昨日午前、福岡市東区の篤農家 高倉さんを、粕屋町バラサークルのメンバーと一緒に訪問しました。
高倉さんとはあるクラシック音楽のコンサートで偶然知り合い、蝶ネクタイのおしゃれなお姿と、それとは不釣り合いな?ゴツゴツした大きな手に感動し、しかも有機栽培をされている専業農家で、粕屋町にも水田を持ってあるということで、すっかり意気投合しました。
訪問の目的は、もちろん有機栽培、特に 高倉さんの手作り堆肥を拝見するということです。
これが高倉さんの堆肥です。「自然から得たものは自然に還す」というお考えで、高倉さんの田畑から出た稲藁や米糠、収穫残滓、庭木の剪定クズなどが材料です。
これを数回切り返しながら1年間寝かせ、写真右が完成した堆肥です。これに等量程度の田土を混ぜれば、バラ栽培には最適かと思いました。
バラはさておき、高倉さんの広い農地の一部は有機栽培に関心のあるみなさんに無料貸し出ししてあり、そこではもちろんこの堆肥が使われています。貸し出されている農地はこの写真に写ったものだけではないそうで、それぞれの畝に「◯◯農園」と表示してあり、私の知り合いのお名前もありました。
この畑には、金子みすゞの詩「土」の看板があります。
こつん こつんと 打たれる土は
よい畠になって
よい麦生むよ(以下略)
「よい麦生むよ」が、著作権者のご了解を得て「よい野菜生むよ」になっています。高倉さんらしくて微笑ましいですね。
高倉さんはとてもお元気で、手作業による堆肥の切り返しなどの重労働も苦にならないのだそうです。有機栽培や自家製堆肥に対するこだわりと自負、そして同時に、『いいんじゃないですか』というおおらかなお気持ち。
専業農家が(特に稲作では)有機栽培をすることの難しさは私にも想像できます。人知れぬご苦労もあるのだろうと思いますが、たぶん、
有機栽培というのは栽培テクニックではなく、生きる姿勢の問題だろうと思うのです。
私(たち)が学ぶべきはこれではないでしょうか。高倉さんのお話とその深いまなざしをちょっと眩しく受け止めながら、そう思いました。
その後、よく手入れされたお庭と、江戸時代に作られたというにもかかわらず少しも古さを感じさせない見事な建築に驚嘆。写真は納屋(米蔵)です。お座敷に通されて、奥様のお気持ちのこもったぜんざいをおいしく頂きました。もちろん、ぜんざいのお餅は高倉さんの有機栽培餅米です。
高倉さん、奥様、どうもありがとうございました。
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