このブログについて


バラの栽培についての考え方や方法は多様です。その多様性こそが、バラが文化として豊かであることの証左なのでしょう。
"答え"は一つではないとすれば、バラ栽培の楽しさは、"自分のバラの世界を見つけ出す" その過程にあると思っています。

このブログは試行錯誤中のバラ栽培の記録です。一部の記事はバラ仲間に私の方法を紹介するために書いたものもありますが、
「栽培ガイド」の類ではありません。バラ栽培を始めた頃に書いた記事の内容は現在の栽培方法とは異なるものも多く、
技術的にも拙く、論理も雑駁で、誤謬も多々含まれていると思われます。批評的に読んでくださるようお願いします。

お知らせ

バラの育種 を仲間と共に学びたい初心者を対象にした オンライン勉強会 を計画中です。

オンライン ミーティングシステム "Zoom" を利用して、月2回(年間20回程度)の開催で、 参加費無料の勉強会です。

内容は「ばらの育種オンライン勉強会」 案内ページ をご覧ください。



2013年2月5日火曜日

2月3日 快晴

かのやばら園イングリッシュローズガーデンのチーフガーデナーであるデービッド B. サンダーソンさんと、鹿屋市「花*薔薇*会」の徳田さんを、「土と植物の薬膳」が製造されている九州大学農学部附属農場や「季の庭」などに案内しました。

2月2日の デービッドさんと徳田さんによるガーデニングセミナーの後、夜は懇親会。おおいに盛り上がりました。お二人をホテルへ送って、私はダウンしましたが、デービッドさんと徳田さんはさらに飲んだのだとか。朝3時に起きて鹿屋市を出発したはずなのに、タフですね。

翌3日は 朝9時に待ち合わせて、まず そらの畑 に。

そらの畑で記念写真

デービッドさん:『まるで公園みたいね』

べつに褒めてもらってるわけではないのだけれど、なんだか嬉しい。

デービッドさんは、畑の中に籾殻燻炭を作った跡を見つけて、その作り方に関心があるらしく質問攻め。

私の場合はこのように作ります。
2011年7月29日の記事:「籾殻燻炭つくり

籾殻の乾燥状態や気温、風向きなどの条件が良ければ、2000Lの燻炭を8時間ほどで作ります。チャンスがあったら一緒に作りましょう。

徳田さんは 駕与丁バラ園 は初めてなので、バラ園で待っていたメンバーと公園を案内。

バラ園は剪定が終わりきれいに清掃されていて、いい気分。風車のある時計台に上がりましたが、とても気持ちのよい爽やかなお天気で、見慣れた場所なのに、これまで見たことがないほどきれいな景色でした。

昨年のデービッドさんのガーデニング講座は「日帰り」の強行日程だったので、デービッドさんをバラ園に案内したのは夕刻でした。やはり天候や時刻で印象が異なりますので、このような好天の日に案内できたのは良かったです。『駕与丁公園はきれいなところですね』という徳田さんのご感想が嬉しかったです。

タッキー先輩も来てくれました。今回は先輩のガーデンにお二人をご案内する時間がなくて残念でしたが、次回はぜひ計画したいなと思います。昨夜の懇親会でのタッキー先輩のご挨拶『粕屋町にバラをいっぱい咲かせよう』はすばらしかったですね。感動しました。

続いて 九州大学農学部附属農場 へ。

九州大学農学部附属農場「土と植物の薬膳」の製造現場で記念撮影 「土と植物の薬膳」の製造現場

そこには九州大学農学院の金澤教授(写真・右端)が待っておられて、先生が研究・開発された土と植物の薬膳の話で盛り上がりました。 製造を担当している智星さん(粕屋町バラサークルメンバー)の嬉しそうな笑顔がとても印象的でした。デービッドさんとの話も盛り上がっていたようです。

HT菌による90℃を超える高熱発酵の様子

智星さんに、発酵中の「土と植物の薬膳」をショベルローダーで引き出してもらいました。湯気が立ち昇り、さすがHT菌(超好熱細菌)ですね、温度計は優に90℃を超えています。これを何度も切り返し、原材料の有機物が分解され尽くすと発酵が終了し温度も上がらなくなり、完成です。

牛糞堆肥などの発酵温度は65℃前後の場合が多く、その温度では大腸菌やサルモネラ菌などの一部の有害な細菌は死滅しません。「土と植物の薬膳」の優れた特徴は、HT菌(超好熱細菌)による高温発酵によって引き出されます。

「土と植物の薬膳」の原料はすべて九州産のものが使われており、その内容はビール麦芽粕やアガリスク菌床、竹繊維、米ぬか、大豆おから、カキ殻です。『有機肥料』にありがちな、牛糞などの糞尿や下水汚泥は全く含まれていません。製造方法は「堆肥」ですが、これは特殊な土壌改良効果もある「肥料」です。

2015年3月追記
土と植物の薬膳」をベースに、さらにアミノ酸+リン酸を強化した「土の薬膳 891000」が完成しました。
その特徴は;

  1. 農薬を速やかに分解する機能を有する有機質肥料が初めて開発されたことにより、土壌の残留農薬による害を減少させて、予防農学に大きく寄与することが可能となった
  2. 土壌中の微生物を調和させて土壌病害を抑制する機能が高いため、減農薬あるいは無農薬栽培への変換に寄与するものと思われる
  3. 土壌がクリーン且つ肥沃になり、微量要素も豊富なため健康で味に深みのある農産物の生産が可能となった

土と植物の薬膳」や「土の薬膳 891000」の詳細は 金澤バイオ研究所 のサイトを参照してください。

発酵熱の利用を見学

土と植物の薬膳」は好気発酵なので、複数の大型ブロアで強制的に空気を送り込みます。
HT菌による発酵温度は100℃を超えることもあり、その発酵熱を利用して奥に見えるハウスを暖房する設備があります。

堆肥の発酵熱を利用した温床は、この地域ではサツマイモの苗を育てる「イモ床」があります。近頃はあまり見かけませんが、私のこどもの頃はどこの庭でもあたりまえに見かけたものでした。

季の庭の玄関で記念写真

九大農学部附属農場を出て、隣町・久山町の「季の庭」に立ち寄りました。入り口の前で。
(写真左から)「花*薔薇*会」の徳田さん、デービッドさん、店長の久芳さん、バーバラ。

季の庭」にはセンスの良いガーデニンググッズが揃えてあり、かのやバラ園でのデービッドさんのガーデニング講座の受講生で、ここの通販を利用している方もあるようです。

デービッドさんお薦めの「スネーブル」の製品も揃っていて、特に「グラウンドエルダー4つめフォーク」や「ディギングフォーク」は、宿根草の株分けやバラ苗の植え付け、施肥などのガーデニング作業にとても便利です。私はまだ持っていないのですがいずれ。

店長の久芳さんはガーデン・デザイナーで、粕屋町バラサークルのメンバーでもあり、13日に予定している「第2回庭作り講習会」の講師です。よろしくお願いします。

この後COSTCOで買い物をして、お二人は午後7時過ぎ無事に鹿屋市に戻られました。
デービッドさん、徳田さん、お疲れさまでした。ありがとうございました。

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