2012年4月25日の記事:「ノイバラ台木の実生苗作り(プロの場合)」の続きです。
3日後の27日に再訪問しました。稲藁が取り除かれています。気のせい(錯覚)でしょうか、3日前よりグンと大きくなったような。
バラの実生苗床 4月下旬
稲藁の下にはもみ殻燻炭が敷かれていました。さすがにプロの仕事ですね、苗は元気に育っています。その中から2本抜いてもらって、私の苗と比較してみました。左の写真の上2本が頂いた苗、下2本が私の苗です。
苗の成長具合
根長は既に20cmになっています。上2本は無理に引き抜いたので根が切れていますから、根長(根量)を比較することはできません。
違いは2つ。まず「葉色」。私の苗(右の写真の左側2本)は葉色が薄いのが写真でわかりますでしょうか。これはたぶん「肥料不足」だと思います。右2本は播種前に畝に施肥されたそうですが、私は肥料を入れていません。『薄い液肥をやったらいいですよ』とアドバイスを頂いたので、今日28日に散布しました。この数日、間引き作業をしたので、土を落ち着かせるためにもたっぷり潅水しました。根量が多いので、今後の生育は期待できると思います。
もうひとつの大きな違いは、初生葉(双葉)から根が分かれる部分までの長さ。ここに接ぎ木するので、ここが長いものが良いと思うのですが、右2本はそれが2cmほどの長さで、私のは1cm。これが「稲藁マルチ」の効果なんでしょうかね。私のは『密植することで徒長させ、この部分を長くしよう』と考えた(素人の浅知恵/笑)のですが、「稲藁マルチ」は思いつきませんでした。今更致し方ないので、ここが長い苗を選りすぐって植えることにします。
追記:この稲藁マルチは、強い日差しで籾殻燻炭が高温になるのを防ぐのが目的だそうです。なるほど。納得。
苗は、茎が「爪楊枝」の太さになったら定植するタイミングだそうです。後1ヶ月ほどでしょうか、定植する畝を準備しなきゃ。 このバラ苗栽培農家は3万本の苗を植えるのだそうです。ビックリしますが、「3万本」という数は他でも聞いたことがあるので、どの農家もその程度は作られるのかも?しれません。
実生苗なので「芽接ぎ」かと思っていたのですが、「切り接ぎ」だそうです。3万本の台木を作るにはやはり実生でしょうか、挿し木で3万本となると、穂木の確保がたいへんでしょう。『台木用に育種されたノイバラ品種も幾つかあるけど、その辺に自生してる野バラがいちばん良いみたい』と言ってありました。『ただし例外もあって、接ぎ木する栽培品種と台木用ノイバラ品種の組み合わせは、それぞれの農家さんのいわゆる "企業秘密" ね(笑)』だそうです。
この地域には「切り接ぎ職人」さんがいて、その方は(ご夫婦で組んで)1日に約千本ほど接ぐのだそうです。これまたビックリ。単純計算で、20〜30秒に1本のペースですね。それでも3万本となると1ヶ月以上かかります。
バラ苗栽培農家は忙しい。特に今は春の出荷のピークですから、小走りに走りながら仕事をしてありました。でも、とても楽しそう(嬉しそう)でした。ありがとうございました。