭がんしゅ病も含めて、菌の密度が高くなったこの土壌をどう処分するかということと、伝染・再発させないためにはどうすれば良いのかが問題です。

写真は今回調査した株を掘り上げる前の状況です。この後、糸状菌のコロニーは処分しましたが、土はもとの場所に埋め戻しました。右の株も生育旺盛ではありませんから危険にさらされていると言っても過言ではないでしょうね。

至急、さらに広く深く掘り起こして、その土を処分すべきでしょうか(どう処分すりゃいいんだ?)。

今私が気になることは、糸状菌やバクテリアなどの有害菌を喰い殺す「放線菌」の活用です。放線菌といえば「アクアリフト」があります。その放線菌は極めて強力な印象です。それが枝枯病の病原菌(糸状菌)にどう作用するか、疫病の病原菌や根頭がんしゅ病の「アグロバクテリウム ツメファシエンス」という棹状細菌にはどうであるのか。

上記wiki/放線菌より一部引用:

放線菌はカニ殻やエビ殻等の甲殻類に含まれるキチン質と呼ばれる物質を好むものもある。このキチンはキチナーゼという酵素によって分解され、糸状菌等の病原菌の活性を抑制する効果があり、

いぶし銀のバラ屋」のバラ息さんさんに教えていただいたのですが、バラ栽培農家では根頭がんしゅ病対策に「カニ殻」を使用されるのだそうです。さすがプロですね、よくご存知なんだ。

「糸状菌等の病原菌の活性を抑制する」の "等" には、もしかしたら根頭がんしゅ病の「棹状細菌」も含まれるのかも。

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