このブログについて


バラの栽培についての考え方や方法は多様です。その多様性こそが、バラが文化として豊かであることの証左なのでしょう。
"答え"は一つではないとすれば、バラ栽培の楽しさは、"自分のバラの世界を見つけ出す" その過程にあると思っています。

このブログは試行錯誤中のバラ栽培の記録です。一部の記事はバラ仲間に私の方法を紹介するために書いたものもありますが、
「栽培ガイド」の類ではありません。バラ栽培を始めた頃に書いた記事の内容は現在の栽培方法とは異なるものも多く、
技術的にも拙く、論理も雑駁で、誤謬も多々含まれていると思われます。批評的に読んでくださるようお願いします。

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2021年9月5日日曜日

秋剪定ラッシュ  セルカ液肥

昨夜は福岡バラ会のメンバーとZoomを使った定例のオンライン会。話題は「剪定」。今日あたりから本格的な秋剪定を始める人が多く、私はみなさんより2〜3日早いようだ。

剪定時期について私が参考にするのは、福岡バラ会の 研究会テキスト「月々の手入れ」。このテキストの8月のページに「品種別 秋剪定日」の表が掲載されている。これは平成30年(ばら展開催10/19,20,21)のデータで、今年のばら展は10/22からなので3日遅い。また、鉢植えの場合は剪定を2〜4日遅らせるのがセオリーだから、この表よりも5日ほど遅くても良いはずだけど、昨年なぜか開花が遅い品種がいくつかあったので、今年は剪定を早めている。

HT剪定 3品種16株 累計14品種 54株

  1. スーパー ディオール 3株
  2. クリスチャン ディオール 4株
  3. ユートピア 9株

元気が良くてきれいな葉を展開している新苗を剪定するのは楽しい。でも葉を落としてしまった枝は剪定位置の判断が難しく、さらに芽の状態が良くない枝もあって。。


有機石灰「セルカ」を液肥に

成分
CaCO₃ N P₂O₅ K₂O MgO Mn B Zn Fe Cu Mo
86.0 0.3 0.3 0.2 0.7 300 224 90 343 16 2

Mnより右の単位はppm

有機石灰「セルカ」は「く溶性」と表示されているのではないが、主成分の「炭酸カルシウム」CaCO₃ は簡単には水に溶けない。これをクエン酸2%水溶液に入れると次のように反応する。

3CaCO₃(炭酸カルシウム)+ 2C₆H₈O₇(クエン酸)
→ Ca₃C₁₂H₁₀O₁₄(クエン酸カルシウム)+ 3H₂O + 3CO₂

詳細は8月30日の記事 「く溶性肥料を 液肥にする・2」を参照

  • セルカ200㌘/クエン酸2%水溶液1000㏄ TDS=8390ppm pH=7.41
  • セルカ200㌘/クエン酸2%水溶液3000㏄ TDS=3619ppm pH=5.83

よく攪拌して沈殿物と混ざり合った状態の溶液300㏄を8㍑の水(94ppm)に混ぜる(26倍希釈) TDS= 259ppm pH=7.71
これを鉢植え全株に1鉢あたり200〜1000㏄灌水。

セルカ200㌘を10号鉢120株に入れたのだから、1鉢あたりは2㌘以下。
普通の施肥だったら元肥として10号鉢に20㌘は入れるので、通常の1/10以下。

さて、 Ca₃C₁₂H₁₀O₁₄(クエン酸カルシウム)がどのような働きをするか。
溶解度は「水にほとんど溶けない(0.085g/100mL、18℃)」なんだそうで。。

・・え。クエン酸カルシウムの 溶解度は0.085g/100mL なの?

上等じゃないか。0.085%は850ppm。カルシウムは140ppmあればいいのだから。

この一連の作業中、何かちょっと生臭い臭いがした。そう、糸島半島・船越あたりの「牡蠣小屋」の匂い。セルカの原材料名は表記されていないが、「牡蠣殻」という話をJAで聞いた。クエン酸に溶かして、その匂いが強くなったのはなぜだろう。


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