失敗の原因は 雑菌?
何が原因なのか、交配時の予想とは異なりローズヒップが膨らんでからも枯れるものがある。
できるだけ農薬を使いたくない私のハウスは、多種多様な菌が繁殖していると思われる。その典型は「うどんこ病菌」と「黒カビ」。
高温・多湿と、50Klxを超える強光線の遮光。ハウス天井のビニール(無色・透明ではなく、折り畳めばわずかに黄色味を帯びる)も殺菌力のある紫外線の一部=UV-A (波長 400–315 nm)をカットしている可能性があり(未確認)、殺菌剤を使用しないハウス内はバクテリアや菌類の天国なのかも。
「子房」という大切な器官なので、バラ自身が侵入してきた菌に対する何らかの対抗手段=ファイトアレキシンを持っているだろうと思われるが、この構造では菌が繁殖しやすいだろう。
それとも肥料不足?
交配したのはすべてコンテスト出品を意識したコンペティション・ローズの株。10号鉢に平均3本のステムの中から1本を選び交配した。交配後は(今年は)かなり施肥量を抑えた栽培をしたので、肥料不足だったかもしれない。交配した枝は脇芽をすべて掻き取り養分をローズヒップに集中させたつもりだったのだが、それでも施肥量が少なすぎたか、あるいはそのバランスが悪かったのかも。
もしかして、授粉そのものに失敗?
受精の結果は3週間程度でわかり、失敗したものは子房が膨らむ前に枯れるそうなので、受粉後数ヶ月も経ってから枯れるのは雑菌など別の原因があると考えているが、「中途半端な授粉」というのもあるのかもしれない。子房の中の種子の数が少な過ぎるし、内部の構造も変だ。
子房が、侵入してきた菌に対しファイトアレキシンを生合成すると仮定すると、そのタイミングは受精がうまくいったことがわかってからのことだろう。十分な対抗手段を獲得するには、1〜2個の受精では足りないのかもしれない。
当初から気になっているが、蕊の部分にあるオレンジ色の粒は何だろう? "出来損ないの種子" なのか?
自然受精 自然落果
これは福島康宏氏が交配した FL「ウイリアム・アダムス」。比較対象として、開花後に放任(自然交配)したもののひとつ。8月末に自然落果。
いわゆる「完熟」には時期が早過ぎると思われるし、首が黒く枯れているので未熟のまま落ちたのかも。でもこの種子はそれなりの形になっているようだ。普通はこのくらいの数(10個以上)の種子ができるはず。
そして完熟すれば(私の台木品種は)果肉部分がジャムみたいにとろける。
これと見比べれば私が授粉したもの(例えば上の2例)は、受粉そのものがうまくいっていないように見える。自然受精し結実している地植えのローズヒップと、私が受精したものの外見上の大きな違いは、蕊(しべ)の部分。うまくいっているものはその部分が締まっている。
ということは、以下のローズヒップも危ない状態なのかも。
色づき始めたチビちゃんたち
5月23日の記事「バラの交配・5」には「交配に とりあえず 成功するのはたぶん50個程度か」と書いているが、とんでもない誤算。8月19日の「バラの交配・6」では「今も頑張っているローズヒップは20個ほどに減った」と記録しているが、現時点でなんとか生き残っているのはわずか13個。そのほか、HT以外の品種の自家(自然)交配が数品種あるのみ。
うどんこ病が出始めたので今日「サプロール乳剤」を散布した。これが雑菌類を抑えてくれるといいのだけれど、菌は既にローズヒップの内部深くまで侵入しているだろうから、大きな効果は期待できないかも。
それでもめげないゴンベエさん
この13個の中にはちょっと怪しいのもあるので、最終的に採果できるのは10個まで減るかもしれない。でも、それで上等だ。ローズヒップ10個 X 種10粒なら、種播きは100粒! 発芽率30%として・・十分楽しめるし、それに来年があるさ。肝心なのは「最初の一歩」。どの品種が不稔性の三倍体か見えてきただけでも素晴らしい!と自賛。笑。
いや、ここまでの成果は「交配は簡単ではない」というのがわかったこと。失敗の原因は単純ではなさそうなので、ここからスタートする。
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