このブログについて


バラの栽培についての考え方や方法は多様です。その多様性こそが、バラが文化として豊かであることの証左なのでしょう。
"答え"は一つではないとすれば、バラ栽培の楽しさは、"自分のバラの世界を見つけ出す" その過程にあると思っています。

このブログは試行錯誤中のバラ栽培の記録です。一部の記事はバラ仲間に私の方法を紹介するために書いたものもありますが、
「栽培ガイド」の類ではありません。バラ栽培を始めた頃に書いた記事の内容は現在の栽培方法とは異なるものも多く、
技術的にも拙く、論理も雑駁で、誤謬も多々含まれていると思われます。批評的に読んでくださるようお願いします。

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2013年1月27日日曜日

バラの接ぎ木 台木の準備

ノイバラ台木を掘り起こす準備が整ったのは前日で、しかも辺りがもうすっかり暗くなってからでした。準備と言っても、台木にするノイバラの枝を切り来年用の挿し木にする穂木を選んで保存することと、作業するノイバラの畝の周りの清掃だけなんですが、なにやかやと手間がかかってしまったのです。

ふと目を上げると、東の空の雲間に冴え渡った満月が昇っていました。

明けて27日。朝から粕屋町バラサークルのメンバーがそらの畑に集まってきました。今日の作業は、畝に挿し木したノイバラ台木160本の掘りあげと、ビニールハウス内のスタンダード台木約50株の移動です。

挿し木の作業記録:台木用ノイバラの挿し木(2012年2月1日の記事)

スコップを使って畝からノイバラを掘りあげ、土を落として5株ずつまとめていきます。

今年は土の状態がべとつかず、掘りあげ作業は簡単でした。生育旺盛なノイバラを選んで挿し木したので、太根(主根)が長く伸びていますが、邪魔なので適当なところで切りました。

みなさんの背後にある緑色の枠組みは、予定より1年遅れの最近になって、やっと組み立てたパーゴラの骨格です。

掘りあげた台木の根を適当な長さで切り詰め、残った土を洗い落とします。

同時に、台木の生育具合をチェックをします。

台木畝の前作はカボチャでカボチャには施肥しませんし、またカボチャの吸肥力は強いので、畝の残肥は少ないだろうと思っていたのですが、思った以上に大きく育ってしまいました。生育が良すぎて株元が太く、しかも硬くなったのも問題です。接ぎ木に慣れない人はやり難かっただろうと思います。

挿し木する際に挿し穂を(4節ではなく)20cmで調整したのですが、これは失敗でした。挿し穂を20cmの長さにすると、土の中にはその半分の10cmで数節あります。その節から発根して、根が2段、3段重ねになってしまいました。上部の不要な根は切り落とせばいいのですが、余計な手間がかかります。

台木の品質は接ぎ木の成功率に(当然ながら)大きく影響するでしょうから、台木の品種の選択は至急解決しなければならない重要な課題です。

台木の準備作業が一段落した後、昨年秋に実施した「F芽接ぎ」の畝を手入れしました。

この台木は別のノイバラの実生苗なんですが、こちらは生育がおとなしく、また施肥量も少なすぎたのか、希望した大きさ(T芽接ぎができるサイズ)まで太りませんでしたので、やむなく「F芽接ぎ」に変更したものです。現時点では、芽はまだ膨らんではいません。しかし黒変した芽もないので、しばらく様子を見守りましょう。

これらはいずれも素人のチャレンジなので、なかなか簡単にはいきませんね(笑)

作業が終了する頃から雪が降り始めました。

昨年10月、5号ロングポットに長尺挿し木したもの約60鉢を、手製の小型ビニールハウスの中で育ててきました。これに接ぎ木してスタンダード仕立てにするのですが、台木はいったんハウスから出して自宅の納屋に移動します。

寂しくなったハウスに、実生苗のセルトレイが入りました。中央の黒いもの(寒冷紗を掛けてある)がそれです。

雪のバラ園。剪定せずに残っているのは、これを「接ぎ穂」にするためなんですが、今年は全般的に芽の動きが早いのか、芽が大きすぎて使えないものが多かったです。

冬の剪定で切り捨てる枝を穂木に使うというのは、間違ってはいないにしろ良い考えではなさそうです。「接ぎ穂」にする枝は、秋以降は花を咲かせないなどの準備が必要なようで、苗生産者は採穂専用の株を準備するのだとか。

私なんかまだまだ序の口で、学ばなければならないことはいっぱいなんですが、雪は静かに降り続けます。

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