このブログについて


バラの栽培についての考え方や方法は多様です。その多様性こそが、バラが文化として豊かであることの証左なのでしょう。
"答え"は一つではないとすれば、バラ栽培の楽しさは、"自分のバラの世界を見つけ出す" その過程にあると思っています。

このブログは試行錯誤中のバラ栽培の記録です。一部の記事はバラ仲間に私の方法を紹介するために書いたものもありますが、
「栽培ガイド」の類ではありません。バラ栽培を始めた頃に書いた記事の内容は現在の栽培方法とは異なるものも多く、
技術的にも拙くて誤謬も多々含まれていると思われます。批評的に読んでくださるようお願いします。

2021年9月1日水曜日

剪定 硫酸カリ ECチェック

剪定

嬉しさ半分、新苗やベーサルシュート以外のステムにはまともな葉は残っていないので後悔半分で、粛々と剪定。
残った枝より切り捨てる枝葉の方がはるかに綺麗で、複雑な心境。

  1. ロージー クリスタル 7株 昨秋はとても開花が遅くて、まともな花が咲かなかった。
  2. 手児奈 4株 これも良い花が咲かなくなった。ロージーも手児奈も鉢を置く位置がよくないのかも。

日照量は意外にデリケート

ハウスは一般的な農業用ビニールハウスだが、ハウス内の場所によって日照量に微妙な差がある。これが生育不良の原因かも‥と考え、鉢を置く位置を移動してテスト中。

福岡で太陽が南中する午後0時半の前後2時間程度、遮光ネット設置の関係でハウスの中央の列には強い光が当たらない。『照度50K(5万)ルクス以上の強い光は有害無益』と一律に遮光してきたが、どうもそんな単純なものではないらしい。例えば、うどんこ病が発生するのは決まってこの中央の列。強光線は活性酸素を発生させ葉を傷めることもあるが、同時にうどんこ病原菌も破壊するようだ。

私のハウス内では東側の列(朝の光をよく受ける)の生育が良いのが経験的にわかっている。剪定を終えた鉢から東側の列に移動し、置き場所をローテーションするつもりだが、その体力・気力があるかどうか。

硫酸カリ

昨日「ケイ酸カリ」の液肥を入れたばかりなのに、今日は「硫酸カリ」を液肥にして入れた。連チャンの理由は、ベースの肥料「パワフルアミノ」の成分が、N:P:K=6:3:1とカリ分が低いこと、およびこの時期はカリが必要との話を聞いたことがあるから。

  • 「バラの 夏」 2015年8月4日 北九州市若松区 グリーンパークバラ園・年間講座7月 小林博司先生
  • 「"バラの夏休み" 考」 2015年8月24日 福岡市植物園 「バラの手入れと管理 ② 」 桃崎 皓邦先生

この一連の記事では、障害を引き起こさない 濃度 を考えてきたが、栽培的により重要なのは  。でも、残念ながら量についてはまだデータと言えるほどのものを持っていない。私の鉢栽培は土耕より溶液耕に近く、しかも用水のpHコントロールにクエン酸を常用するので、肥料分の多くは溶脱する。なので、土耕のように『Nの年間量◯㌘』というような設定はできない。施肥量はこれまでの経験とヤマ勘頼り。もちろん、これで良いと思っているのではなく、「廃液の循環」も意識しているが、まだ準備不足。

手順

参考: 「硫酸カリウム」:『ウィキペディア』

硫酸カリウムは水溶性で、水への溶解度 S=120 ㌘/㍑ (25 °C)。 肥料としての硫酸カリはとても硬くて簡単には水に溶けない。それがメリットで、簡単に溶けては使い勝手が悪いからだろう。硫酸カリ10㌘が4㍑の水に溶けるのに時々攪拌しながら1時間ほどかかった。なので、2回目は乳鉢ですり潰し微粉末にして攪拌。これは15分ほどでほぼ無色・透明になった。

「溶けた」というのは目視によるもので、S=120 ㌘/㍑からすれば、10㌘/4㍑が溶けるのに1時間というのは時間がかかり過ぎる。硫酸カリウム自体は早く溶け、難溶性の骨材などが含まれているのかも。

  1. 使用液の設定濃度は100ppm。「2021 秋の施肥プラン」の表を参照。
  2. 硫酸カリ10㌘を4㍑の水(農業用水:pH=7.50 TDS=105ppm)に溶かす。「硫酸カリ」の成分は50%なので、カリは5㌘。これを4㍑の水に溶かすと0.125%=1250ppmになる計算。
  3. ところが時間の経過とともに実測値が2000ppmまで上昇。理由は不明。
  4. この溶液を20倍希釈すると100ppm、用水も100ppmなので、実測値は200ppmだった。
  5. これを10号鉢あたり1㍑ 灌水。

*備考:この肥料「硫酸カリ」のカリ成分は50%。残り50%が何であるか、それが水に溶けてTDSメーターに反応するか、など肝心なことは不明。

ECチェック

鉢植えのメリットの一つは排水のECがチェックできること。これによって、培養土の肥料の状態を推測できる。方法は、優しい水流でゆっくり時間をかけて(場合によっては複数回)、水受け皿に排水が少し溜まるほどの量を灌水。それをECメーターで計測する。

夕刻、鉢の水受け皿にたまった排水のECをチェック。 計 35株。

多少のバラツキは当然あるが 平均 3000㎲/㎝程度。かなり高ECだが、想定の範囲内。8/28に計測したEC値より10%ほど下がっている。この間に「ハイグリーン」「ケイ酸カリ」「硫酸カリ」の3種類を加えたが、それによるECの上昇はさほどではないようだ。

ECメーターを新しいものに交換した。気のせいか精度が上がったような気がするが、簡易な(安価な)機器なので、硝酸イオンとかカリウムイオンとかの肥料成分単体の計測はできない。

より正確な計測が可能であろう機器もある。「pH・水質分析計 - LAQUA [水質計測総合サイト] - HORIBA

pHメータ 導電率(EC/TDS)メータ 硝酸イオンメータ この3本があれば。pHメータとECメータはとりあえず持っているので、硝酸イオンメータがあれば良いのか。なぬ、¥38,000! う〜ん。


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