福岡バラ会の「秋のばら展」まであと12日。ばら展のコンテストまで まだ12日もある のに、続々と咲き始めた。
満開になった(いわゆるパンクした)ものを摘花したが、その数34。開花が早すぎるものは「夏花」の雰囲気を残していて、きちんと写真を撮ったり切花にして飾る気にもならず、無駄に切り捨てるだけなので楽しいことではない。毎回のことだが、切り捨てられた花を見るとなんか罪悪感みたいなものすら覚える。
明日以降も開花が続く。どれほどの花が会期に合うのか数えてみた。この時期は、糸目が見えてガクが降り始めた状態なのが適切だろうか、期待も込めて "甘々に" 数えてみると約100本。コンペティション・ローズは100鉢あるので、1鉢平均2.5本のステムが立っているとすれば全部で250本。なるほど、早すぎるもの100本、合いそうなもの100本、遅すぎるもの50本。まぁ、こんなものだろう。
3日間のコンテストにタイミングが合いそうなものが100本あれば、とりあえず出品を考えることはできる。しかし、これは開花のタイミングが合うというだけのことで、それが良い花かどうかは別問題。
HT(ハイブリッド ティ)のコンペティション・ローズは、「下手な鉄砲は数撃っても当たらない」というのが実感。
今季の状況
まだ結果は出ていないが、既にいくつかの反省すべきことが見えている。
- 剪定が3〜5日早過ぎたが、総合的に見れば今秋の出来具合は過去6年間で最も良い。
- 春の花後の施肥量が不足した中で、リン酸が過剰。
- 肥料不足でベーサルシュートの発生が遅れ、枝の生育もイマイチ。
- 早すぎる開花や、生育が遅れたのは「剪定時期」というより、春の花後の肥料不足がほんとうの原因。
- 秋花のための施肥(8月末)の量は、品種によって多少の過不足はあるものの、ほぼOK。
- 微量要素の過不足は解消しつつある。
- 「新梢の2段目のスイートポイントで剪る」のは正解。
- 新梢1段目は5枚葉5〜7節の内芽でピンチ、2段目は7節付近(ステムが直立しているので芽の内外はどちらでもいい)でピンチするのが好結果に。それより長くすると生育のバランスが崩れ開花が早まる。
- うどんこ病とスリップスはまだ油断できないが、病虫害はなんとか防ぐことができた。
- 現時点で花色は良好。スリップスの加害によるシミも見受けられない。
- 栽培年数が5年を超えた鉢植えの株の老化が目立つようになってきた。
- 花首がカクンと曲がる原因がわからない。なのでその対策もわからないでいる。
TO DO List
きれいに咲いた花を見たいので、コンテストまでの期間に、無理のない範囲でできることをする。
- 今後の施肥は、く溶性の「ケイ酸カリ」をクエン酸水溶液で溶かしたものを灌水に混ぜて1回と、カルシウムの葉面散布を1回予定。弱小な株にのみ液肥をもう1回。(10/11追記:不要)
- 殺菌・殺虫剤の散布はしないが、発生の有無を注意深く観察。もしうどんこ病の予兆が見えたら「カリグリーン」を散布する。
- 灌水量は、生育状態に合わせて徐々に減らしていく。徒長を避けるため夜間は乾燥気味になるよう管理するが、乾湿の変動幅は小さめにするのがいいと思う。
- 強い日差しで花弁が焼ける「ロージークリスタル」など赤花品種を遮光が容易な場所に移動し、ガクが降り始めたら真昼の強光線を遮光する。
- 同じく日照量で発色が変わる「ホット神崎」や「あけぼの」などの花弁の発色を注視。遮光用の資材を準備しておく。
- 時間があれば「葉の汚れ」を水拭きする。
- 咲き終えた花は片っ端から摘花して片付け、スリップスに繁殖の機会を与えない。
- 花が終わった鉢、開花のタイミングが合わない鉢をハウス外に搬出し、風通しを良くする。
- 出品する可能性があるステムの曲がりを修正。ガチガチに固定するのではなく、バラが自分でまっすぐ立てるように、ステムの基部から調整。
- 「あけぼの」など花首が弱い(曲がりやすい)品種には、花首に添木をする。
- 開花状況を記録。今後残す株、廃棄する株を選別。
この秋が私にとっては最後のコンテスト出品になるが、自分でも不思議なくらい "醒めた" 気持ちでいる。コンテストに出品することは面白いし、とても勉強になるが、会期に合わせて花を咲かせること(コンテストに出品するには極めて重要な条件の一つ)はバラ栽培の本質的なことではないと思うようになったからだろう。来年以降はその「本質的なこと」を自分で見つけ出していかなくてはならない。ここからが本当の勉強の始まりだと思っている。
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