2013年2月3日日曜日

バラの接ぎ木 講座

2月2日 サンレイクかすや クラフトルームにおいて、デービッドさんの接ぎ木講座が開催されました。デービッドさんの講座は昨年に引き続き2回目ですが、今回はかのや「花*薔薇*会」の徳田瑞穂氏も講師としてご参加いただき、より内容豊かな講座になりました。

午前中は講座でした。2名の講師はそれぞれレジュメをご準備してあり、デービッドさんはパソコンに保存されている画像も見せてくれました。

講座の内容は、参加者も多かったし欠席者にはレジュメが配布されますのでここでは紹介しませんが、デービッドさんの講座の中で私が特に印象的だったのは以下の3点です。

  • バラの接ぎ木は複雑な難しいことではない
  • 穂木は、それのために育てた株から採取する
  • 根頭癌腫病に侵されている株から穂木を採取してはいけない

デービッドさんの、かのやバラ園のイングリッシュローズと宿根草の写真もきれいでした。やはり「植物図鑑」的なバラだけの植栽より、ハーブなどと混植するといっそうきれいですね。ちなみにかのやバラ園では今「日本スイセン」3千本が咲いています。さらに増やす予定なのだとか。

「花*薔薇*会」の徳田さんは「ローズ コンシェルジュ」の資格を持ってあり、バラの栽培技術にとてもお詳しく、またガーデニング全般にも精通してあります。

徳田さんのバラの栽培は、考え方や方法がデービッドさんとは異なる部分があります。今回の講座のメインであるバラの接ぎ木も方法が違います。これは勉強会準備係としては迷ったのですが、多様な考え方や方法をご紹介するのもいいかなと判断しました。

結果は大正解で、徳田さんのご参加によって講座が大きく膨らんだと思います。参加者のご意見も同様でした。徳田さん、ありがとう!

徳田さんのお庭の写真も多数掲示され、そのみごとさに感嘆の声があがっていました。5月の鹿屋の視察会では徳田さんのお庭も拝見する予定で、『5月は鹿屋に行きましょうね』という声も聞こえて、準備係としては嬉しい限り。

昼食を挟んで、午後は4種類の接ぎ木方法を学ぶ実習です。

「花*薔薇*会」徳田さんのバラの「切接ぎ」は、「接ぎロウ」を使うオーソドックスな方法で、デービッドさんのそれとは大きく異なります。この「切接ぎ」は多くのバラ苗生産者も使う安定した方法ですが、作業に危険を伴うので、接ぎ木初心者が多いバラサークルではこれまで採用をためらっていました。

徳田さんの切接ぎを見守るバラサークルメンバー。興味津々で、みなさんの輝く目がとても印象的でした。

『そらさんが是非にと言うから、みなさんにお見せするためにラーメンを作る鍋に接ぎロウを入れてきました。鹿屋に戻ったらまたこの鍋でラーメンを作ります』と徳田さん。

徳田さんからは、「切接ぎ」後の管理の方法まで解説があり、参加者一同おおいに関心を持ちました。これは(基本的にハウスで管理する)デービッドさんの解説には無い部分で、参考になった方も多いと思います。

徳田さんは、みなさんから『徳さん』と慕われる存在です。そのお人柄に、粕屋でも『徳さん』ファンが一気に増えたようですよ。

デービッドさんからは次の3つの方法を学びました。

Photo by David B. Sanderson
(C) NPO法人 ローズリングかのや

  • Eye grafting いわゆる「芽接ぎ」の一種で、これは私たちが「F芽接ぎ」と呼んでいる方法です。バラサークルではこれを昨年10月に地植えの台木に実施しました。今回はこれをスタンダード台木に応用したメンバーが多かったようです。
  • spilt graft 「割り接ぎ」 デービッド接ぎを応用した安全な「切接ぎ」の方法です。穂木の向きも一般的な「切接ぎ」とは異なり、新芽が横向きに出ています。
  • David’s Side graft これが「デービッド接ぎ」(横継ぎ)の発芽後の状態です。

左は私が作画したデービッド接ぎの概念図です。最大の特徴は台木の枝が残ったままであることです。また、接ぎ穂の向きや芽の位置が、一般的な「切接ぎ」とは大きく異なっています。

デービッド接ぎの手順については、2013年2月7日の記事「バラの接ぎ木」をご覧ください。

デービッド接ぎの特徴

  • 安全
  • 癒傷(癒合)ホルモン「オーキシン」の働き
  • 株の活性

接ぎ木ナイフを使うのに革手袋を使用しません。安全だから革手袋が必要なく、むしろ使わない方がナイフの操作がより確実だからです。今回の講座のような、初心者を対象とした接ぎ木実習では「怪我をしない」ことが最優先です。

今年の1月に、「切接ぎ」をするプロの作業現場を間近に見てきましたが、これを初心者に勧めるのはやはり『恐い』と思いました。「切接ぎ」を安全にするためには、よく切れる接ぎ木ナイフ(田主丸型)と、ナイフがムダな力を加えること無くスムースに入る適度な硬さの台木が最低必要条件ですが、まだ接ぎ木ナイフを持っていない参加者もあるので、勉強会準備係としては「切接ぎ」の採用はビビります。

デービッド接ぎの特徴は、接ぎ木後の株の活性が高いことが挙げられます。一般的な「切接ぎ」(例えば徳田さんの方法)では接ぎ木後の養生が重要なんですが、デービッド接ぎはその必要性が低いようです。
しかし、このあたりは私にはまだ経験が少なくよくわからない部分もありますので、今後の経過を観察していこうと思います。

デービッドさん、徳田さん。おおいに示唆に富む、すばらしい講習会でした。ありがとうございました。
参加・ご協力してくださったすべてのみなさんにも感謝。みなさんの輝く目がとてもきれいでしたよ。

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