このブログについて


バラの栽培についての考え方や方法は多様です。その多様性こそが、バラが文化として豊かであることの証左なのでしょう。
"答え"は一つではないとすれば、バラ栽培の楽しさは、"自分のバラの世界を見つけ出す" その過程にあると思っています。

このブログは試行錯誤中のバラ栽培の記録です。一部の記事はバラ仲間に私の方法を紹介するために書いたものもありますが、
「栽培ガイド」の類ではありません。バラ栽培を始めた頃に書いた記事の内容は現在の栽培方法とは異なるものも多く、
技術的にも拙く、論理も雑駁で、誤謬も多々含まれていると思われます。批評的に読んでくださるようお願いします。

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2021年8月28日土曜日

く溶性肥料を 液肥にする・1

今シーズンのバラの肥料について、ホームの8月28日の記事:「2021 秋の施肥プラン」に書いています。そこで紹介した "く溶性"の肥料を液肥化する手順です。これまで適当に作っていたのですが、それではマズいと気づいて作り直しました。

液肥にする理由

"く溶性" の肥料成分は「根酸」によって溶け出します。この根酸のpHは2~3、レモン果汁ほどのやや強い酸性です。

参考資料:「根酸と肥料成分の吸収」BSI 生物科学研究所

バラの鉢栽培にとって、鉢土の表面近くには根毛が展開しており、この根酸がある領域に "く溶性" の肥料を追肥することが難しいという問題があります。使いたい肥料が "く溶性" の場合は、私は「まずクエン酸の2%水溶液に溶かして、それを希釈して灌水する」という方法をとっています。具体的には「マグホス」と「けい酸加里」です。

手順

  1. ホームセンターなどで「クエン酸」を入手。割高な「食品用」である必要はなく安価な「清掃用」でOK
  2. 重量比で2%になるように、水にクエン酸を加える
  3. このクエン酸2%水溶液1㍑に、く溶性肥料250㌘を加え、よく攪拌し「使用液」とする
  4. 「マグホス」の場合、その使用液をさらに水で400倍に希釈する。8㍑ジョウロの場合は20㏄。pHは6.3程度

註:「溶解度」が不明(自分で計算できない)なので、この数値はかなり適当。たぶん「過飽和」状態だろう。

左:「マグホス」の使用液

攪拌すればわずかに茶色がかった牛乳のような液になるが、やがて浮遊物が沈殿し、薄茶色・透明な液と分離する。なので、正確に言えばこれは完全に溶けた状態ではなく、混ざり合っている状態。 底には「基材(骨材)」と思われる鉱物が沈殿する。

使用時は、攪拌し乳白色になった液を水に希釈する。希釈すれば分離・沈殿はしない。このことから、溶質250㌘は飽和度を超えていると思われるが、実用上は問題ない。

右:「けい酸加里」

これも同様の状態を示す。

使い方

この溶液をボトルごとシェイクし白濁したままの状態で、8㍑ジョウロに20㏄(5㌘相当)入れて、水で400倍に希釈して灌水に使用する。私の場合、8㍑の水は10号鉢6個分なので、1鉢あたり0.8㌘。極々微量。これを数日おきに使用する。「少量・多数回」が私の方法。

クエン酸

参考資料: 「クエン酸の発根作用機作」:日本植物生理学会|みんなのひろば|植物Q&A

私がクエン酸を使うようになったきっかけは、農業用水路の水がなぜかpH=8.0を超えるような状態だったので、これをバラが好むpH=6.0~6.5程度にしたかったのが理由。その水にクエン酸の2%水溶液20㏄程度を加えるとちょうどpH=6.3程になって都合が良かったから。

でも、今は用水は谷川のきれいな水を使っていて、それは水道水とほぼ同じpH=7.0前後。クエン酸2%水溶液20㏄を加えるとpHが下がり過ぎる。クエン酸に溶かした肥料は使いたいので、どうしたものかと思案中。


DONE:

  • 剪定:
    • フランス・アンフォ(デルバール)
    • ローズ・シネルジック(デルバール)
    • トットちゃん(河本バラ園)
  • 液肥作り


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