このブログについて


バラの栽培についての考え方や方法は多様です。その多様性こそが、バラが文化として豊かであることの証左なのでしょう。
"答え"は一つではないとすれば、バラ栽培の楽しさは、"自分のバラの世界を見つけ出す" その過程にあると思っています。

このブログは試行錯誤中のバラ栽培の記録です。一部の記事はバラ仲間に私の方法を紹介するために書いたものもありますが、
「栽培ガイド」の類ではありません。バラ栽培を始めた頃に書いた記事の内容は現在の栽培方法とは異なるものも多く、
技術的にも拙く、論理も雑駁で、誤謬も多々含まれていると思われます。批評的に読んでくださるようお願いします。

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2021年8月21日土曜日

用水に谷川の水

大小2棟のハウスで栽培しているバラは、5号鉢の苗も含めると200鉢程度か。これらの灌水に使用する用水は、自宅と畑の中間にある農業用水路からエンジンポンプで汲み上げていたのだが、そこで開発工事が始まって、やむなく少し離れた位置にある農業用溜池に注ぐ谷川の水を使うことにした。この水は、㏗=7.0 EC=200㎲/cm 前後。

以前使っていた農業用水路の水は、なぜか pH が高くいつ計測しても pH=8.0 を超える。pHメータの誤作動かと何度も校正したが、メーターに異常なし。理由がわからず苦慮。

じつはそれに気づく前に、この用水を使う鉢植えに「クロロシス」が多発した。最初これは「微量要素Feの欠乏」と考えたが、それは直接の原因ではなく、用水の高いpH値がもたらした "結果" だと知るまでに1年かかった。

この農業用水の高いpH値の理由は不明。 用水が流れ出る大きな溜池は、バイパス工事のために池の中に大きな橋脚を作る工事が進んでおり、それに使われた大量のコンクリートの影響かもしれないし、下水道ができていないこの地区の住居から出る生活排水のせいかもしれない。

雨水のpH値は?

正確な値は気象庁のデータ:「酸性雨に関する基礎的な知識』を参照してほしいが、私の畑での実測値は pH=6.0 を下回ることが多く、pH=5.6以下の「酸性雨」のこともある。雨水や水道水(pH=7.0±0.2 程度)を用水にしている人は留意。

用水を pH=6.3前後に下げたい。方法は?

私が思いついたのは「クエン酸」を利用すること。

参照:クエン酸 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

クエン酸は「クエン酸回路」の構成成分で、酸素呼吸をする生物では効率の良いATP生産ための重要な要素。栽培的にはみなさんご存知のように、肥料の成分がクエン酸の2%水溶液に溶解する性質が「く溶性」ですね。
この「クエン酸2%水溶液」を利用して、用水のpHを下げようと考えました。

具体的な方法

  1. ホームセンターなどで、安価な清掃用「クエン酸」を購入。割高な「食品用」の必要はない
  2. 水との重量比で2%になる量を溶かす。水1㍑ に クエン酸 20㌘。化学実験ではないので、大まかな数値でOK
  3. 用水が pH=6.3 前後になるようpHメーターで計測しながらクエン酸水溶液を加える。私の場合は、pH=8.0前後の水8㍑に 20㏄程度

この方法の欠点

肥料は水に溶けてイオン化し、それを植物が吸収します。以下は "推測" ですが、クエン酸水溶液を使ってpHを6.3程度に下げた水は、肥料のイオン化傾向を促すようです。これはバラが肥料を吸収しやすくはなるものの、かなりの肥料分が溶脱してしまうという大きな欠点があります。これまでの栽培結果や排水のECチェックから、そのように推測しています。

理想的な用水は

現在使用している谷川の今日のpH値は6.78 です。今後もこの程度の値で推移すると思われるので、クエン酸水溶液を使用せざるを得ない理由はほぼ無くなりました。でもやはり pH=6.78 はやや高すぎます。クエン酸を使用せず用水のpHを6.30まで下げる方法は?

ひょんなことからヒントを得て、まったく別の画期的な?方法を思いつきました。現在試験中なので、いずれ。


DONE:

  • 水汲み 2回 計600㍑
  • 灌水装置のセッティング


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