このブログについて


バラの栽培についての考え方や方法は多様です。その多様性こそが、バラが文化として豊かであることの証左なのでしょう。
"答え"は一つではないとすれば、バラ栽培の楽しさは、"自分のバラの世界を見つけ出す" その過程にあると思っています。

このブログは試行錯誤中のバラ栽培の記録です。一部の記事はバラ仲間に私の方法を紹介するために書いたものもありますが、
「栽培ガイド」の類ではありません。バラ栽培を始めた頃に書いた記事の内容は現在の栽培方法とは異なるものも多く、
技術的にも拙くて誤謬も多々含まれていると思われます。批評的に読んでくださるようお願いします。

2013年1月16日水曜日

「土と植物の薬膳」の肥効テスト その1

粕屋町バラサークルの「第3回 有用菌の活用講座」が、昨年11月29日に、九大農学研究院の金澤教授を講師として、粕屋町にある九大農学部附属農場内の講義室で開催されました。

教授の永年にわたる土壌微生物などに関するご研究の成果のひとつが、「土と植物の薬膳」として(株)金澤バイオ研究所(旧社名:株 ソイルマイクロバイオロジー研究所)から提供されています。優れた機能・特徴を持つ肥料なのですが、これまでは販売ルートが九大生協やネット通販など一部に限られており、残念ながらその知名度も低いままでした。また、バラの栽培に関する肥効データも必ずしも十分ではありません。

金澤教授の講座を契機に、私の知り合いのバラ栽培者にお願いして、この「土と植物の薬膳」を使用していただき、その結果をみなさんに還元(共有)しようというテストを開始しました。

テストに参加されるのはおもに九州各地の大型バラ園や公共の花壇、バラ苗生産農家や販売店、そして全国的にも著名なロザリアンをふくむ個人のバラ栽培家の皆さん方です。

バラに関する肥効テストは、連作障害や残留農薬の悪影響に対するテストを含めると少なくとも1年、あるいはそれ以上の時間をかけて実施することになるだろうと思いますが、久留米市の大洋グリーンさんではとりあえず「ビオラ」を使って肥料としての効果を試験され、その結果が出始めました。

大洋グリーン・馬場店長のご了解をいただき、その写真を転載させてもらいます。オリジナルページは、大洋グリーンのスタッフブログです。詳しくは以下をご覧ください。

超万能肥料 『薬膳』 販売始めました - 大洋グリーンブログ

左のポットには、「薬膳」(ペレット)を用土の表面に撒布してあります。「薬膳」のペレットはとても硬くできていて、水(ぬるま湯)に浸しても容易には型くずれしません。その状態で1週間以上経過してもまだしっかりしています。崩れませんが、水に触れると表面から徐々に溶け始めます。10日程度で肥効が現れているのはそのためですね。

米糠などの有機物を使って作る有機肥料、例えばEMボカシなどは、このように短期間では肥効は出ませんよね。「薬膳」は、その特徴であるHT菌を含むバクテリア類の土壌および植物に対する働きと、高密度なペレットのゆえに、即効性と緩効性の両方の働きを持っているのだろうと思っています。

下の2枚の写真はバーバラさんのテストの様子です。金澤教授の講座で頂いた「薬膳」(粉体)を昨年12月初旬に施肥しました。比較対象の写真が無いのでわかりづらいかもしれませんが、簡単に説明します。

写真左のオールドローズはバーバラさんの実家の庭に昔から植えられていたもの(品種不明)で、それから挿し木した2年生株です。同じものを畑のバラ園に5株程度植えていますが、いずれも既に葉が落ちていて蕾などもありません。これは葉色もまだしっかりしていて、さらに開花しそうな気配があります。

右のミニバラは何年も前からこの場所に植えられているもので、これまではたまに液肥などをやっていたそうです。私が驚いたのは、このミニバラの花の色です。右の写真の左上に小さな白っぽい花びらが残っていますが、これが液肥をやっていた頃の(見慣れた)花の色です。「薬膳」を入れてから咲いた花はとても鮮やかな色で、花持ちも良いようです。バーバラさんの他の鉢植えのミニバラと比較するとこの差は歴然としています。

これら2株は北に面した陽当たりが悪く寒風が吹きさらす場所にあるのですが、今日(1月16日撮影)も葉色も良好です。この地域で12月初旬に施肥するのはバラの休眠を妨げるので好ましいことではないと思うのですが、たぶんバーバラさんは「薬膳」を早く試してみたかったのでしょうね(笑)。バーバラさんの「薬膳」テストでは、他にも室内の観葉植物(コーヒーの木)や、生ゴミ処理(コンポスト)でも驚く効果が出ています。これはあらためてレポートします。

私は昨年までは牛糞堆肥と一部にEMボカシを使った(ほとんど無肥料)栽培だったのですが、土壌とそこに住む微生物に関する金澤教授の講義を聴いて、今年からは「薬膳」を使おうと思います。肥効テストの準備も始めました。今シーズンのバラの生育が楽しみです。

1 件のコメント:

バーバラ さんのコメント...

はい、せっかちで早く試してみたいバーバラです。

このミニバラはバラの事を何も知らなかった12-3年前に植えました。
砂土、しかも建物の基礎と大きな配水管のわずかな隙間の超悪条件。
時々元気がなくなると液肥を与え、3日程するとうすーいピンクが少し濃い色になり1週間程で花も散ります。この場所は掘り起こして土を変えるのも困難、気がかりなバラです。
ところが、びっくり!!  施肥して3-4日程で花色は見た事もない色になり葉も生き生き。
この状態が1ヶ月半程維持されています。
左の鉢バラも強い風にぷらんぷらん揺れながらも、しっかり花持ちが良く、寒さなんかへっちゃらみたいです。

他にも室内のコーヒーの木(10号鉢)に、10日程前になると思いますが、3才の孫娘と大スプーン2杯程の「薬膳」を「はっぱのご飯」と言ってあげました。孫娘が来ると「ノド乾いたって言ってるよ」と水やりします。
水分過多状態で少々不安になっていた私。今日、ふと見ると新芽がピカピカ光って何枚も出ています。
同時にポトスにも施肥(大スプーン1杯)していましたが、全ての枝先から新芽が出ています。

段ボールコンポストもEMボカシを止めて、薬膳の粉体で始めましたが、毎日見るのが楽しみになりました。発酵がとても高温になり、汗びっしょりになるので厚めの段ボールもすぐに崩れてしまいます。木製の箱を作る事にしました。

やる気モリモリの私です。