28日 く溶性の「マグホス」と「けい酸加里」を、クエン酸2%水溶液1㍑に加えて攪拌し、液肥を作った。
同様に、水に難溶性の炭酸カルシウムを主成分とした牡蠣殻石灰「セルカ」を追加。
炭酸カルシウム
牛骨や卵の殻、牡蠣殻など、炭酸カルシウムを主成分するものは、砕いただけで土に入れても簡単には分解しない。そのために、例えば牛骨を加圧蒸製(3気圧、180℃、3時間以上)して「蒸製骨粉」を作る。
牡蠣殻石灰「セルカ」の製造方法も同様だそうで、その外観も似たようなものになる。炭酸カルシウム中性の水への溶解度は0.00015 mol/L (25 °C)で、ほとんど溶けず肥料としては緩効性なので、鉢植えのカルシウム追肥には使い勝手が悪い。そこで「クエン酸」の登場。
3CaCO₃(炭酸カルシウム)+ 2C₆H₈O₇(クエン酸)→ Ca₃C₁₂H₁₀O₁(クエン酸カルシウム)+ 3H₂O + 3CO₂
クエン酸2%水溶液に牡蠣殻石灰「セルカ」を加えると、この式そのままで、二酸化炭素が発生してかなりの勢いでブクブクと泡が立つ。おもしろい。この「クエン酸カルシウム」は水の中で電離し、カルシウムイオン Ca⁺ となって比較的容易にバラに吸収されるのではないか?と考えた。調べてみると「クエン酸カルシウム四水和物」も水にほとんど溶けない(0.085g/100mL、18℃)そうで、肥効は果たしてどうなんだろう?
24時間後の状態
備考: ECやTDSは温度や攪拌などの条件次第で時間とともに大きく変化する。
種類 | 内容 | TDS ppm | pH | 使用液 ppm |
---|---|---|---|---|
セルカ | 上澄み | 658 | 7.32 | 150 |
攪拌 | 658 | 7.49 | ||
マグホス | 上澄み | 2015 | 3.49 | 200 |
攪拌 | 2015 | 3.56 | ||
ケイ酸カリ | 上澄み | 965 | 6.07 | 100 |
攪拌 | 1015 | 6.45 |
種類 | 内容 | TDS ppm | pH | 使用液 ppm |
---|---|---|---|---|
セルカ | 上澄み | 8603 | 6.63 | 150 |
攪拌 | 8390 | 7.41 | ||
攪拌 2%クエン酸水溶液2㍑追加 |
3619 | 5.83 | ||
マグホス | 上澄み | 計測不能 | 3.58 | 200 |
攪拌 5倍希釈 | 5560 | 3.75 | ||
ケイ酸カリ | 上澄み | 100 | ||
攪拌 | 8142 | 7.08 |
考察
- 溶媒はクエン酸2%水溶液1㍑。pH=2.21
- 上澄みと攪拌した液ではEC(ppm)が同じ。これは、いずれの資材も飽和溶解度を超えて「過飽和」状態にあるからと思われる。
- これまでの経験から、マグホスやケイ酸カリは時間とともにさらに溶解(分解)が進み、上澄み液の下部に白色不透明な層ができることがわかっている。
- マグホスとケイ酸カリは、上澄み液を取り出して新たにクエン酸水溶液を加えると、さらにある程度は溶解が進む。
- 沈殿している物質は溶質そのものだけではなく、肥料製造上の「骨材」らしく、時間をかけても溶解しない。
- セルカ(炭酸カルシウム)とケイ酸カリの溶液は、かなりpH値が上がった。
- セルカの上澄み液の中に「アク」のようなものができる(写真でも見えている)が、これが何か不明。
使用方法
- 上記の理由から、使用する際は上澄み液ではなくボトルをシェイクして混濁した液を水で希釈し攪拌。
- この溶液のppmが使用液の目標値になるまでを水で希釈し、それを灌水。
- マグホスの実測値は2000ppm、目標値は200ppmなので100倍に希釈。計算が合わないが、ECメーターの実測値は100倍で200ppmになるので、怪しげな計算よりも実測値を優先。
- 100倍希釈は8㍑ジョウロでは80㏄。これは現在使用中のものとほぼ同じかやや濃い程度。濃度障害には気づかないが、さらに安全性を考慮して、20㏄/8㍑ X 4回 に分けて使用する。
- 施肥量=濃度 X 1回の量 X 回数
DONE:
- 水溶性微量要素「ハイグリーン」 1㌘(5号鉢)〜4㌘(10号鉢) 全株
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