葉が反り返るのはなぜ?
バラは花だけが美しいのではない。葉もそれぞれの季節で美しく個性的に展開する。しかし、私が栽培中のバラの中では、特に以下の2品種が綺麗とは言えない状態。
HT ロージー クリスタル
コンペティション・ローズは「春はロージー 秋ジェミニ」というように(私が勝手に言っているだけ)春には綺麗な花が咲く。しかし秋にはまともな花が咲いたことがない(咲かせたことがない)。理由は、この反りくり返った葉に原因がある(関連がある)のではと考えている。
両方の株ともに目立つ病虫害は無い。濃緑色の葉は厚くて硬く、内側に巻き込んだ状態。#134 の右後ろに見える剪定後に展開した新葉(赤色)も既に反り返り始めているのがわかる。
考えられる原因と、その対策
- 品種の特性
- チッソ過多
- カルシウム欠乏
- マグネシウム欠乏
- 熱中症(強光線・高温による障害)
- 毎年同様の症状が出るので「品種の特性」と片付けてしまえば簡単だが、仮にその傾向があるとしても、秋にも綺麗な葉を展開し、佳花を咲かせる方法があるのではないか。
- 「チッソ過多」はありうると思う。‥と言うか、「典型的なチッソ過剰症状」だと考え、昨秋もチッソを減らす施肥をしたが効果は無かった。逆に、生育・開花がとても遅れまともな花は咲かず、それほどチッソを減らしてもこの症状は改善しなかった。
- 「カルシウム欠乏」は、カルシウムの葉面散布を定期的にしているので考えにくい。散布後も改善効果は見られない。カルシウム欠乏が引き起こす「チップバーン」とは症状が異なると思う。
- 今回着目したのは「マグネシウム欠乏」。他の品種のマグネシウム欠乏とは症状が異なるし根拠は乏しいが、他に原因を思いつかないので、"Kieser Mag"(硫酸マグネシウム)を与えて様子を見ることにした。
#134 がキーザーマグ 4㌘/10号鉢 を与えた株。キーザーマグは水溶性なので「葉面散布」の方が結果が出るのが早いか? #16 は比較対象として通常の肥培管理をする株。
ER シャリファ アスマ
イングリッシュローズの中でも気に入りの品種。気品のある花でエキゾチックな香りが魅惑的。
この動画(サイレント)は7月2日に撮影。すでに葉が裏側に丸まっている。これはこの品種の特性かと思っていたが、もしかしたら肥培管理に問題があるのかもしれないと考え、「ロージー クリスタル」と同じテストをスタート。
動画を撮った7月から今日までの2ヶ月間で、葉はいっそう硬くなっている。夏の暑さゆえなのか。
「ロージー クリスタル」「シャリファ アスマ」ともに、経過をレポートする予定
多くが一斉に咲くボリュームの美しさはないが、絶えることなく咲き続ける「エンドレス剪定」も捨てがたい。
切って家に持ち帰ったが、熱を出して学校を休んだ孫娘、気づいてくれたかな。
DONE:
- 芽かき 切戻し
- 捻枝した枝のうち、新芽が展開して不要になったものを切除
- マグホス(液肥) 大ハウス全株 TDS:216ppm(用水:103ppm) pH:6.1
- クエン酸2%水溶液 調整 12㍑ 1940ppm pH:2.2
- マグホス(液肥)調整 250㌘/クエン酸2%水溶液1㍑ TDS:計測不能 (>9999ppm) pH:3.3
前線が通過した時に少し雨が降ったが、夜半には雲が切れ月が顔を覗かせた。
あれっ、これとよく似た構図をどこかで見たことがある。・・そうハッブル宇宙望遠鏡が捉えた「カリーナ星雲」。
このカリーナ星雲(りゅうこつ座/地球からの距離約300光年)のアルファ星が「カノープス」。HTローズの「カノープス」2010年 富吉紀夫・作出 は、これに因んでの命名なのかも。
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