今シーズンのバラの肥料について、ホームの8月28日の記事:「2021 秋の施肥プラン」に書いています。そこで紹介した "く溶性"の肥料を液肥化する手順です。これまで適当に作っていたのですが、それではマズいと気づいて作り直しました。
液肥にする理由
"く溶性" の肥料成分は「根酸」によって溶け出します。この根酸のpHは2~3、レモン果汁ほどのやや強い酸性です。
バラの鉢栽培にとって、鉢土の表面近くには根毛が展開しており、この根酸がある領域に "く溶性" の肥料を追肥することが難しいという問題があります。使いたい肥料が "く溶性" の場合は、私は「まずクエン酸の2%水溶液に溶かして、それを希釈して灌水する」という方法をとっています。具体的には「マグホス」と「けい酸加里」です。
手順
- ホームセンターなどで「クエン酸」を入手。割高な「食品用」である必要はなく安価な「清掃用」でOK
- 重量比で2%になるように、水にクエン酸を加える
- このクエン酸2%水溶液1㍑に、く溶性肥料250㌘を加え*、よく攪拌し「使用液」とする
- 「マグホス」の場合、その使用液をさらに水で400倍に希釈する。8㍑ジョウロの場合は20㏄。pHは6.3程度
註:*「溶解度」が不明(自分で計算できない)なので、この数値はかなり適当。たぶん「過飽和」状態だろう。
左:「マグホス」の使用液
攪拌すればわずかに茶色がかった牛乳のような液になるが、やがて浮遊物が沈殿し、薄茶色・透明な液と分離する。なので、正確に言えばこれは完全に溶けた状態ではなく、混ざり合っている状態。 底には「基材(骨材)」と思われる鉱物が沈殿する。
使用時は、攪拌し乳白色になった液を水に希釈する。希釈すれば分離・沈殿はしない。このことから、溶質250㌘は飽和度を超えていると思われるが、実用上は問題ない。
右:「けい酸加里」
これも同様の状態を示す。
使い方
この溶液をボトルごとシェイクし白濁したままの状態で、8㍑ジョウロに20㏄(5㌘相当)入れて、水で400倍に希釈して灌水に使用する。私の場合、8㍑の水は10号鉢6個分なので、1鉢あたり0.8㌘。極々微量。これを数日おきに使用する。「少量・多数回」が私の方法。
クエン酸
参考資料: 「クエン酸の発根作用機作」:日本植物生理学会|みんなのひろば|植物Q&A
私がクエン酸を使うようになったきっかけは、農業用水路の水がなぜかpH=8.0を超えるような状態だったので、これをバラが好むpH=6.0~6.5程度にしたかったのが理由。その水にクエン酸の2%水溶液20㏄程度を加えるとちょうどpH=6.3程になって都合が良かったから。
でも、今は用水は谷川のきれいな水を使っていて、それは水道水とほぼ同じpH=7.0前後。クエン酸2%水溶液20㏄を加えるとpHが下がり過ぎる。クエン酸に溶かした肥料は使いたいので、どうしたものかと思案中。
DONE:
- 剪定:
- フランス・アンフォ(デルバール)
- ローズ・シネルジック(デルバール)
- トットちゃん(河本バラ園)
- 液肥作り
0 件のコメント:
コメントを投稿