2013年1月21日月曜日

バラの実生苗を作る

バラの実生苗を作る目的は「接ぎ木用の台木」を得ることです。接ぎ木用の台木は挿し木でも作ります。昨年はノイバラ台木を160本挿し100%の活着率でした。今年も240本程度を挿す予定ですが、台木には挿し木苗と実生苗のどちらが良いのか、まだ比較できるほどのデータがありません。

昨年の実生苗作りは、2012年2月9日に投稿した「バラの種ばら播き」をご覧ください。

もうひとつの目的は「バラの交配」をやってみたいという希望があるからです。バラの交配は今後勉強したい技術テーマですが、そのためにはできたタネから苗を作る方法を学ぶ必要があります。交配は花粉をメシベに付けるだけですから難しいことのようには思えませんが、いざ実際にやってみると花粉親や受粉親の開花時期の問題もあり、品種によってはシベの形状しだいで作業が難しかったりして簡単なことではありません。苦労して結実させた実を播種技術の未熟さ故にダメにしたくはありませんから、実生苗を確実に作る技術は重要です。

今年のバラの播種の準備作業は1月19日(土)の午前中に、バラサークル有志8名がそらの家に集まって実施しました。

準備したバラの実(ローズヒップ)です。バラサークルメンバーが用意してくれたものがあり、またこれに追加してS先輩が数種類を持参してくれました。

ビニール袋がノイバラの実です。今年は12月と1月初旬に採取し6℃で冷蔵保存しました。

ノイバラ(ロサ・ムルティフローラ)は、亜種や台木用に品種改良されたものがあるらしく、トゲや根張り具合が微妙に異なるものがあります。バラ苗生産農家さんは、やはり数種類のノイバラを、接ぎ木する品種によって使い分けるのだそうですが、私にはそのような高度な知識や技術はありません。畑には3〜4種類植えていますが、その中から特に根の生育が良いものを選びました。

作業自体は簡単で、実を潰して中からタネを取り出します。細かな作業なので、メンバーのみなさんは集中して根気よく作業を進めました。

猿渡先輩は、みなさんの作業を見ながら効率的な方法はないか考えてあるようでしたが、知恵者の先輩をしても、タネと果皮を選り分けるのはそう簡単ではないようです。

みなさんの作業を見守る

プロの現場では、台の上に実をぶちまけて麺棒で押しつぶし、タネも果肉も果皮もゴミも一緒くたにバケツに入れて、それを水で洗いながら選別していくのだそうですが、肝心のその「選別方法」の情報がありません。「水に入れて比重で選別する」というのは誰でも思いつく方法なんですが、これでは不可能です、たぶん。理由は・・・。興味のある方はお試しください。

10リットルバケツにいっぱい入れられた真っ白な(印象)ノイバラのタネの写真を、デービッドさんから見せてもらったことがあります。たぶん10万粒もあるのでしょうか、あの量をどうやって作業するのでしょう? 何か賢い方法があるに違いありません。

今年はローズヒップの量も昨年よりは少なく、参加2回目のメンバーもあって、作業そのものは1時間ほどで終わりました。みなさん、ご協力ありがとうございました。

午後、みなさんが帰られた後で

おちびさんたちには楽しいお手伝い、私には厄介な作業が残っています。

熟したノイバラの実は柔らかくなっていますから、こどもの指でも簡単に潰せます。果肉は水の中でトマトジュースみたいに分離しますので、これはザルで濾せば簡単に除去できます。

厄介な作業とは、タネと一緒に残っている果皮や繊維をピンセットで選別しながら、タネの周りに残っている「発芽抑制物質」を洗い流す作業です。それがあると水が僅かに赤みを帯びますから、タネが白くなり、水も無色透明になるまで、私の場合2、3日間は水を交換し続けます。

注意:果皮や果肉の赤い色素が「発芽抑制物質」そのものであるのかどうかは知りません。
品種あるいは成熟度によるのでしょうか、大粒のタネには「薄皮」が付いているものがあります。これも発芽を抑制するのかも。

自然環境では、たぶん土のバクテリアがこの「発芽抑制物質」を分解するのでしょうが、私の環境では洗い流すより方法がありません。

『水に浮くタネは使えない』は ほんとうか?

2日後(1月21日)。果皮などの選別・除去が終わったタネです。26品種ありました。品種名が不明のものもありますが、26品種の大半は原種やオールドローズ系、あるいはモダンローズでもCL系が多いようです。意図的にローズヒップを作ったのではなく剪定し忘れた枝から採取したからなのでしょう(笑)いいんじゃないですか。

この作業に使った道具類。ブルーのバット、ボウル、目の細かな金網のザル、ピンセット、タネを入れるプラスチックのコップなど。
ゴマを選別するときのように、ザルの網目が「ノイバラのタネを通す」「通さない」の2種類があればより効率的かも。

黄緑色のバットに入っているのがノイバラのタネです。これでたぶん1,000粒以上はあるでしょう。(画像クリックで拡大)タネの半数は水に浮いています。「水に浮くタネは使えない」のが常識ですが、ノイバラの場合はちょっと違います。タネが水に浮くか沈むかは、その時々によって(同じタネでもテストするごとに)結果が違いますので、発芽するか否かはそれでは調べられません。

この話、じつはほとんどの人が信じてくれません(笑) 試してみればすぐにわかることなんですが。

今年の播種は、これを畝ではなくセルトレイに播きます。

追記:播種の様子

2 件のコメント:

  1. 種取りに初挑戦したきん子です。
    大きな実から簡単に種を取ることができ、「あら、簡単」などと言っておりましたが、意外と手間取ったのが、小さいノイバラの種。
    水の中でもみだすやり方を教えていただきましたが、
    小さいだけに、なかなか全部出て来ません。

    しかし、小さい種ひとつに5個以上の命が詰まっているという、何とも健気なのでしょう!全て作業を終えて、コップの種のかわいらしさ。

    作業の後はバーバラさんのおいしいぜんざい、メンバーの方々のお手製のお漬けものを頂き、優雅なひとときを過ごしました。

    これの種たちが、春に元気に芽吹くのが楽しみです。

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  2. 楽しみです。家庭菜園でもいちばん嬉しいのは発芽を確認したときです。今年はセルトレイに播種しハウスの中に並べたので、毎日、あるいは2日に1回は潅水作業が必要なんですが、それもまた楽しみのひとつかも。

    その後、さらに数種類の栽培品種のローズヒップが入手できたので、あと200か400粒播種する予定です。ノイバラやPBRをクリアしている品種の苗は希望者にお分けします。・・と、それくらい発芽すると良いのだけれど。
     

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