このブログについて


バラの栽培についての考え方や方法は多様です。その多様性こそが、バラが文化として豊かであることの証左なのでしょう。
"答え"は一つではないとすれば、バラ栽培の楽しさは、"自分のバラの世界を見つけ出す" その過程にあると思っています。

このブログは試行錯誤中のバラ栽培の記録です。一部の記事はバラ仲間に私の方法を紹介するために書いたものもありますが、
「栽培ガイド」の類ではありません。バラ栽培を始めた頃に書いた記事の内容は現在の栽培方法とは異なるものも多く、
技術的にも拙く、論理も雑駁で、誤謬も多々含まれていると思われます。批評的に読んでくださるようお願いします。

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2012年4月3日火曜日

"癌腫病ショック" そら復活か

ブログの更新を長期間サボり、ご心配をおかけしてしまったようでごめんなさい。思わぬ方からお電話を頂いたりして嬉しかったです。ありがとうございました。

理由は病気や怪我ではありません。大量のバラの移植(癌腫病の発症チェックを含む)と造園作業に追われていたことが主な理由ですが、前回(2月20日)に投稿したバラの根頭癌腫病 -2に(自分が書いた内容に)あらためてショックを受けたことも否めません。

私はバラに関心を持って4年目です。最初の2年はボーッと過ごしましたが、1年前から共有ブログ「ばら日和」に投稿するようになって、ちょっとホンキで勉強を始めました。すると、いろんなことが見えてくるようになります。そこには嬉しい驚きがいっぱいなんですが、中には『知らないほうが良かった』と思えるような嬉しくないこともあります。

例えば、バラ苗生産・販売業界の専門家から、『じつは国内で流通しているバラ苗は、保菌しているが発症には至っていないものも含めると、半数以上は根頭癌腫病に罹患している』という話を聞いたことがあります。その時は『素人の私をからかっているか、脅しているんだろう』と思いました。でもその後、私の身近なところでも続々と根頭癌腫病の症例が見つかるにおよんで、あながち冗談でもなかったんだと思い始めました。

しかし、もしそれが事実とすれば、バラ苗生産・販売業界はなんというあきれた業界でしょう。病原菌はバラだけではなく多品種の樹木に感染する 多犯性 で、しかも宿主にたどり着けない不利な環境でも土壌中に長期間生息することが可能なんだそうです。なので、発症すれば土壌そのものを汚染することになります。そんな商品を販売するなんて。。1株が5百円〜5千円という価格に過ぎないかもしれませんが、これが他の業界なら社会的な制裁を受けても当然な事態でしょう。

追記:
根頭癌腫病原菌が感染しそれが発症するに至るメカニズムは、前述の「バラの根頭癌腫病 -2」に専門家の論文を引用して紹介しています。バラ苗販売者が当たり前のように言う『癌腫を削り取って殺菌剤を塗布すればいい』という対処法は、自分たちに都合のいいように歪曲したものであるのが分かります。
また、4月9日の記事:「バラ苗が枯れたら交換します」は良心的か?では、私が経験したバラ苗販売業界の一端に触れています。

バラの根頭癌腫病に対する対応策は「バクテローズ」ですが、これは高価格もさることながら、品薄で入手することすら難しい(私の場合)のですから、個人が使用するには限界があります。そもそも、出荷段階で罹患しているのなら、その後にバクテローズ処理しても無意味ではないかと思うのですが、どうなんでしょう? バラ苗生産業者の中には、バクテローズ処理済みの苗を出荷しているところもあるようですが、流通量全体から見れば僅かなものでしょうしね。

その後も関係者などへの取材を続けていくと「あきれて開いた口が塞がらない」というウラも見えてきます。癌腫よりも、ウラでコソコソ画策するニンゲンの思惑の方が穢いし気持ち悪いです。信頼を裏切られたような気がして、凹んでしまいました。

『症例写真のバラ園はあなたには関係ないことだから、見知ったことを知らない振りするのも大事なことよ』とバーバラが諭してくれます。そうなんでしょうね。それがおとなのとるべき態度なのかもしれませんね。 しかし、おとなになれない青二才の私は、それからも悶々とした日々を過ごすのでした(我ながらバカですね)。

そういう私を復活させてくれたのは、他ならぬバラです。春になり、1月の挿し木と2月の各種方法による接ぎ木、そして播種したノイバラなど、続々と芽吹き新葉を展開しています。昨年10月の「T字法芽接ぎ」および「T字法芽接ぎ挿し」も(成功率は50%以下と低いものの)頑張っています。

そしてなにより粕屋町バラサークルのメンバーのみなさんの明るさ、積極性、笑顔。
『そんなことを気にしていたら、きれいなバラは咲きませんよ』と、先輩の声が聞こえてくるような気がします。
みなさん、ありがとうございました。癌腫病の対応策はこれからですが、ニンゲンの思惑などという低次元なことからは、抜け出せたと思います。

おかげさまで、ひとつハードルを越えることができたようです。

3 件のコメント:

のな さんのコメント...

先日は、ご訪問ありがとうございました。^^
そうですね、僕もバラを数鉢育ててますが、そらさんの情熱と愛情を感じます。
なかなか、解決できない問題もあるんですね。

そら みたか さんのコメント...

せっかくご訪問していただいたのに、楽しくない記事が多くてすみません。

私は今小さなプライベート・バラ園のあるカントリーガーデン(コテージガーデン)を作っているところです。バラと果樹とハーブや花壇があって、もちろん野菜も作ります。

たぶん今後もずっと「工事中」でしょうが、バラが咲き始めたらその写真も投稿したいと思っています。見ていただいて楽しくなるようなブログをめざしますので、もしお時間があれば、見に来てください。

私の所でもチューリップが咲き始めました。でも、それをゆっくり楽しむ余裕がありません。周辺も手入れされていないので、写真をアップするのも恥ずかしいです(笑)

のなさんはご自宅を新築されたのですね?きれいなお庭に咲くチューリップの写真を拝見しました。野菜作りをされているご両親やスイカの好きな次男さんの記事も拝見して、お仕事を頑張るのなさんと、そしてガーデニング。『なんか、いいなぁ』と思いました。

私もくだらないことに悩むのは止めて(笑)、「楽しいガーデニング」をめざします。

のな さんのコメント...

お得意先の、お花見会から今帰宅しましたぁ^^

いえいえ、そらさんのバラへの純粋な愛情があるからこそのブログの内容だと思いますし、深く考えさせられました。

私自身、小心者で多くのローンを抱えて家を新築していますし、仕事でも悩みが多くて寝れない日があったんですが、少し早起きして草花の世話をするようになって、心にちょっとだけ余裕が出来た気がします。草花に救われたんですね。そこ思いを下手な文章でブログに書いています。

なんか、私の悩みになってしまいましたね。 へへっ

コテージガーデン、いいですね。うらやましいです。いつか、ぜひ、拝見させて下さい。
若輩者ですが今後ともよろしくお願いします。